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テキストカバレージ「やわたCS2ブロック決勝戦」2023/10/21物語で王者に挑むのは、いつだって駆け出しの主人公


2023年10月11日。

今期のデュエル・マスターズで大活躍中の赤青マジックの顔である、<芸魔王将カクメイジン>の元ネタである将棋界で、史上初の偉業が成し遂げられた。



将棋界に存在する八大タイトルの総取り。



藤井聡太七冠が、将棋界に存在する全てのタイトルを獲得し、史上初の八冠を達成した。
筆者は美濃囲いや穴熊囲いくらいなら分かる、将棋を多少嗜んでいた程度の知識しか持ち合わせていないが、この記録がいかに難しいかは理解しているつもりである。運の要素が介入するカードゲームとは異なり、実力だけが勝負を左右する頭脳戦で連勝を重ねることは、どれほどの苦難であろうか。

だが、27年前にも同様に、羽生善治(現・日本将棋連盟会長)が7冠制覇を成し遂げているが記録に残っている。
その当時は藤井聡太ハ冠は生まれていなかったが、推察するに、藤井聡太ハ冠は羽生善治七冠を憧れていたり、目標にしていたのではないだろうか。現役世代の今の活躍があるのは、先駆者がいるからこそ。


自分より先に誕生した記録や偉業を、次世代が追いつき、追い抜く。

創作や物語だけでなく、現実に生きる人達も、誰かに憧れ、目標として戦っている。勝負の中で生きる人達はそんな世界の中に生きている。

いつだって、歴戦の猛者である王者に挑むのは、新時代のチャレンジャーなのだ。

話は逸れてしまったが、今回は1つのデッキを使い続けて勝利を積み重ねてきた歴戦の猛者に、初めて2ブロックフォーマットの世界に足を踏み入れた挑戦者が挑んだ勝負をフィーチャーする。










物語で王者に挑むのは、いつだって駆け出しの主人公


今回決勝戦の席に座るのは、心の岸辺と、つっかー/の2名。



心の岸辺は今年度青白ライオネルを使い続けて勝利を上げている、青白ライオネルの達人だ。
ちょうど3ヶ月ほど前に優勝したこともあり、2ブロックフォーマットに対する理解度やプレイングは高い。今回勝ち上がってきたのも当然だと言えるほどだ。


対するつっかー/は心の岸辺とは対照的に、なんと今日が初の2ブロック参戦。サガ環境の頃からずっとアビスロイヤルを使っていたとのこと。これまでの経験値がしっかりあったからこそ、普段とは違うゲーム性の中でも勝ち上がってこれたのだろう。

2ブロックフォーマットを熟知した歴戦の猛者と初心者。
これが将棋であれば8枚落ちくらいの力量差かもしれないが、これはデュエル・マスターズ。技量と時の運が勝負を分けるゲームであり、経験年数なんて関係ない。
勝利の女神はどちらに微笑むか。




GAME1


先攻を取ったのは心の岸辺。

2ターン目まではマナチャージを繰り返して、ファーストアクションは<ゲラッチョの心絵>による1ドロー。

筆者が青白ライオネルを構築する際は採用しない派のカードだが、序盤に手札交換をしつつ、後続の<ジョーカーズの心絵>の出力が上がるSトリガーという役割がある。





それに対してつっかー/は2ターン目に<ド:ノラテップ>を場に送りだす。





心の岸辺の3ターン目は多色カードである<護天!銀河MAX>をマナに逃してターン終了。3コストのドローソースが打てず、苦しい展開に。




対するつっかー/は2体目の<ド:ノラテップ>召喚から<レター:ジェンゲガー>を出してシールドを1枚ブレイク。
トリガーはなかったので、ターン終了時に墓地と手札を1枚ずつ増やす。






心の岸辺の4ターン目は<極智呪文 ゼンブレイン>で2ドロー。


だが、切札である<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>の姿は見えない。
だが、この状況を打破する可能性があるカードがある。それが<貝獣パウアー>。

このタイミングから心の岸辺は相手がハンデス効果で<貝獣パウアー>を叩き落とすことを狙うプレイ方針を取り始める。

心の岸辺の手札にあるクリーチャーが<貝獣パウアー>だけの時に、つっかーが<深淵の懐炉 マーダン=ロウ>を場に出すと、強制効果の関係でマッドネスを発動できるのだ。

それを狙って心の岸辺はここまでのターン、手札の<AQ NETWORK>、<MAX・ザ・ジョニー>をマナに置き、手札からクリーチャーを減らすマナ置きをしていた。こういったプレイが出来るのは熟練者だからこそ。




その一方で、つっかー/は4ターン目のプレイを悩んでいた。

手札にはこのターンにプレイできるカードが4枚あり、<アビスベル=ジャシン帝>、<邪侵入>、<深淵の懐炉 マーダン=ロウ>、<ブルーム=プルーフ>だ。

場には<ド:ノラテップ>が2体いるので、軽減効果を含めると4コストのカードを2枚使うこともできる。
<深淵の懐炉マーダン=ロウ>で相手の状況を確認することもできるが、<ブルーム=プルーフ>を立てると、踏み倒しをかなり妨害できるので牽制になる。



