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テキストカバレージ 「やわたCS2ブロック決勝戦」10/8       ー前年度覇者に立ち向かうアビスロイヤルー



2022年、9月30日、4月から始まった2022年度前期DMPランキングの集計期間が締め切られた。

そしてDMGP10thの開催によって後期のランキングも開始された。オリジナル環境もアドバンス環境も、GPの影響を大きく受け、環境に変化が訪れる週であると予想される。ランキングを走るプレイヤーは息をつく暇もなかっただろう。

しかし新シーズンを迎えたのはオリジナルとアドバンスだけではなく、2ブロックフォーマットも同じこと。

前回のクリエイターズレターにより、落ちるのではないかと言われた2ブロックフォーマットのカードプールが正式に発表され、王来編、王来MAX編、GOAの3シーズンの使用が発表された。

そして1発目の2ブロックCSとなったこのやわたCSの会場で、新環境の幕開けを告げるのは果たしてどのデッキか。

新環境の注目株は前期まで最強の名を欲しいままにしたアナカラーハンデス、圧倒的な速度を売りにした赤単我我我、王来編で収録された大量の5色カードを操る5cコントロール。
ここにGOAプールが追加され、環境はどのように動くのか。


新鋭アビスロイヤルを迎え撃つは、前年度覇者5cコントロール


デュエルマスターズの主人公が交代してからはや1ヶ月。ドラゴンが支配するデュエル・マスターズの世界に邪神が降臨してから、1ヶ月。

新主人公が従える邪神は2ブロックフォーマットの戦いを勝ち上がり、決勝戦の舞台に現れた。


デッキリスト


対するは今年度の初めに2ブロック落ちしたのちに9月の「デュエマフェスパック」によって再び2ブロック環境に帰ってきた「ドラゴンズ・サイン」と王来編の顔とも言える「龍風混成ザーディクリカ」を中心に据えた5cコントロール。デドダムドラサイザーディロストという1撃必殺のムーブがある、2ブロック環境最強デッキのうちの一つとしてここまで勝ち上がってきた。

デッキリスト


2ブロック環境における大抵のデッキを否定する「ロスト・Re:ソウル」だが、墓地のスペシャリストである「アビスベル・ジャシン帝」が事前に場に出ていればアビスラッシュによって展開できるため関係がない。果たして勝つのは新主人公の手下か、前年度2ブロック環境の覇者か。

今回は「アビスベル・ジャシン帝」率いるアビスロイヤルを使うwataru@と、前年度の2ブロック環境を定義した覇者であるドラゴンズサイン型5cコントロールを使うたかのマッチアップを石版に刻む。


GAME1

5c側の場に禁断が6枚セットされた状態でゲームが始まる。

先攻をゲットしたたかだが、ファーストアクションとなったのはwataru@の2ターン目の<スプーン=ンプス>。盾からカードを一枚回収する。


続くたかは3ターン目に<天災デドダム>をプレイしようとするが、決勝の舞台での緊張からか、<切札勝太&カツキング〜熱血の物語〜>、<龍風混成ザーディクリカ>、<闘争類喧嘩目ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ>とチャージしてしまったために<天災デドダム>を出すための闇マナがないことに気づき、貴重なターンを無駄にしてしまう。

これ幸いとばかりにwataru@は3ターン目に<邪侵入>を唱えデッキから墓地を4枚肥やすと、<フォーク=フォック>をバトルゾーンに送り出し、<ハンマ=ダンマ>を回収する。

続くたかのターンだが、先のミスによって<天災デドダム>をマナに置くだけでターンを返す。

相手がもたついている間に手を進めたいwataru@だが、4ターン目はデッキの核となる<アビスベルジャシン帝>を送り出して1点刻んでターンを返す。

ようやく動くことのできるたかの5ターン目。単色マナを埋めて開かれるは<ドラゴンズ・サイン>!!<龍風混成ザーディクリカ>を場に送り出して禁断の封印を外すが、墓地に落ちたのは<百族の長プチョヘンザ>。

続く呪文が増えなかったため、<龍風混成ザーディクリカ>のCIP効果を使わず、ターン終了時の効果を解決してターンを返す。

こうなると苦しいのはアビスロイヤル側。そろそろ殴り切らないと相手の回答となるカードを引く確率が上がるばかりだ。このターンに勝負を決めるべく出来ることを全て行う。

wataru@はマナをチャージすると<アビスベルジャシン帝>の効果によりアビスラッシュ状態で<スプーン=ンプス>を場に出すと、盾を回収しつつSバックで<秩序の意志>を発動し相手のザーディクリカを封印。その後には<ベルゲル=エール>、<デブル=ザザーム>、<フォーク=フォック>と立て続けに邪神の手下を蘇生し続け、シールドを一枚ブレイク。

しかし1枚目のシールドから現れたのはSトリガーの<灰燼と天門の儀式>!!


