Twitter投稿短歌/東犀連
すれちがい生まれた傷口艶かし乙女の嗜み万里の嘲笑
鎹と諸刃の剣研ぐ儀式形骸詩人支える古樽
靴裏にそっと刻む──墓守が主賓の宴朝が来るまで
睡の端 いつかの記憶の引出しを ひっくり返して 舞い散る摂理
音でしかお前を知らぬけど今宵やっと出逢えた会いたくなかった
未開封と名付けられた無菌室長閑な夕日を浴びる三角
空前の吐息と並走月明かりアブラカタブラこの世にさらば
向日葵を火葬したのは今しがた焦げ目の付いた月を盗んで
可愛いと手にした花瓶の距離100円薄靄の中千鳥を踏むおまえの
ねぇわたしふわふわな兎蹴りたいの雲に触れる願望は溶け
靴裏にそっと刻む──墓守が主賓の宴朝が来るまで
廃館のかつての偶像零れ落ち延びる白に揺蕩う白に
異人館──商業ビルの地下一階遅咲きの詩ここで生まれて
洒落た音へ覆いかぶさる青い音──に埋もれて風俗生まれ
あくる日の季節の裂け目に金継ぎを──したら錆びた俺の心が
開かれた門扉と弾ける鮮やかな時空の味はほんのり抹茶
街角にそろりと連なる藝の花猫の定位置ドラム缶の影
しゃらくせえ泥に呑まれたら腕を借ります重ねて祈るわ
古に従順になれと言うならば小鳥と鈴を貫くわたし
室外機に備えられた花言葉暗転パライソよくある錯乱
ひとりでに行き着く旅の安息地画面を割った鵜の目鷹の目
時狂いスケートボード焦がした日熟した果実軋む綺羅星
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