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東京ブレンバスター8 バルタン星人と犍陀多 現代移民考

移民が侵略者になるとき

 シリーズきっての人気宇宙人・バルタン星人が初登場する『ウルトラマン』第2話「侵略者を撃て!」(脚本・監督/飯島敏弘。脚本は千束北男名義)は、60年近い昔の作品ながら、21世紀の今日を生きる日本人に大きな警告を与えてくれる。
 お話の内容はこうだ――。バルタン星は、発狂した一人の科学者の核実験により消滅。たまたま宇宙旅行中で難を逃れた一団は宇宙の流民となって、自分たちの生存可能な天体を求め漂泊の果てに地球にたどり着いた。彼らは地球への移住を希望する。難民申請だ。
 交渉役のハヤタ(ウルトラマン)は、
「君たちがこの地球の風俗・習慣になじみ、地球の法律を守るならば、それも不可能なことではない」
 と移民受け入れの可能性について告げた。しかし、宇宙船には20憶3千万人のバルタン星人がバクテリア大になって眠っているという。とてもその数を受け入れることはできない。ハヤタは火星への移住を提案するが、バルタンは拒否。交渉の決裂を待たずして、バルタンは侵略者の本性を露わにする。
「ワレワレノ旅ハ、コレデ終ワッタノダ。地球ハ、ワレワレニトッテ、棲ミヨイトコロニナルダロウ。ワレワレハ、地球ニ棲ムコトニスル」
 と一方的に宣言すると、巨大化し、地球の文明を破壊し始めるのだった。

世界の移民トラブル

 今、世界中で移民、難民の問題が深刻化している。
フランスのパリはイスラム系難民によって占拠され、ルーヴル美術館の中庭はホームレスと化した移民のテントで埋まってしまった。30年ほど前、僕はパリに3カ月だけ滞在したことがあるが、当時、「アラブ人」といえば、アルジェリア系住民のことで、彼らは総じて軽んじられた存在ではあったけれど、決して進んで周囲と軋轢を起こす連中ではなかった。ところが、現在のイスラム系移民たちは明らかに様相が違う。暴動や放火は当たり前、カトリック教徒であるフランス人に対する敵愾心は異様なもので、まるで十字軍時代の復讐のために訪れたかの感がある。
 お隣のイタリアでは、地中海に浮かぶ島民5500人の小さな孤島ランペドゥーザ、7000人を超える北アフリカ系の移民に占拠されてしまったという報が動画とともに届いた。
 アメリカのニューヨーク市は、過剰な移民の数に対処しきれず既に財政はパンク状態にあるという。これらの移民は主に南米系で、昨年4月ごろから南部の国境の州が、彼らを乗せたバスをNYなど民主党支持の州へと送り続けている。NY市だけ現在、10万人を超える移民を抱えているという。アメリカは他に、BLM(ブラック・ライブス・マター)運動の余波で、黒人が白人や東洋人に集団暴行を働く事件が続出している。元からいる黒人層もいれば、アフリカから来るニューカマーもこれに加わっている。

埼玉県川口市の現状 

 日本もひとごとではないだろう。埼玉県の川口市や蕨市からは不法滞在と思われるクルド人のわが物顔の狼藉ぶりを記録した動画が届かぬ日はない。
 ゴミ出しを守らない、夜中に集団で騒ぐ、は序の口で、飲酒運転、病院前の乱闘、コンビニなどでの日本女性に対する強引なナンパと、その迷惑行為をひとつひとつ書いていたら、ページがいくらあっても足りそうもない。しかも、イスラム教徒ゆえ産児制限はしないから総じて子沢山だ。日本の公立学校は彼らにも門戸を開いているが、就学させている気配はない。日本語もトルコ語も英語も読み書きのできない子供が街にあふれている。それらの子がやがてストリートギャング化するのは目に見えている。
 これらの恐ろしい事実に関しては、動画の他、ジャーナリストの石井孝明氏のレポートでも知ることができる。氏は実際に川口市に何度も足を運び、クルド人にも接触し、詳細な情報をブログに上げている。しかし、それに反感を覚えてか、最近はクルド人を名乗る複数のX(旧ツイッター)ユーザーから、脅迫とも挑発ともとれる投稿が氏になされているようだ。
曰く、「日本人は少子化が進んでいる。われわれは子供を最低9人生む。いずれわれわれがマジョリティーになる」「日本はわれわれの祖国だ。われわれはゲストではない、ホストだ」「われわれが暮らしやすいようにどんどん日本を変えていく」。
 棲みやすいから、われわれがこの土地をもらう、まるでバルタン星人の論理ではなか。
 彼らに、受け入れてくれる国に対する敬意も感謝の気持ちもない。彼らが感謝を捧げるのは、征服すべき土地を与えてくれたアラーに対してだけだ。日本人は一神教が侵略の宗教であることを知らない。

日本は排外主義の国ではない

 誤解を招かぬよう付け加えるが、日本人は決して排外的な民族ではない。横浜の地に中国人が移住してきたのは、安政5年(1858年)というから、今から165年も前のことになる。彼らは三把刀(さんばとう)と呼ばれる職人とその家族である。三把刀=三つの刃物とは、すなわち、包丁(料理人)、裁ち鋏(仕立て屋)、剃刀(理髪師)。現在の横浜中華街の基礎を作ったのが、この三把刀なのだ。日清戦争、日華事変と、ふたつの戦争の最中でも、彼らは日本人と仲良く共存していた。大東亜戦争時、アメリカ国籍をもつ日系人が財産を没収されゲットーに押し込められたのとは好対照だ。中国人だけではない。明治、大正時代には、トルコ人もいたし、白系ロシア人も多く住んでいた。バームクーヘンを日本に伝えたドイツ人のユーハイムは、もともと第一次大戦の捕虜として日本に来た人だ。
 先のハヤタのセリフ、地球を日本に置き換えてみよう。「日本の風俗・習慣になじみ、日本の法律を守る」限り、われわれの祖先は外国からの移住者を受け入れてきた。
 しかし、今増加中の移民たちはそれとは類を異にするらしい。治安、衛生の面において、世界中のチャイナタウンの優等生といわれる横浜中華街も、新華僑といわれるニューカマーの流入で、三把刀の子孫である老華僑が駆逐されようとしている。老華僑たちが長年培ってきた秩序や、それによって気築いてきた、日本社会での信頼は、彼らには無関係なようだ。
 多文化共生という言葉が叫ばれて久しいが、その共生を妨げているものはなんだろう。肌の色の違い? 言語の違い? いや、違う。民度の違いだ。民度とは、民族の精神年齢、成熟度だと思う。極端に民度が違う者たちとの共生は不可能と断言できる。
 司馬遼太郎は戦後台湾の悲劇を「支配される者(本省人)よりも支配する者(外省人)の方が民度が低かったこと」と書いたが、まさに、である。
 第三世界から見れば、日本は極楽浄土そのものだ。それがわからないのは日本人だけだろう。日本という極楽に犍陀多を入れてはならない。

(初出)『表現者クライテリオン』2023年11月号(啓文社書房)


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