封印から何気なく落ちた<百族の長プチョヘンザ>を蘇生すると効果でバトルして破壊する。
一見すると無駄に攻撃しているように見えるが、アビスラッシュ状態で場に出たクリーチャーはターン終了時にデッキの下に帰ってしまうため、結果的に墓地が増えるか相手の盾を削っておくことのどちらに転んでも良いというプレイが光る。しかし次のブレイクではGSを踏んでしまい、アビスロイヤル側の打点がとうとうなくなってしまう。

そしてターンが返ってきた5c側の6ターン目。



<切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー>がバトルゾーンに現れ、


<時の法皇ミラダンテⅫ>とチェンジし、ファイナル革命を発動すると同時に、アビスロイヤルに出来ることは無くなった。

wataru@ 0-1 たか

GAME2

負け先によりアビスロイヤル側の先攻で始まり、2ターン目には<スプーン=ンプス>でシールドを1枚回収する。

対する5c側は<龍風混成ザーディクリカ>、<ロスト・Re:ソウル>とチャージし、天災を場に送り出そうとする構え。

アビスロイヤル側の3ターン目、<邪侵入>をプレイして<フォーク=フォック>を蘇生し、効果で<アビスベル=ジャシン帝>を回収する。

しかし返しのターンにたかは<闘争類喧嘩目ステゴロカイザー/お清めシャラップ>を呪文側でプレイ。相手の行動を鈍らせるためにアビスロイヤルだけを全てデッキに返す。

続くwataru@のターン。<邪侵入>から<深淵の三咆哮バウワウジャ>を蘇生する。

前のターンの墓地リセットが響き、ジリ貧となっているwataru@は相手の盾を4枚にすべくシールドを1枚ブレイク。


しかし無情にも開かれる<ドラゴンズ・サイン>。

<龍風混成ザーディクリカ>が現れて再び<ドラゴンズ・サイン>を経由して2体目の<龍風混成ザーディクリカ>から<灰燼と天門の儀式>からステゴロカイザー面で蘇生する。

1枚のSトリガーから思わずジャッジがどちらのターンか忘れるほどの軍勢を築き上げられたwataru@はターンを返すしかない。

しかし続くたかはお清めシャラップを唱えてからステゴロカイザーで<スプーン=ンプス>を殴り返してターンを返すのみ。

ターンが返ってきたwataru@はリソースを稼ぐ。
<アビスベル=ジャシン帝>を召喚してから<フォーク=フォック>で2枚目の<アビスベル=ジャシン帝>を回収し、ターンを返す。場には<アビスベル=ジャシン帝>と<深淵の三咆哮バウワウジャ>が棒立ちの状態。

しかしどこまでもたかは慎重に行く。<天災デドダム>から持ってきたお清めシャラップを再び発動して墓地をリセットすると、ターン終了時に<龍風混成ザーディクリカ>の効果で2ドロー。


確実にアビスの反撃の目を摘んだ..…。

はずだった。

だが、ジャシンの力はそんなものでは止まらない。反撃のチャンスがきたwataru@はビッグアクションを起こす。

<フォーク=フォック>をコストに<テブル=ザザーム>を召喚するとその<フォーク=フォック>から<スプーン=ンプス>へと繋げて盾回収時にSバックで<秩序の意志>。<龍風混成ザーディクリカ>が封印され、<ベル=ゲル=エール>まで蘇らせる。気がつけば<深淵の三咆哮バウワウジャ>までもが起動して物凄い打点が生成される。

一瞬にしてジャシンの元に集ったアビスロイヤルの軍勢は<切札勝太&カツキング〜熱血の物語〜>一枚程度では止まらない..…

wataru@1-1たか

GAME3

もつれにも連れ込んだ3ゲーム目はじゃんけんでwataru@が先攻を取り、3ターン目には<邪侵入>から<<アビスベル=ジャシン帝>をしっかり呼び出す100点のプレイ。

しかしたかも負けじと3ターン目にはお清めシャラップで墓地をリセットする。2ターン目には<天災デドダム>を持っていたが、それをチャージしてこちらを優先する丁寧なプレイ。