この時、つっかー/が<深淵の懐炉マーダン=ロウ>を出していたら、未来は違ったかもしれない。


この時につっかー/が2ブロックの<貝獣パウアー>の存在を知っていたのかは知る由もないが、結果として<アビスベル=ジャシン帝>と<ブルーム=プルーフ>が場に送り出される。


これにより、心の岸辺は自分のターンに<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>から連鎖することが難しくなってしまう。しかも<ブルーム=プルーフ>の効果で<邪龍ジャブラッドが墓地に落ちる。

そしてつっかー/はこのターンも盾を削る。
<ド:ノラテップ>で1点。

盾から手札に加わる<貝獣パウアー>。

ターン終了時、<レター:ジェンゲガー>がリソースを増やして心の岸辺のターンに移る。





5ターン目を迎えたが、手札がよろしくない心の岸辺。


手札を増やすべく<♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今>をプレイ。

つっかー/の墓地をリセットしつつ2ドローして、ターンを返す。



そしてこのドローによって、ようやく<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>が心の岸辺の手札に駆けつける。





墓地をリセットされたつっかー/だったが、5ターン目は<邪侵入>から<ブルーム=プルーフ>を出し、アビスラッシュで<深淵の文暴具 ケシカス=カース>を場に。


そして墓地肥やし効果で落ちるのが、ベストタイミングの<深淵の懐炉マーダン=ロウ>!!

つっかー/はもちろんアビスラッシュで<ド:ノラテップ>と合わせて場に出すと、<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>を捨てさせる。


1度掃除された墓地を3ターン目から抱えていた<邪侵入>で切り返したつっかー/は、すぐさまアビスラッシュで出た<深淵の懐炉マーダン=ロウ>を攻撃に向かわせる。
シビルカウント3で<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>の効果を使い、1ドローして1枚ブレイクする。






のだが。




シールドからめくれたカードは<B.F.Fモーメント>。
つっかー/のバトルゾーンが一掃されるが、<アビスベル=ジャシン帝>はこのタイミングで置き換え効果のコストとして墓地に<アビスベル=ジャシン帝>と<ハンマ=ダンマ>が送り込むことで場に留まる。

心の岸辺も切札の姿が見えないことで苦戦しているが、つっかー/もまた、切札が見えないことで難しいゲームを強いられている。
<邪龍ジャブラッド>があれば、どれほど楽に攻め込めただろうか。だが、頼れる切札がなければ自分の技量でなんとかするしかない。






なかなか勝利に繋がるカードが揃わない、心の岸辺の6ターン目。

頼ったのは何度も心の岸辺にEXWINをもたらした<MAX・ザ・ジョニー>。


6マナで召喚し、シールドを増やすべくプレイヤーに攻撃する。



だが、この攻撃はもちろん通らない。つっかー/はすぐさま<アビスベル=ジャシン帝>でブロックしつつ、手札を2枚捨てる。
墓地に送り込まれたのは前のターンでバウンスされた<深淵の懐炉マーダン=ロウ>と<ブルーム=プルーフ>。




そしてつっかー/の6ターン目。反撃に出る。

手始めにアビスラッシュで<深淵の文暴具 ケシカス=カース>を召喚して墓地を2枚肥やすと、続けて<アビスベル=ジャシン帝>をアビスラッシュ。

ほぼ全てのアビスロイヤルが1マナで登場するということは、勝利へのウィニングロードが開かれることと同義だ。
続けざまに3回アビスラッシュが決まり、前のターンに全体除去が撃たれたとは思えないほどの軍勢が盤面に現れる。


3枚残っていた心の岸辺のシールドには、もう1枚の<B.F.Fモーメント>が眠っていたが、捲れたのが最後のWブレイクのタイミングだったため、<アビスベル=ジャシン帝>のダイレクトアタックを止めることは出来なかったのだった。





                WINNER つっかー/




大会結果






今大会ベスト3カード



第3位 「正義星帝」 <ライオネル.Star>


現在の2ブロック環境でマークされているデッキは3つあり、アビスロイヤル、マジック革命チェンジ、青白ライオネルがそれに該当する。その中の1つがこのカード、というわけだ。

2ブロック環境では、<時の法皇ミラダンテⅫ>や<音響の精霊龍ラフルル・ラブ/未来から来る、だからミラクル>のようなトリガーを封じるカードが少ないというかほとんど存在しないため、このデッキをどう乗り越えるかが課題になっている。

踏み倒しメタやハンデスなどが有効であるので、今週は黒緑アビスに<深淵の十傘 アンブレラ・イザベラ>が採用されていたり、<CRYMAXジャオウガ>を搭載するデッキも存在した。

