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メタバースSpatial.ioで1年間、公式ガイドになるほど真面目に遊びまくって見つけた「メタバースのここがすごい3つのこと」

こんにちは。メタバースSpatial.ioで公式ガイドをしているGardenBee🌹です。この記事を書こうと思ったのは、ひとつは、「メタバースSpatial.io」があまりにもマイナーで、日本でもう少し知っていただきたいなと思ったことと、そろそろSpatialを使って1年になりますので、わたしがこの1年で何を経験したのか、まとめようと思ったことです。

【2024年2月追記】
現在、わたしの最新の活動は、メタバースの実証実験フィールド17Campusをご覧ください。

また、メタバースSpatialを含むワールド企画、製作、メタバース×マーケティングに関しては、下記をご覧ください。

わたしの本業は、デジタルマーケティングとWeb開発です。距離を超えて人と人がビジネスする可能性を創業以来ずっと追いかけています。それは、わたし自身が子供が生まれた年にSOHOをスタートしたため、移動できない環境の中で可能性を見つけるしかなかったからです。子育て主婦の起業としては時代的にかなり早かったときですね。でも、オンラインで知り合った人たちの助けがなくては、今こうして、仕事ができていません。

人との縁は、オンラインだろうが、オフラインだろうが起こっていくと感じており、オンラインの方が「幅」が広がるため、ものすごいスピードで進んで行くことができます。良い悪いはおいておいて。

メタバースSpatialとは?

ニューヨークのSpatial社が提供しているメタバースプラットフォームです。ドメインは、Spatial.ioです。Spatialについては、下記の資料にまとめていますが、

  • 簡単にあげると下記の特長があります。

  • 個人法人問わず無料で利用できる

  • パソコン、スマートフォン、VRで利用できる

  • 有料イベント時も特に費用は発生しない

  • フリー、有料メンバー(plus)があり、有料メンバーになるとイベントをホストする際に便利な機能がいろいろ使える

  • MetaMaskと連携し、Ethereum、Polygon、SolanaチェーンのNFTを読み込むことができる

  • 動画、3Dモデル、音楽、PDF、パワーポイントなど読み込み可能

  • ReadyPlayerMeアバターが利用できる(Spatialアバターではリアル顔も利用できる)

  • アバターは大人の人間しかいない

  • ブラウザで利用でき、1スペースの上限は最大50人

  • ポータルと呼ばれるリンクでスペース同士をつなぐことができる

  • 世界中のユーザーがおり、特にクリエーターが多く、コミュニティや文化のためのメタバースを目指している

1年間で遊んだこと

とにかく遊び、実験しました。
最初にSpatialに入ったときにもらえる自分のお部屋がこちら。当時は上半身しかありませんでした。

それから、スタッフたちにVRゴーグルを配布し、VRでのミーティングを開始しました。Sketchfabというフリーの3Dモデル配布サイトから持ってきてSpatialに配置し、スペースをつくり始めました。

現在、わたしは、日本人初(そして唯一)のSpatianガイドになっています。よく「どうしたらガイドになれますか?」と質問いただきますが、「よく遊ぶこと」でしょうか😄わたしは、Spatialの中で日本人で一番遊んでいる自信があります。でもそれは、スピーディに体験を構築し、「いったいメタバースとは何なのか」を理解するためには必要だと思ってきました。

それが何なのか分からないものを、お客様に提供することはできませんので。こちらは、ガイドとして発表されたときのスペースです。

海外クリエーターとのネットワークも、すごい勢いで広がり、この1年間、Spatialで友達になった人は、200人くらいでは済まないでしょう。写真は、先週、海外の展示会でプレゼンしたときの写真。

海外クリエーターさん達とも、必要であればZoomミーティングを行います。メタバース→SNS/Zoom→メタバースというように動きながら、世界中でネットワーク構築が可能です。こちらは、先日フランスのクリエーターとZoomミーティングをしたときの写真。

さて、私たちは2Dしかできませんので、最初に3Dに入ろうと思ったとき、3Dできる人を探す必要がありました。海外のblenderコミュニティで募集し、知り合った何名かとモデリングをスタートしました。こちらが最初に作ったムーンベースです。これは、一番最初の、私たちの「メタバースオフィス」としました。

地球を眺めてみたら、自分は何を感じるだろうか、ということを行ってみたかったのです。問題から距離をおき、静かに考えるときに、宇宙は最適かもしれません。

それから、私たちはずっとネットショプ支援を行ってきましたので、メタバース×小売も試してみたく、バーチャル花屋をつくりました。花の3Dモデルを販売するショップです。結果的には、うまくいかないことが分かりました。メタバースの世界では、ポリゴン数のマネジメントが必要で、草花のような自然物はポリゴン数が増えてしまうため、優先度が低く、画像で代用されることが多いことに気づいたのは、ずっと後のことです。