墓地からアビスラッシュを決めるプランが崩壊したwataru@は<レター=ジェンゲガー>を出してから<アビスベル=ジャシン帝>でwブレイク。

このWブレイクで<切札勝太&カツキング〜熱血の物語〜>がSトリガーになることなく手札に吸い込まれていき、たかも思わず顔をしかめる。

しかしそこにさらなる不幸がたかを襲う。シールドが2枚ブレイクされたにも関わらず、手札には単色のカードが2枚しかない。<ドラゴンズ・サイン><ロスト・Re:ソウル>、<龍風混成ザーディクリカ>がそろっているにも関わらずだ。

結局たかは<ロスト・Re:ソウル>が禁断の封印から落ちるのを期待して<ドラゴンズ・サイン>をプレイし、<龍風混成ザーディクリカ>を場に送り込むが…

封印から落ちたのは<闘争類喧嘩目ステゴロカイザー/お清めシャラップ>。そのままお清めシャラップ側で唱えて終了時にドローする。

またしても墓地リセットされた状態でターンを迎えたwataru@は仕方なく<深淵の三咆哮バウワウジャ>を出して墓地を肥やすと、落ちた<レター=ジェンゲガー>をアビスラッシュで蘇生し、終了時に仕事をさせてからデッキの下へ。

ターンが帰ってきたたかは<天災デドダム>をチャージし、<切札勝太&カツキング〜熱血の物語〜>をプレイ…


しようとするものの、そこには赤マナがない...!!
決勝戦には魔物が潜んでいるとでもいうのか…。

手札でスタンバイしていた<時の法皇ミラダンテⅫ>が死に札になり、未来から駆けつけることが出来なくなってしまった。
しかも<天災デドダム>をチャージしたおかげで6マナしかないたかは何もプレイすることなくターンを渡すしかない。

そして何も妨害せずにターンを渡すということは、ジャシンが暴れ出すということ。

急死に一生を得たwataru@の決死の攻撃が始まる。

手札から<ベルゲル=エール>を出すと、アビスラッシュで<ハンマ=ダンマ>を出し、<龍風混成ザーディクリカ>のEXライフを破壊し、残りのマナで<フォーク=フォック>を連鎖させて<アビスベル=ジャシン帝>の除去体制を増やしながら<深淵の三咆哮バウワウジャ>を起動させる。

そしてここまで来たらデュエル・マスターズというゲーム性に乗っ取り、3枚のシールドを攻撃するしかない。

たか側の墓地には<灰燼と天門の儀式>で蘇生するクリーチャーが<百族の長プチョヘンザ>しかないため、ブロッカーとして1面を止めながら呼び出してもすぐさま<深淵の三咆哮バウワウジャ>の効果で破壊されてしまう。


そのため有効札となるのは<ドラゴンズ・サイン>しかない。手札には<龍風混成ザーディクリカ>が控えている。


しかも<深淵の三咆哮バウワウジャ>は破壊以外の方法で除去されないので、<切札勝太&カツキング〜熱血の物語〜>でも足りない。




4ターン目のジャシン自らのWブレイクが、ここで活きている。





そしてwataru@は<フォーク=フォック>を横に傾ける。








シールドから飛び出すカツキング。<蒼き団長ドギラゴン剣>を回収して<スプーン=ンプス>をバウンスするが、まだ足りない。




次にwataru@は<ハンマ=ダンマ>を横に傾ける。






トリガーする<灰燼と天門の儀式>。



だが、これでも足りない。



そして最後にwataru@は<深淵の三咆哮バウワウジャ>を横に傾ける。
アタック時の効果で百族の長はブロックする間も無くケルベロスに蹴散らされる。



wataru@は最後のシールドが<ドラゴンズ・サイン>でないことを祈った。



たかは真逆の祈りを捧げた。



シールドトリガーがあるか、ないか。デュエル・マスターズの要素を突き詰めた状況に周りの人間も固唾を飲んで見守る。





そして捲られたシールドに、<ドラゴンズ・サイン>は、






ーーーなかった。





そして最後に<アビスベル=ジャシン帝>自らが相手にトドメを刺した。


こうして、深淵から復活した伝説のジャシンは自らの復活を世に知らしめたのだった。



おめでとう。アビスロイヤル。後期2ブロックフォーマット初代王者!!


