甘美なる誘拐。
ヤクザ研修期間中の真二と悠人は、兄貴分のインテリヤクザ荒木田に今日もどやされている。
父親の経営する自動車部品販売業を手伝う菜々美は地上げ屋の悪質な嫌がらせに手を焼いていた。
一方、貸金業者の稲村は何者かに殺されて現場に残されたのは原稿と小説「甘美なる誘拐」。
やがて、脱法行為で金を稼ぐ宗教法人の教祖の孫娘誘拐計画が持ち上がり…という話。
オーシャンズ何とかみたいにクセ者揃いのスペシャリスト達が力を合わせて華麗に誘拐する話かと思ったけど、どちらかといえばヤクザ半人前の二人がこき使われて楽じゃないぜって愚痴ってる話。
とはいえ、当然誘拐するわけなんだけど、一番の魅せ場である誘拐を被害者の視点で淡々と描き、前日譚や後日談の前後に挟み込んでいく構成は斬新で良かった。
思ったよりもヤクザ強めな舞台設定、いまいちピンと来ないキャラクター造形、説明過多でテンポの悪い展開など、残念な点も多くて前半は結構シンドかったけど、誘拐の話だって事を見失わなければ大体楽しめた。
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