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無名の私が1冊の専門書を書き、増刷されるまで

記事を読むのにかかる時間

約9.5分(4,600文字)
長いので、見出しと太字だけを1分くらいで読んでいただいても構いません。

このnoteの対象者とこのnoteについて

・本を書きたいと思っている方
・何かをアウトプットしたい方
・無名の人が本を書くってどんなことなんだろうと思ってる方
・私について知りたい方(笑)

このnoteは以上のような方が対象だと思います。

本を書くというのは、今後あまりできないかもしれないし、1冊書ききった今の心境を書いておくことは、色々とメリットがあるのではないかと考えました。こういうのって、需要あるのかなーって思いながら、書いていたらなかなか書けなかったのですが、書きたいこと書いてみました。雑文ですので、そのつもりでお付き合いください。

自己紹介(スペック)

私は永井 隆(ながい たかし)と申します。
男性、福島県いわき市出身、いわゆる「ゆとり世代」、社会人8年目、彼女なし、視力0.3、眼鏡あり、体重重め、身長高め、見た目は冴えない感じです。趣味は、音楽鑑賞、落語、読書などです。学生時代は、吹奏楽部や柔道部に入っていました。

性格はすごい根暗・偏屈(注:友人曰く、根暗ではないとのこと)だと自分では思います。よく考えるのも好きですが、やってみながら最適解を見つけていく感じが実は合っているんじゃないかと思っています。

1年浪人して入った大学は偏差値高くないし、卒論の無い学部だったし、今回初めて本を書くまで、数十万字に及ぶような長い文章は書いた経験がありませんでした。

新卒でやっと入った会社は東京都江東区の小さいちいさいITの会社でした。その後、サポートセンターや、コンサルティング会社を経て、今は、4社目です。とあるホテルチェーンで、ウェブサイトの活用してお客様を増やすことを仕事としています。

今回出した本について

今回書いた本は、仕事で使用しているウェブサイトのデータ分析ツールである「Google アナリティクス」の使い方についてのものです。「現場のためのGoogle アナリティクス」といいます。ご興味ございましたら、是非、ご覧いただければと思います。

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仕事では、様々な道具(ツール)を使うと思うのですが、このGoogle アナリティクスもウェブの仕事にかかわる方にとっては、割とメジャーなツールで、サイトで行動しているユーザーの様々なことがわかったり、売上の分析ができたりととても便利です。

今回の本は、Google アナリティクスについて私なりの使い方について詳細に書きました。文字数は少なくとも約12万文字(平均的な卒業論文6本文??)くらいだと思います。いわゆる「専門書」の部類に入ります。同業者の方からも嬉しいコメントを頂いたり、業界で有名な小川卓さんから、下記のようなコメントを頂いたりと、思いもしなかった評価を受けております。

Google アナリティクスの操作方法を一通り理解している方であれば、各章の最初と最後をしっかり読めば自分の武器が増える!という印象を受けました。私もいくつか今後の使わせていただきたい気づきがありましたー。
●小川卓さんのブログ「リアルアナリティクス」より
http://analytics.hatenadiary.com/entry/2019/09/09/090403

また、なんと、発売の2019年8月2日から1ヶ月もしないうちに増刷が決定しました。増刷の背景については、下記で書きます。

とにかく、皆さんから思いもよらなかったような評価を受けていて、著者である私が一番驚いています。

きっかけ~どうやって出版社から話が来たのか?

前職は、ウェブのコンサルティング会社に勤めていたので、信用が大切だと思い、気持ちが向いたときにGoogle アナリティクスについてのブログを書いていました。自由にそういったことをさせてくれた前職の会社に感謝です。意識していたのは、いわゆるアクセス数アップを目的としたコンテンツではなく、日頃、お客様と接する中で「これを知っていたらこのお客さんはもっとGoogle アナリティクスを使えるようになるのに!」と思った内容を書いているつもりでした。

そのブログもあまり、高頻度で書けていたわけではなかったのですが、2018年の5月頃に会社のウェブサイトのお問い合わせから出版社の方から本を書かないかと問い合わせがありました。後で聞いてみると、「ブログを書いていてある程度小規模の会社」という点で、条件が合ったようです。(注:選定の基準は編集者さんそれぞれにあるそうです)

どうせ自費出版の誘いだろうと思っていたのですが、会社の宣伝にもなると思い上司に許可をとって、出版社の方と打ち合わせをすることにしました。お話を聞いてみると聞けば、自費出版ではなく、書店に本が並ぶようなあの出版だとのこと

ただ、これまで、何名かの方に断られたり、途中でプロジェクトが頓挫したらしいということでした。つまり、第4候補、第5候補。補欠の補欠の補欠の補欠くらいの私に話が来たということになります。しかも、他の方で一旦書き始めたのに、途中でやめてしまった方がいたということなので、間違いなく辛いということがわかりました。私は、どういうわけか迷ったら辛い道を選ぶということをするので、書く道を選びたいという思いがありました。ここで、のがしたら一生本を書けないんじゃないか?本を書く人生も良いんじゃないか?そう考えたので、社内で上司に説明をし、承認をされました。

経緯はなんであれ、こんな無名の自分でも本を書けることになった。実は、その気になれば、本を書ける可能性のある人はたくさんいるんじゃないかと考えています。

なぜ書く決断をしたのか

なぜ書く決断をしたのかというと、他の会社の動向を見ていると、「書く」ことへの重要性が増していると感じていたからです。会社としても個人としても、自社の魅力を文章でで伝える力が必要になってきています。今、事業会社でマーケティングにより深く携わって、再認識したのですが、認知されなかったり、良さが伝わらない商品やサービスは確実に売れません。

また、Google アナリティクスを仕事に使っているということは、マーケティング(顧客の声から始めること)に携わっているということです。書くためには、マーケティングの力が必要です。ですので、あまり、書いた経験が過去になくても今の時代にある程度の量をかけることは(本を書けること)は必須のスキルだと考えたのです。大変でも、書くべきだと考えました。

どれくらい大変だったか?

