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成瀬は天下を取りにいく。

コロナ禍で閉店が決まった西武大津店に夏を捧げると宣言した成瀬あかりの挑戦の物語。奢らず媚びず動じない、常人の枠に収まらない成瀬の振る舞いがやがて周りの人々に影響を与えていく、という話。

まずタイトルが秀逸。んで読み終わったらおそらく誰もがこう思うに違いない「そりゃ天下を取るに決まってる」。

人生を大事に生きるという事って、つまりはこういう事で。「私は二百歳まで生きようと思うんだ」と言いながら「日々を貴重なリソース」と考える成瀬の思考に全てが凝縮されている気がした。そして惜しみ無い地元愛に嫉妬した。

天才の絶対感と不完全さが生々しい。大人になると「君はそのままで大丈夫だよ」って言いたくなる、成瀬が立ち止まる筈もないのに。いつの間にかお節介になったものだ。

これは成瀬が天下を取る少し前のお話。

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