ベトナム・ホーチミンで詐欺にあった② その後の話
前回の記事でホーチミンの流行の(?)詐欺にはまってしまったことをお伝えしました。
その後どのようなことになったのか今回はまとめます。
まず在ホーチミン日本総領事館。
ここへは電話でアポをとってから向かいました。
私は通話付きのSIMを購入していなかったのでホーチミンに住んでいる友達にかけてもらいました。
後から知ったのですが、ホテルからもかけてもらえるようです。
この詐欺の内容では、私も被疑者になってしまうということで警察に行っても尋問されたりかなり手間取ると言われました。
被害当時かなり頭が混乱していましたが、私のiPhoneの履歴でその時どのあたりにいたのかが確認できました。
(設定→プライバシーとセキュリティ→位置情報サービス→システムサービス→利用頻度の高い場所)
これで直近にいた場所が確認できます。
ただ3件までしか表示されず、また反映まで時間がかかったり、見るのが遅れてしまうと次の履歴に書き変わってしまう(3件しか表示されないため)ので注意が必要です。
今回のことがあって私は自分の移動履歴が残るアプリを入れました。
ただこれもアプリを起動して操作しないと記録されないため、咄嗟では使えないかもしれません。
でもお守りがわりにはなるかなと思っています。
さて、その履歴で
相手の家の近所の住所と
携帯電話を買わされたショップ
が判明しました。
レシートは商品ごともっていかれたので私はショップに行き、私の購入履歴が残ってないか調べてもらうことにしました。
お店に向かう途中、あの日のことを思い出して動悸が止まらず吐きそうになりましたが何か証拠をつかめればと思い足は止めませんでした。
お店に着き、経緯を説明。
ですが人気店なのでなかなか案内されません。
やっと案内されましたが、携帯電話番号で調べるから教えてくれと。
でも私は携帯電話番号を伝えずに購入しています。
ならレシートを見せてくれと。
(いや…それがないから来とんのや…)!!
レシートごと取られたと行ったら、それでは確認できない。顧客がたくさんだし開示できない。と。
日付と時間もわかってる、なんなら対応したスタッフも私のことを覚えている。
店内カメラにも絶対私が映ってる。
でもダメでした。
「力になれません」と言われて
思わずカウンターで半泣きになりましたが
対応してくれてありがとう、とその場を離れました。
さて。
もうなすすべもないですが私はベトナム人の女の子と次の日に警察署に行きました。
やれることは全部やる。
それでダメならしょうがない。
それなら後悔はない。
警察署ではうちの管轄ではない、と何度もたらい回しにされ、詳しく話を聞いてもらえません。
結局5回ほど移動しつづけ、また一番最初の警察署に行くように言われました。
そこで話を聞いてもらえなかったら電話してこい。絶対にそこの警察にやらせるから、と。
仕方なく戻り、また説明。
今度は話を聞いてくれましたが終始警察官はイライラしていて喧嘩腰です。
警官は通訳をしてくれている子とどこかに行って話をしていました。
後で教えてもらったのですが、
「あの日本人嘘ついてるんじゃないか。これ間違ってたら大変な問題やから向こうの国に全部申告するぞ」みたいなことを言ってたらしいです。
その後もなんやかんやと待たされ、
なんと被害を受けた家まで案内しろと言われました。
「そこに行けばわかるか?家を明確に思い出せるか?」
「わかりません、でも思い出せるかもしれません」
私と通訳の子はそれぞれ警官のバイクの後ろに乗り、現場近くへと向かいました。
行きながらも、あいつらに出くわしたらどうしよう、何か違うことを言われるかもしれない。
今よりもっと不利になるかもしれない…と頭がぐるぐるしていました。
現場近くに着き、見てみましたがすっかり夜になりどの家も門を閉めていてわかりません。
くまなく見ていきましたが見つけることができず、諦めることになりました。
(あーあ、終わった。。)
もしかしてこの後、私の方が怪しいと尋問されるのかな?
そんなことを考えていましたが、ホテルまで送ると言われました。
私と通訳の子はもともとその日夕飯を食べる約束をしていたので、そのお店まで連れて行ってもらうことにしました。
お店につき、警官に感謝を伝えると
「ノーサンキュー!!!」と
大声で言われ、警官も一緒にお店に入ってきました。
(何も証拠もないのに連れ回された迷惑料としてご飯を奢れってことなのかな…?)
