ドミナントセブンスコードの分析(イントロダクション)
私は子供の頃、母親によく舌が出てていると注意されました。
何か考えていたり、はたまた何も考えずにぼやっとしている時などにぺろっと出ていたようです。
みっともないから口を瞑れなんて言われたものですが、子供ながらに瞑るのは目で、口は閉じるって言うんだよ。。なんて心で反抗していたのを覚えています。
後年ギターを弾くようになって仲間からもシタベロ出てるなんてよく言われました。
別段気にはしていなかったのですが、どうもギタリスト、舌が出ている人がちょこちょこいるようで、自分で確認したことはないのですが、かの有名なTOTOのギタリストも舌でリズムとってるよね。。。なんて話を聞いたことがあります。
脳の使い方の関係なのか、単に舌が長いのかはわかりませんが、演奏時には何を考えているものなんでしょうか。。。
生徒のKちゃんと話していたら、理論もだいぶ理解してきたし、どう練習するかもわかってきたけど、ソロがなかなか浮かばないんですって質問というか悩みを打ち明けてくれました。
これを聞いた時に、"浮かぶ"という言葉に違和感を感じて、それがなんなのかを考えてみたんです。
ソロを弾いている時に自分はソロフレーズやメロディーが”浮かんでいるのか”ということなのですが、私にとって浮かぶというのは、MPCでドラムトラックなんか適当に作って、そこにエレピの音か何かを乗っけると何となく良い感じになるような。。。もやぁっとした何かが出てきて、う〜んこれかなこれかななんていくつか試してる時は浮かんでるんだと思うんですが、ソロを弾いている時はもっと話している感じに近いと思うんです。
何の話をしているのかがあって、その話を相手に伝えるための言葉はもやっとしてなんかいなくて、自分では考えている意識はあまりない感じ。。。逆にそうでないとギタープレイでは手が止まる気がします。
脳は一体何をして、何を考えて演奏に至っているんでしょうね。。。わからないことばかりです。
さてギターソロを弾く時に解っておきたいのは、コード進行に対してどのスケールを当てるかですが、その前にコード自体を理解(分析)することが必要です。
今回はドミナントセブンスコードについて考えてみましょう。
特にジャズやブルースでは何かとたくさん見かけるドミナントセブンスコードですが、コード進行に推進力を与えることのできるコードです。
自動車ゲームなどで道に矢印が書いてあってその上を上手に通過すると加速がつくような。。。あんな感じでしょうか。。。ちょっと違うかな。
当然、実際テンポが変わったりするわけでは無いので、ドミナントセブンスコードの解決感がそのような次に進む感じを醸すのだと思います。
そんな便利なドミナントセブンスコードですが、1つのキーのダイアトニックコード7種の内にはたったの1つ、V7しかありません。
これは特にプライマリードミナントと言って、キーのIコードに強く引かれるとコードと考えます(必ずしも次のコードがIでなければいけないということではありません)。
1つのキーでたった1つしかドミナントセブンスコードが使えないとなると、せっかく便利なコードなのに作曲的に制限されてしまいますよね。
なので、12個どのルートでドミナントセブンスコードを作っても、転調しているなどとは考えずに、そのキーのコードに解決するという考え方を理論では定義しています。
実際ややこしい条件などがありますが、ここでは結果を簡単に把握しておきましょう。
解決するドミナントセブンスは、まず先述のプライマリードミナントとに、セカンダリードミナント、サブスティテュートドミナントの2種類を足して、全部で3種類に分けます。
プライマリーはキーのV7、セカンダリーはダイアトニックスケールの4番目を除いたルートにそれぞれ"7"をつけたコード。。。5種類あって、キーがCならC7、D7、E7、A7、B7です。
残りはあと6種類、これをサブスティテューとドミナントとします。
この3種類のドミナントセブンスコードの話は多岐にわたるので、いくつかの記事に分けて詳しく話すとして、まずは大雑破に違いをまとめると、プライマリーとセカンダリーはルートモーションが5度で落ちて解決をしますが、サブスティテュートは半音で落ちて解決をします。
つまりキーがCでA7はセカンダリーなので5度で落ちてDのルートのコードに、同様にAb7であればサブスティテュートなので半音で落ちてGのルートのコードに行きたがる。。。という感じです。
理論を学ぶと、この行きたがるという感じの説明がたまに出てくるのですが、もちろんコードに意思があるわけではなく、演奏家や作曲家、聞いている人なんかがそう感じるという意味です。
まずはジャズスタンダードのコード進行をネットで検索などして、出てきたドミナントセブンスコードがプライマリーなのかセカンダリーなのかサブスティテュートなのかを分析し、実際に次のコードがそのようになっているかどうかを調べてみましょう。
次の記事では具体的に譜例を上げて説明しますね。
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