「発達障害と災害」について考える

スペラです。

今月1日の能登半島地震から約1か月になりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。被災地以外でも不安な思いをされた方はたくさんいらっしゃると思います。

僕にとっては発達障害や感覚過敏に関して本格的に調べるようになってから初めて起きた大災害だったので、自分自身のこととして考えることも色々とありました。


特に気になるのは避難所生活。実際に発達障害のあるお子さんのいる家庭では「そもそも避難所への避難を考えていない(可能だと思っていない)」というケースも多いそうです。

避難所生活の大きな問題となっているのは、やはり障害特性(特にASD)による強いこだわり感覚過敏。人の多さ・ざわめき・におい・日差しなどにより強いストレスを感じる人が多くいます。

今回の能登半島地震が起こる前の昨年11月24日にNHK総合テレビで放送された「明日をまもるナビ『みんなで助かるために 発達障害がある人と災害』」で過去の事例がいくつか挙げられていたので紹介します。

○視覚過敏のため、白い紙から受ける刺激で体調を崩した。

○体育館のざわつきに耐えられず、ステージのカーテン裏を使用していた。

○エコノミークラス症候群を予防するための体操が急に始まり、いきなり大音量で音楽が流れたため、パニックになる人がいた。

○白米にこだわりがある児童が、配られたふりかけのかかったおにぎりを食べることができずパニックになった。

それに追い打ちをかけるのが周囲の無理解で、「不公平だ」「わがままだ」などと非難されてしまうこともあるそうです。

おにぎりの件に関しては、スタジオに出演していた発達障害当事者の方は「『白米と何かが入ったおにぎりは別物』ということが伝わらないのではないか」と仰っていました。

さらに「りんごとプラモデルくらい違う?」という質問には「それくらい違うと感じる人もいる」「我慢して食べられるものではない」と答えられていました。

また、「精神障害のある方が迷惑を掛けたわけでもないのに避難所から追い出された」「発達障害のある人が在宅避難をしていて精神状態が悪化した際、家族にも理解を得られなかった」というケースも紹介されていました。


高齢者・障害者など支援が必要な人や一般の避難所での生活が困難な人のための福祉避難所も、支援者の確保ができていなかったり、個人情報の取り扱いの問題があったりといった理由でなかなか進んでいないそうです。

今回の能登半島地震では、施設そのものが被災してしまうなどして開設できていない福祉避難所もあるそうです。1月20日の時点では「開設が想定の2割にとどまる」と報道されています。

「福祉避難所」開設、想定の2割 能登地震被災7市町、施設損壊:東京新聞 TOKYO Web



僕は被害そのものへの不安よりも普段と違うことが起こること避難所での集団生活への不安の方が大きいです。発達障害がある人の多くはそうなのではないでしょうか。

特に一人で外出中、自分の意思を伝えやすい家族や友人がいない際に災害が起きたときのことを考えるととても不安です。それでも一人で外出はしてしまうのですが…。


現在は感覚過敏などは落ち着いていますし、食べ物に対する強いこだわりなどは特にありません。

ただ、災害時は精神状態が不安定になると思うので、普段は気にならないようなざわつきなどが気になる恐れは大いにあります。

またこれは二次障害に近いものなのですが、睡眠に関する心配が多いです。

現在は就寝時刻・起床時刻が不安定で、なおかつ10時間ほど寝ていることが多いです。そんなに疲れるようなことはしていないんですけどね…。

実際の避難所生活というものをよく知らないのですが、ある程度の集団行動が必要になると思うので、変な時刻に寝たり起きたりしてしまうのは周囲に迷惑を掛けてしまうと思います。

ちなみに眠くないときに無理に寝ようとすると「寝なければいけない」という強迫観念で軽くパニックになります。就寝時刻・起床時刻が不安定になったのはこうした理由です。

こうした睡眠事情は災害や避難所生活でのストレスで悪化するかもしれないので、かなり心配です。



発達障害など気づかれにくい障害がある人にとって最も重要な対策は、自身の障害について周囲の理解を得る工夫をすることではないかと思います。

特に感覚過敏やこだわりで苦手なもの飲んでいる薬などはあらかじめメモなどを用意しておくべきだと思いました。紙のメモとスマホのメモ、どちらがよいかは場合によると思うので、両方持ち歩くのがベストですかね?

ヘルプマークもあった方がよいかもしれません。
最近は一人で電車に乗ることなども平気なので必要ないかな…と思っていましたが、災害時に一目で支援が必要な人だと気づいてもらえるのは大きなメリットであることに気づきました。


実際に災害が起きたら現時点では想定していない問題が起こるかもしれませんし、逆に意外と平気かもしれません。

ただ、災害時に対する不安実際に避難所などであった事例を共有することは、対策を考えるきっかけになると思います。

睡眠の問題の解決策はまだ思いついていませんが、不安があることに気づけたのはよかったと思っています。
この記事を読んでくださった皆様も、ぜひ何が不安かを書き出してみてはいかがでしょうか。


最後に、約1か月遅れになってしまいましたが今回の地震で被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

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