しかしそうではありませんでした。
逆に警官が奢ってくれました。
「たくさん移動させてすまない。
証拠が出ず先に進まなかったのは申し訳ない、お詫びにご飯に招待します」
「悲しい顔をしないで。あなたは何も悪くない。国と人々を愛してくれてありがとう」
そんなことを言ってくれました。
あんなならギャンギャン怒っていたのに急に菩薩のような顔で翻訳機片手に言うものなので私は感動していましたが、通訳の子がこそっと
「これはこういうパフォーマンスです。
明日違う警察署に行って、もう自分の警察署には戻ってくるなということを言いたいんだと思う」
と教えてくれました。
そっか…そうなんだ…
ベトナムわからねえ〜な〜〜〜!!!
とにかくご馳走になり、その日は帰りました。
次の日私は通訳も見つからず、警察署に行くことはしませんでした。
そしてその時私のホーチミン生活はあと1日。
もう何もできないかな、と。
ホーチミンからダナンに移動する前の日に、Instagramからメッセージをいただきました。
今回の滞在中に仲良くしてもらっていた駐在妻さんのお友達の方です。
ベトナム人で日本語が堪能な弁護士の先生がいるということで繋ぎましょうか?というありがたいお申し出でした。
私は最初、もうこれ以上ダメで傷つくのが怖かったので悩みました。
でもお願いすることにしました。
先生がお忙しいのもありダナンに到着してからお返事があり、経緯をお話しました。
しかし…
エビデンスがないためホーチミンに戻る必要はないと言われました。
そ、そうですよね……
でもこれでやれることは全部やれたと思います。
専門家からしても無理!と太鼓判をおされたのでもう私も声を大にして言います!!
諦めます!!!
起きてしまったことは仕方ないですし、もう次に活かすしかありません。
今回のことでわかったこと。
夫に言われたのですが
「君が人を疑えないのは仕方がない。だからそれは変えなくていいし変えられないから、状況を疑おうね。」
なんとまあ優しくも取り入れやすいアドバイスでしょうか。
目の前の人が優しいかどうかではない。
初対面であるというのがまず問題だと。
確かにそうですよね…
私の中では初対面だろうが関係ない。みんないい人なのだ。という意識が大きすぎました。
悪い人も一定数いる。
そしてその悪い人が全員にとって悪い人でもないということも今回学びました。
見ているところはほんの一面で、
というか、
その悪かったりギョッとする面も実は自分の中にも同じようなものがあって。
だから人は嫌悪するんだなと。
今回周りの友人知人からのメッセージに対して感じた気持ちもそうです。
「なんでこんな優しくないこと言えるんだろう」
「逃げられないからこうなったんだよ、簡単に逃げろとか言うなよ」
そんなことを思ったりしました。
被害にあった人がそれを告白することで、それに対するコメントや反応で二次被害を受ける。
まさしくこれなんだなと。
でも私は、そんなコメントに傷ついたりもやもやしたり怒りを感じましたが、そんなコメントを眺めていると私のベクトルが違うことに急に気づきました。
なんでこの人たちに怒ってるん?
怒るべきは犯人に対してじゃない??
実は私はまだ犯人に対してきちんと怒れていません。
自分が悪いんだという気持ちが大きすぎて、まだそこへ行けないのです。
でもそのことに気づいたら、いただいたメッセージに対して感じていたもやもやが薄くなってきました。
そんなこんなで、ホーチミンの詐欺レポートは以上になります。
実際の被害額はいくらなの?と思う人もいると思うのでちょっぴり公開しちゃいますね!
100万をこえています!
どひゃーー!!
こんな小柄な女から100万以上絞るなよ!!
いや、大柄小柄関係ないけど!!!
前回からも何度も言ってますが、
まだお金の被害だけだったのでよかったと思っています。
生きてないとこの話も皆さんに伝えられなかったし。
人はみんな
「まさか私にかぎってそんなこと起こらない」
と思っちゃうんです。
正常性バイアスとかっていうらしいですが。
私も今までそれでやらしてもらってたんですけど、どうやらもうそれ無理みたいです。
自分っていうものを疑い、常に確認しないといけないようです。
本当に皆さんもどうぞお気をつけて。
優しく、心穏やかでありますように。
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