GardenBeeとは、もともとは、このフラワーショップの名前でした。現在は、私のアバター名になっています。そして、blenderで作っていた上のバーチャル花屋は、SpatialでUnityが使えるようになったことで、ビジュアル的にもだいぶ進化しました。

Blenderコミュニティで応募してくれたMaxと、実際にSpatialで会ったときの感動は忘れません。今でも、はじめて一緒に仕事している人とメタバースで会うときの感動は無くなることはありません。これは、Zoomで会うのと全然違います。メタバースの中では、「共同作業」をすることができます。ピアノの位置をどうするかとか、色はどうするか、とか、実際に動き回り、同じものを見ながら話ができます。「チームビルディング」に大きく貢献します。

また、Spatialには国境がないため、世界中の人と会って話ができます。最初のころはユーザー数が多くなかったため、いつもSpatialにいる海外のクリエーターさんたちが作るスペースに遊びにいき、新しいことを一緒に試しました。ここはタイのスペース。

イベントもたくさん行いました。忍者村を作って遠足を企画したり、メタバースで田植えしたらお米が届くイベントを行ったり、メタバースEXPOを開催したり…。みんなで「巨大なクリスマスツリーに飾り付けをする」もしましたね。Spatialでイベントを実施するときの制約条件や現実の課題などをさまざまあぶり出し、整理してきました。

こちらは、メタバースEXPOの会場。Spatialではじめて観覧車とトロッコを作りました。4日間で2000人以上メタバースに来場いただきました。

企業のメタバース活用もさまざまご支援しました。メタバース上での展示会、ツアー、オフィス制作、カスタムスペース制作…

こちらは、海外クリエーターと一緒にGVRというグループを組織し、海外展示会に出展したときの写真。こうやって椅子に座って並んでいると、国境もないですが、性別も年齢も、全く関係なく見えます。

現在は、メタバース経済圏の可能性を探るSUSHI DAOをスタートしました。リアルとバーチャルを行ったりきたりする「Mターン」を提唱し、そんなことが可能なのか、まだまだ実験は続きます。週に少しでも、バーチャルで仕事することができれば、もっと多くの人の可能性を活かすことができると考えています。

多様性とは、常に善である。と私は考えています。メタバースとは、多様性の塊です。

本題であるメタバースの可能性についてです。

1.思考の制約を取り除く:挑戦者への変革

メタバースでは、思考実験を行うことが簡単です。「それは違う」といえるほどノウハウが溜まっていないことと、実行に伴うコストがかからない(※)ため、「まずはやってみよう」というマインドを得ることができます。

※SpatialではSketchfabと連携し、利用できる3Dモデルが大量にあるため

先日、自分のスペースをどう活用していいか分からない方のスペースへ遊びにいきました。何をやってみたい?とお聞きすると、「時給自足の生活に興味がある。にわとりを飼って、朝、にわとりの声で目を覚ましたい」というのです。

「じゃ、にわとり出してみましょうよ!」といって、にわとりをSketchfabからいろいろ出してもらいました。その中に、アニメーションで動くにわとりがあり「わー、動くんですね」とびっくりされ、次に、「試しに大きくしてみるとかどうですか?」と言って、人間より3倍くらい大きなにわとりにしてみました。

すると、見えている世界が変わります。自分がにわとりより小さいわけですからね。そうしたら「あー、こんな感じになるのですね。あ、少しイメージが変わってきたかもしれません。」と、思考が動き出したようです。

これは、「自分が、それをやってみて何を感じるか、事前に想像できない」ということなのです。実際には、そんなことばかりだと思います、現実世界でも。でも多くの人は、情報過多で「知って」はいても「やった」ことがないのです。試したことがないのに、結果を知っている気分になっています。

また、メタバースでにわとりを拡大しておいたときに、自分が何を感じるか試したいでしょうか?あまり、やろうと思わないかもしれません。「それやってどうするの?」と、「行動に対する効果」がなければ、行動がし辛いのが現実世界です。ですので、そういう思考が染み付いています。

成熟産業においては、「改善」が主であり、改善とは常に「課題があること」が前提になるという弊害だと感じています。「課題は何なの?」「ソリューションは何なの?」「それの効果は何なの?」これらは全て、「既存に存在する問題を解決する思考」です。

