モンハン世界一下手なの絶対俺

 アオアシラを倒せずに引退した。僕が高校生だった頃の苦い思い出である。それ以降モンハンはしていない。アオアシラとはポケモンで言うところの短パン小僧、ドラクエで言うところのスライム、ワンピースで言うところの初期コビーに当てはまるだろう。一つ目のジムにもたどり着けないしイーストブルーも渡り切れていない。そんな僕だが新作のモンスターハンターシリーズが出る都度「楽しそう〜」とか「買おうかな」と思いはするのである。

 モンスターハンターライズが発売になって約1週間が経つ。Twitterで弓を巧みに使いこなしジンオウガへ向けて矢の雨を降らせる動画を目にした。ちなみにジンオウガなど僕からするとルギアだ。「楽しそう〜」と思いその日のうちに店へと足を運び、空のパッケージを手に取った。

 勝ち負けや成功失敗が存在するものを楽しむためにはある一定以上の実力が必要となる。走るのが遅いのに短距離走をやっても楽しめないだろう。モンハンもそうである。自分の何倍以上もの大きさを有するモンスターと擬似的な命のやりとりをするのに実力がなければ惨めな思いをするだけだ。弄ばれ、虐げられ、殺られる。それも短パン小僧に。想像しただけで屈辱だ。初期コビーに指を差され笑われたい海賊がどこにいるというのだ。

 そんな思考を巡らせた結果、空のパッケージを元の位置に戻し、代わりに新年度用の手帳を買って家路に着いた。ちょうど欲しかった。


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