大変だった項目はこんな感じです。

・本の文字数が12万文字くらい(卒業論文6本分?)
・書くのに丸々1年間かかった
・書くのに慣れていなくて、予定よりも半年出版が遅くなってしまった。
・全作業を終わらせるのに少なくても合計600時間くらい業務外で掛かった
・最初の原稿にOKもらうのに2ヶ月位かかった
・イライラし過ぎで会社の方に迷惑を掛けてしまったことがあった
・クリスマスも編集者と電話した
・週末も気力がある時間帯は机に向かっていた
・社員旅行先の旅館でも書いていた
・書き直しは各章10回くらいした
・読書好きなのに、本を読む時間が少なくなった
・作業のWordファイルは700ファイルを超えた
・夢の中で原稿を提出したが、現実では全く書いていなかったということがよくあった

・出版直前にGoogle アナリティクスの画面が変わった(画像の撮り直し)
・最後の方は、毎日15分くらい大量の鼻血が止まらない時期があった

今、箇条書きで振り返ってみましたが、とにかく、大変でした(笑)。私のような、長い文章を書いた経験が無く、日中は普通に仕事をしている人間が本を書くのには、これくらい大変だったというのをわかってもらえれば良いと思います。特に、鼻血はきつかったです。

モチベーションをどう保ったか?

下記のようなことをモチベーションを保つのに役立ちました。
・アーティストや経営者から影響を受ける
・モチベーションが下がるものからは遠ざかる
・目標を見失わない(書いた先に何をしたいのかを考える)
・本を書いた経験のある方のアドバイスを参考にする

特にアーティストに関しては、友人からの勧めで矢沢永吉さんの本(成りあがり、Are You Happy?)や、スタジオジブリの鈴木敏夫さんの本、また、偉大な経営者の動画等を観ることで、作品に向かう気持ちを鼓舞していました。

また、前職の同僚だった田宮直人さんには、文章の書き方や、気持ちのもち方、販促についてまでの「いろは」を教えていただき、大変助けていただきました。田宮さんはデータサイエンスの技術者なのですが、最近「仕事の説明書」という本を大ヒットさせているベストセラー作家でもあります。こちらの本も、草稿の段階から執筆中に読ませて頂き、大変、本を書く事に関するモチベーションに繋がりました。また、本の内容自体が非常に勉強になりました。

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他の方から、プラスになる影響を上手に受けられたときには、モチベーションが非常に上がったのを覚えています。意外に大変なのは、モチベーションを下げるようなことから遠ざかることでした。これは気持ちのもち方にも影響するのかと思いますが、大変だった。

評価や増刷の理由

本が思ったよりも高い評価を受けていますし、まさか、増刷が発売1ヶ月以内にかかるとも思いませんでした。増刷に関しては、私が無名だということと、発売が6ヶ月も遅れてしまっていたので最初の冊数が少なかった(明言できませんが、初刷は数千冊)ため、すぐに増刷がかかったという背景もあります。

この理由ですが、何よりも査読者の皆さん、協力者の皆さん、編集者さんの影響が大きいと考えています。著者の存在よりも影響が大きいです。特に、査読ではマチマチの石井智彦さん、パンセの横山倫洋さん、データ アナリストの立井理加さんという、現場で私の何倍も活躍する方たちにお世話になりました。そして、私が本当に書きたかった内容を引き出していただきました。この方たちのお陰で、内容が良い意味で180度変わったことも少なくありません。

多くの読者と話したわけではないので、本当のことはこれから紐解いていきたいと思いますが、現状は、査読者や協力者を身近にいて信頼できる方にお任せしたことが、大事だったのではと考えています。

査読では、「そもそも論」をいただくことが多く、正直、立ち直れないくらい落ち込むことも多かったのですが、それをなんとか乗り越えて、今回のような評価につながっていると考えると、何度も書き直してよかったと思っています。査読者や協力者の存在は非常に大きい。

まとめ

長くなってしまいましたが、まとめたいと思います。

・会社のブログで読み手が必要だと信じる文章を書いていた。それが、出版社からの依頼につながった
・本を書くことは、凡人の私にとってすごく大変だった
・「書く」ことへのモチベーションが自分にはあった、そして、なんとか他の方からの影響を受けながらそのモチベーションを保つことができた
・身近な協力者のお陰で、思っていたよりもかなり高い評価を受けることができた

・補欠の補欠の補欠の補欠(つまり、私のような凡人)にも本が書けた

最後までお読み頂きありがとうございます。思ったことを書いたので、まとまっていないかもしれませんが、参考になりましたら幸いです。

もし、本を書くことで困っていたら私で良ければご相談ください。


カバー画像のクレジット
Photo by Shelby Miller on Unsplash

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