でも本当に重要なのは、「新しい価値を生み出すこと」です。「新しい」とは人が試したことがないということです。「面白そうだからやってみようよ」というマインドを忘れ去ってしまっている私たちにとって、メタバースは脳みそを喜ばせることができる場所です。

幸いメタバースでは、全員が「何も分からない」状態ですので、否定される要素がありません。そして試してみると、「試す前には思いもつかなかったような、自分の気分や、気づき」が生まれます。この体験を繰り返していくことで、現実世界でも、思考の変化があります。

2.価値は自分で創る:全員がクリエーター

Spatialでは、NFTとの連携ができます。NFTとは、ものすごく簡単に言うと、「価値をデータ化して流通することができる技術」とわたしは捉えています。「価値をデータ化」とは、自分が価値だと思うものがあっても、それを流通させるためには「形」が必要です。それがモノという形をしているものが現実世界にある物理的なモノですね。

NFTとは、自分であらゆる価値をつくり出し、それをデータ化できることで、人から人へダイレクトに流通させることができます。例えば、自分が漫画家を目指していて、漫画家までの道のり(予定)を発表し、応援してくれる人にラフスケッチで描いた絵を販売しながら応援してもらうようなことが可能です。従来「応援する」という気持ちを流通させることはできませんでした。それは「形がない」ことと、仮に「ラフスケッチ」を販売しても、デジタルデータは簡単に複製され、そのときに応援してくれた人だけではなく、世界中にバラ撒けてしまっては、応援する側も購入し辛いという問題がありました。

NFTによって流通量をコントールすることができるようになり、さまざまな価値を物理的なモノを介さなくても流通できるインフラが技術的に整いはじめています。

これは、「自分で新しい価値を創り、販売できる」ということです。消費者として生きるだけではなく、生産者側になることが容易であり、消費者か、生産者かという区分けではなく、消費者でもあり、生産者でもあるという生き方が可能です。

クリエーターとは、何も、絵を描いたり、音楽を創る人のことだけではありません。私たちは誰でも、創る側にまわることができ、自分のアイデアで挑戦することができるのです。もちろん、NFTやそれを支えるブロックチェーン技術は「知った」からといって、すぐに明日から「できる」ものではありません。しかし、時代は「価値とは何か」の大きな転換点に立っていると感じていまして、それこそが、メタバースやNFTに関わってみる「価値」だと思います。

3.ボランティアの新しい形:善意に支えられなくてもいい

これまで、コミュニティやボランティアというのは、本気で関わることが難しいものでした。それは、そこからは「お金が得られない」と皆わかっているからです。そこで、「お金にならなくてもいい」と考える人達の善意に支えられることになります。

でも、多くのコミュニティやボランティアグループは、それがそういう形をしていることに「理由」があります。やはり、ビジネスにはならないからです。それでも、ビジネスだけでは取り残してしまう「大切なこと」をコミュニティで支えることが大事なこと、あります。

これからの新しいカタチとして、トークンエコノミーがあります。トークンというのは、暗号資産と同じ意味あいで使われることも多いですが、ここでは「ポイント」みたいなものとして説明してみます。

コミュニティやボランティアグループで、独自のポイントを発行することができます。そして、貢献度に応じてポイントを配布するような仕組みを作ることができます。その仕組み自体は、組織を運用していく中で、関わる人で決めていく必要がありますが、その時に、ポイントを多く保有する人の声を大きく反映するなどの設計が可能です。

この場合、ポイントはガバナンスの仕組みとして機能しますが、そのポイントに特典をつけたり、換金性をもたせたりといった仕組みも自由に(法令遵守)設計することができます。

わたしはこようなガバナンストークンの使い方は、疲弊してしまうコミュニティ運用に大きな光のように感じています。善意に頼った運用ではなく、貢献度に応じて公平に分配される仕組みが可能ではないでしょうか。

ここは、現在、SUSHI DAOで実験したいと思っていることです。



まとめ

メタバースは、課題の多い現実社会を変革するために、予行練習や思考実験を通じて「マインド」「価値の捉え方」「新たな組織形態」を実験できるところだと考えています。それを世界規模で行うことができるのが、Spatial.ioです。シュリンクした思考になりがちな現実世界とは別の、自由な発想で試すことができるメタバースの自分をもう一人持ち、行ったりきたりしながら、成長していきたいですね。

Spatialに興味のある方は、Facebookグループ、Discord(日本語)へぜひ!

こちらは、先日はじめてメタバース上に「おうち」を作られた方と、椅子を出して並べてくつろいでいるところです。椅子に一緒に座って横に並んで話すと、やっと、メタバースに来たなという感じになります。

Welcome to Spatial!

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