【詩】乙女掛かり

隔絶されます我が躯

日誌に記された
誹謗に吸い込まれる黒髮乙女
素知らぬ声の主、唯一の手掛かり
白濁の忠誠
横暴は合法と言ったのに
何もかもをすり抜けた
異邦人の墓庭へ届く嘆願書
「どうか、私の行いヲ赦してください」
藁 と 葦
の区別もつかぬ
憐れな娘を産んだ罪
個人蔵に眠るNo.5488
にしたという形で締結した筈です
決められた滑走
僕の吐いた嘘何個本当にしてくれる?
──(骸は蒸発します)
余所余所しい波と
無責任な嘆息
春の嵐に蹴散らされた
恋人の遺灰
境界に揃えられた
小さな脚を
刺して抜いて
抜いて抜いて震えて刺して
軽快に吸い込まれる裾へ
撫でる葉は忘却し
脈は機械仕掛けに矯正される
あなたが墮胎した真何処で奉る?
───(アたしは発情します)




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?