               WINNER    wataru@





今大会トップ3カード


第3位「正義星帝」 <ライオネル.Star>

DMGP 10thのオリジナルで決勝まで勝ち上がったデッキの核となるカードがランクイン。

ほとんど今年度発売されたカードで構築されているのでもちろん2ブロックフォーマットで使用できる。

なんと言っても<アルカディアス・モモキング>+<キャンベロ <レッゾ.Star>>の組み合わせはやはり強力。
全体母数が3人だけであったにも関わらずベスト4に2人送り込み、安定性と力強さを証明した。

https://twitter.com/dmyawatacs?s=21 

やわたCS運営より引用



第2位 ドラゴンズ・サイン


はっきり言って、2ブロックフォーマット有識者の中でこのカードの2ブロック復帰を望んだ人はほとんどいない。
何故ならこのカードは昨年度の2ブロック環境を破壊した張本人だからだ。

このカードがあるせいで4ターン目に<ロスト・Re:ソウル>が飛んでくるルートが存在してしまう。

このカードがあるせいで、並のビートダウンはその存在意義を失ってしまう。

このカードがあるせいで、2ブロック環境の多様性が破壊されている。

実際、<ドラゴンズ・サイン>が2ブロック落ちした今年度上半期の2ブロック環境は5cヴォルゼオスや天門ベンなど多様なコントロールデッキが構築され、メタゲームが回っていた。

だけど使えるのであれば、我々プレイヤーはこのカードとまた向き合わなければならない。

あと半年で<龍風混成ザーディクリカ>と

<覚醒連結XXDDZ>とはおさらばできるのだから。


今回ばかりはスタン制のゲームの良さを見にしみて感じてしまうと筆者は思う。



第1位 アビスベル=ジャシン帝

DMGP10thやオリジナル環境でも活躍中のアビスロイヤルは、今大会で大活躍だった。

それでも使用者がそこまで増えなかったのはあの大長老が脳裏をよぎるせいだろう。


しかしアビスロイヤルは2ブロックフォーマットこそ輝くと筆者は思う。

何故なら<若き大長老アプル>は使えても、

<有象夢象>は2ブロックフォーマットに存在しないからだ。


優勝したリストを見てみると、<若き大長老アプル>を処理できる札が8枚入っている。

しかし<若き大長老アプル>は4枚までしか使用出来ず、すぐに<有象夢造>でバトルゾーンに帰ってくることもない。

だからそこまでメタカードに怯える必要もないということなのだろう。

実は今回の優勝者は当日筆者の知人から借りたアビスロイヤルを使ってそのまま優勝してしまっていたという裏話がある。


拡張パック1つのカードプールだけでここまで戦えることのできるアビスロイヤルに今後も注目だ。




あとがき

どうもこんにちはFeiです。

運営側ではないのですが、今回から(勝手に)自分の体力が続く限りではありますが、決勝戦だけカバレージに挑戦してみようと思い、筆をとりました。カバレージってプレイヤーの写真がないと見栄えが良くないんだな。


現在の2ブロックフォーマットは過疎も過疎の過疎フォーマットなので、公式側もサポートする施策をしてくれませんし、現状としては

公式 「まぁ今になっても細々と2ブロックやってるところがあるみたいだし、滅ぼさずにCSサポートくらいは継続してやるか〜(本当はオリジナルとアドバンスだけでいいんだけどな〜)」

みたいな感じでギリギリ2ブロックのCSを(温情で)やらせて頂けているような状態なので、ユーザー側でメタゲームの記録を誰かが取らないと行けないと思った次第です。

詳しくは自分の過去のnoteを見てください。暇つぶしにはなると思います。特に去年のものは最後まで見てください。お願いします。



一応自分も参加者側ではあるので、毎回書くことになるかは分かりませんが、決勝戦の席に座ってない時はしばらくはやってみようと思います。
1度やってみると思ってたよりやりづらくて公式のカバレージライターの方々は化け物なのだと改めて感じましたね...。


半端ないって!!!もぉーあの人達ハンパないって!!
ゲームを見ながら何ターン目に何をプレイしたのか記録取りながら見所やゲームのターニングポイントを解説しつつ読んで面白い文章書くんだもん!!そんなんできひんやん普通.…そんなんできる!?言っといてや…出来るんやったら.…

(*筆者は高校サッカー出身です)


また、今後の2ブロックCSの日程はDMPランキングに掲載されています。気になった方は是非来てください。(懇願)いつもギリギリの人数なので困っています。頼みます。ちなみに千葉県でしかやってません。悲しいね。これを機に増えてくれると嬉しいんですが....。


また、筆者は関係者ではありませんが、過去に最強の2ブロック調整チームとして名を馳せていた、「したい会」のアカウントが再び動き出していたので、こちらも要チェックです。(まだ1回しか動画上がってないけど...)

というわけで次回は10/23日開催分の予定です。
好評だと嬉しいので、よろしければTwitterのリンク元のRTをよろしくお願いします🙇‍♂️



                 ほんとにおわり

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