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24時間の逃避行。

きっかけは、一つの記事でした。

分かる。マジでわかるわ。休日、本当に何もできない。最近の私の休日は全部これです。

金曜:仕事のプレッシャーで疲れすぎて死亡。そのままUber EATSをキメて速攻就寝。結局夜中に起きてダラダラアニメ鑑賞して死亡。
土曜:夜更かしのせいで午後起床。残った仕事と、洗濯掃除をやれていない焦燥感と罪悪感に焼かれながら夕方までふて寝。嫌になりいつものバーで焼酎を飲んでようやく週末を感じ、酔っ払って終了。
日曜:疲れで午後起床。残った仕事と、洗濯掃除をやれていない焦燥感と罪悪感に焼かれながら夕方までふて寝。嫌になりいつものカフェバーでコーヒーを飲みようやく目覚まし、そのままはしご酒で酔っ払って終了。
月曜:疲れが取れない絶望のまま仕事開始。死亡。

酷すぎる。酷すぎるだろ!!!!!!!

そう、私にとって休日はもはや休日では無くなっていました。たまたま予定のない日。予定と予定の間の空白。空白なのでやるべきタスクは山ほどある。でも中途半端に休みたい気持ちから何も片付かない。結果:死

死した気持ちのまま平日を迎えても、パフォーマンスは一向に上がりません。そりゃ当然です。良い休養がなければ良い頑張りはできないからです。

絶対に休むという揺るがぬ気持ち

だから私は決意しました。今週末、日曜朝8時〜月曜朝8時は絶対に何もしないと。
絶対に仕事をしない。絶対に人と話さない。絶対に頭を使わない。絶対に休む。
こうして、何年ぶりかもわからない「日曜日絶対休むマン・プロジェクト」が私の中で勝手に始動したのでした。

一度何もしない日を作るのは大変です。不思議なことに、土日のスケジュールを綿密に組むようになります。「完全なる休日」を作るためには、土曜日のうちに全てを終わらせておく必要があるからです。

ワイシャツのクリーニングも日曜日には持ち越せません。洗濯も土曜日中。月曜朝のミーティングの事前調査も全て日曜日に持っていけません。一つでも残せば、焦燥感と罪悪感に焼かれるだけの日曜日がやってきます。もう、そんなのは嫌だ(大声)。

そして訪れた日曜日

日曜日、朝8時。アラームが鳴り目覚めると、そこには「何もしなくていい日曜日」が転がっていました。何年ぶりでしょう。洗濯物は取り込まれ、部屋は綺麗に掃除され、月曜朝に送るメールは全て仕上がっています。俺は今日、究極の意識低い系ニートになれる。嬉しくて地味に小躍りしてしまいました。

借金玉さんの教えに従い、遠くの街のビジネスホテルを予約しました。大阪南港のATC付近。ここなら海も見えるので、部屋で退屈したら海沿いを散歩できます。退屈したら。

退屈って最後に思ったのはいつだ

そう聞かれて怖くなりました。最後に「退屈だな。何もすることがない」と思ったのがいつだったか、全く思い出せないのです。平日も土日も、タスクと予定に埋め尽くされており、その合間を縫って寝る日々です。何もない限界集落、農村である地元に暮らしていた頃、当たり前に転がっていた「退屈」という感情。社会人になり東京暮らしが始まってから、大阪転勤に至るまで、ほとんど思ったことがなかったのです。怖すぎる。街はコンテンツに溢れているが、私の本質は田舎者だ。

この日曜日の目標は「退屈すること」。退屈は心のエネルギーを持て余した状態です。私はちゃんと退屈できるだろうか。

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まずはホテルのチェックインの時間まで、海沿いを散歩しました。ポカポカ陽気で日差しが気持ちいいです。最後に太陽光をちゃんと浴びたのはいつでしょうか。オフィスの蛍光灯、仕事するには最適だけど、同時にしんどさも募ります。太陽は偉大だ。どんどんとスピり始めます。

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昼飯は好物のスープカレーにしました。空腹を満たす理由以外で、好きなものを食べたいと思って選んで食べたのはいつぶりだろう。田舎者の貧乏学生だった頃から収入も上がり、都会に住み、美味しいごはんに囲まれて生きているのに、食べ物の味のことをゆっくり考えたのは久しぶりでした。そういえば久しぶりに、地元の定食屋の親子丼が食べたいな、しょっぱくて好きだったな。店員が井上和香に似ていて可愛かったな。閑話休題。

ちなみにスープカレーは、ライスをスプーンに乗っけてスープに浸して食べるのが通らしいです。マツコデラックスが言ってたので、これは信頼できる情報です。

そして神へ

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15時になり、さきしまタワーホテルにチェックイン。コロナ禍で客もいないので、宿代は激安の2,400円です。去年出来たばかりなので内装もめちゃめちゃ綺麗。リモートワーク部屋にしても良さそうね。

ここからはもう神になったも同然です。私は今日、もう何もしなくていいからです。やるべきことは土曜日にやり切った。そう、私は神だ。

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ホテルなので掃除も洗濯も要りません。風呂に熱々のお湯を張ってから一気にザッパーンwwしても、翌月の光熱費に跳ね返りません。結局、3回も風呂に入りました。風呂、好きすぎる。

あとはもう自由です。読みたかった小説を手に取りますが、何章か読み進めると、自然と眠気が訪れます。ふて寝して、起きたら夕方の17時。本当に沈む夕日を久しぶりに見ました。太陽って沈むんだな。最近常に沈んでから外出してたから全然知らなかったわ。

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人間不思議なもので、「何もしなくていい環境」にいると、退屈を思い出します。ちゃんと退屈を思い出せてよかった。私はまだ田舎者の自分のままだった。すごく安心しました。夕暮れのお散歩へ。

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夕暮れと海がめちゃめちゃ好きです。東京で働いてた頃も、週末は必ずクルマを走らせて、羽田、幕張、稲毛、九十九里、房総と、いろんな海を見に行っていたことを思い出しました。あの頃は寂しかったけど、その代わりにきちんと時間の余白を感じることが出来ていました。

そのまま1時間、ずっと海を見ていました。死んだ目で海を見てるヤバいTシャツのオッサン(ヤバT)がひとり爆誕するわけですけど、今回気づいたのは、意外とそんな人が多いってことです。若い娘、おばちゃん、子供、おっちゃん、いろんな人がベンチに座って無心で海を見ていました。海に限らず、川、池など、「水」のある場所は気持ちにポジティブな影響があるんだとか。昔心理学の教科書で読んだことがあります。案外バカにできないよ、水。

爆睡、仕事へ

綺麗に整ったシーツと広いベットが与えられると、人間はなぜかぐっすり眠れます。単純な作りで助かるわ。そして普段の睡眠との大きな違いは「焦燥感や罪悪感から逃避するための睡眠」ではなく「純粋に休むための睡眠」ということです。ちゃんと休まるし、朝が怖くありません。そのまま職場に向かいますが、元気いっぱいです。これは凄い。

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朝。さんふらわあのフェリーが出航していきます。今度はフェリーでどっか遠くに行きたいな!

そんなわけで、24時間の逃避行を実践した感想でした。疲れ切ってるサラリーマン、サラリーウーマンの皆さん、ぜひ一度試してみてください。休むことの大事さをめっちゃ実感できます。私もこのホテルごもりを定期的にやるつもりです。皆さんも絶対に頑張りすぎず、「絶対に休む」ことを頑張りましょう。

それではまた。

かしこ



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