正直心の岸辺選手のプレイが上手すぎるのが大きいのだが、今後も受けデッキの顔として青白スワンと共に戦うことだろう。



第2位  ブルトゥーラ-D1


「は?誰だお前?」というのが読者の感想だと思うが、今大会ではとあるデッキに採用が多く見られたカードなのだ。

それが赤青マジック。
青白ライオネルの話でもトリガーをどうケアするかが問題になっていることをお話ししたが、赤青マジック側のライオネルに対する回答としてこのカードが採用されていたのだ。
<瞬閃と疾駆と双撃の決断>から<ブルトゥーラ-D1>を出すことで<B.F.Fモーメント>のバウンスや、<ジョーカーズの心絵>のシールド送りを無効化できる。

また、<ブルトゥーラ-D1>以外にも、<ゴルパガーニ-A7 / ダウンフォース・サーキュラー>を<芸魔王将カクメイジン>の効果で使うなど、プレイヤーの試行錯誤が読み取れる。

こういうプレイヤーの手でデッキが組まれて、新しい発見があることが2ブロックの楽しいところだ。


ちなみに、<ゴルパガーニ-A7 / ダウンフォース・サーキュラー>などで場のカードを離れなくすると革命チェンジが出来なくなる点には注意だ。






第1位 ブルーム=プルーフ


現環境にブッ刺さる、アビスロイヤルが出した環境に対する答えがこのカード。
2ターン目に<ブルーム=プルーフ>、3ターン目に<邪龍ジャブラッド>を出して1点入れるだけで革命チェンジや踏み倒しギミックを使う全てのデッキを封殺する。

メクレイドには無力だったことから存在感が薄れていたが、メタが回ってまた黒単アビスの通りが良くなった。
今後も活躍が期待できるので1位に選出。








あとがき


みなさんこんにちはこんばんは。Feiです。

ふとアビスロイヤルが登場してもう1年経つんだな〜とか思い、過去に書いたカバレージを見返したりしたのですが、こういう文章に挑戦してみようと思ってやり始めたのもちょうど1年くらい前の今頃だったみたいです。というかメタが回りに回って1年越しに黒単アビスが勝ってるの、おもろいですね。まぁ今年の8月も今回と同じカードだったんですけど。


「そのうち3日坊主になって辞めるでしょ」とか思ってたら気がつけば12回もやってます。やってみれば意外とできるもんですね。仕事があれど、月に2回ペースといえばそれはそう。マジで毎日動画投稿してるYouTuberはすごい。バケモンだ。


そしてそんな節目のタイミングだから.…というわけではないのですが、ジャッジのスガさんが、「公式のっぽくカバレージに写真載せようぜ!!!」とか言い出したので、今回からプレイヤーの写真アリでやってみました。

「個人の写真を載せるとか、承諾書にサインを貰いたいくらい色々リスクがあって怖いけど?」と思っていましたが、参加者のお二人が快く協力してくださったので実現。一気にそれっぽくなりましたねー。カメラマンが実力派なのも相まって緊張感が出てます。

こうして大々的にやることで、ユーザー側でCSなどのイベントが盛り上がってますよ〜って発信にも繋がりますし、「あそこのCSではカバレージ書いてもらえるかもしれないらしいぞ!!」ってCSに付加価値が付くので、やってよかったと思います。理由がどうであれ、会場に来てもらえるようにするのが目的ですから。

というか僕もそう思って情報発信してきましたしね。好評なようであれば、今後も継続すると思います。
もちろん顔が映るのがヤダという場合は対応しますし、これまで通り文章だけにしますけど。

エリア予選が2ブロックで復活してくれるように誘致したいので引き続き頑張ります。













と言っている側からこんなこと言ってしまって申し訳ありませんが、次回開催分は仕事の都合で休みます。

去年も6月と10月のこの時期に休んだんですけど、どうしても仕事を優先しないといけない日なのですみません....。
マジで勘弁してほしいけど、日本は慣習がなかなか変わらない体質の国なので.…。



運営から当日の対戦風景の動画とか、写真が送られてこない限りはお休みします。というか休ませてください。たまにはね?ね?休載ってやつよ。



それではまた次回でお会いしましょう。












                     おわり



















デュエキングMAXを開けていたら、この子たちが当たりました。


お前らはマジで最強だった

どっちもDMGP8thのWINNERカードで、思い入れがあるGPの時のカードが出て懐かしくなりました。
個人的には<轟轟轟ブランド>が2ブロックで暴れてた印象があるのはDMGP7thの時ですかね。前日に赤青覇道が現れて、京都まで行ってSpirtsのなおさんに使われた思い出。
でもGP 8th2ブロックの轟轟轟も好きなんですよね〜。倒す側になってたので、使われた記憶なんですが。


あとGP 8thはカバレージのイメージも変えられた、個人的に印象に残る記事だったんですよ。「3本目が呆気なく終わるのをこうやって書いていいんだ!?」って。新たな手法だと感動してたまに自分もやるようになりました。

だって最後に轟轟轟の画像だけ貼って、全てを察させておわりですよ?あー必ずしも多く語るのが正解じゃないんだなーみたいな。




デュエキングのWINNERカード大好きすぎていっぱい持ってるので、並べてみたけど2ブロックの歴史だ.…

いつかは自分が使ったカードがこうなってほしいですね。

オタクの思い出話もこれくらいにしておきましょう。



















サインありがとうございました。第一号です。



                 ほんとにおわり

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