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中国ドラマの邦題に「”シンデレラ“が異常に多すぎ問題」を何とかして欲しい件

中国ドラマの日本語タイトルは、謎が多い。


 原題では一切使われていない「シンデレラ」という言葉が使われることが多いのだ。
 
「シンデレラの使用率」がどれだけ異常か、以下のタイトルを見ればおわかりいただけると思う。
 
「シンデレラ」が入った近年の中国ドラマのタイトルはこんな感じ。

日本語タイトルに「シンデレラ」が入った中国ドラマ一覧 (順不同)


シンデレララブ
(記憶を失った御曹司が秘書に恋)
 
シンデレラはオンライン中
(大学で屈指の人気者男主と女主が同じオンラインゲームをしていた話)
 
お昼12時のシンデレラ
(輸血が必要になった男主の妹と同じの血液型の女主の恋)
 
シンデレラ・シェフ
(料理人の女性がタイムスリップ)
 
GO!GO!シンデレラは片思い
(ネットアイドルがeスポーツの監督に恋)
 
シンデレラが嘘をついたらダメですか?
(嘘つきがきらいな男主に恋する話)
 
千年のシンデレラ
(遠い星からやってきた男主と、女主の恋)
 
ツンデレ王子のシンデレラ
(女子高生がツンデレ男子と恋)
 
皇太子妃はシンデレラ~花嫁は可愛い盗賊!?
(女盗賊の恋)
 
逆転のシンデレラ~彼女はキレイだった
(韓国の『彼女はキレイだった』のリメイク)
 
シンデレラプロセス
(田舎から出てきた女性が成長していく物語)
 
愛を抱きしめて-ドレスに恋したシンデレラ
(デザイナー業界で繰り広げられる仕事と恋)
 
きっとまだ他にもあると思う。あったら教えて欲しい。

「シンデレラ」が乱用されすぎて、どのドラマかわからなくなりそう……。

原題には「シンデレラ」は一切使われていないのに…


仮に、上にあげたドラマの原題に「シンデレラ」が入っているのなら納得できる。

だが、原題には一言も「シンデレラ」なんて使われていない。英語圏向けのタイトルでも『シンデレラシェフ(cinderella chef)』以外「シンデレラ」は使われていない

しかも、内容とタイトルが合致しているかと言えば、全然合っていない。

そして、ひと昔前の話かと思えば2022年でもまだ乱発されている。

最近のドラマをピックアップすると、2022年に日本で配信された「シンデレラが嘘をついたらダメですか?」は、原題は『不说谎恋人』(Google翻訳:恋人にうそをつかないで)英題は「Mr.honesty」(直訳:ミスター正直)
 
このドラマは、ウソを毛嫌いする男性と、小さな嘘で身を守ってきた女主が相互理解に至るプロセスが魅力的だったが、「シンデレラ」という名前が入るだけで、不憫な女主がパワーを持つ男性の力で幸せにしてもらうようなイメージを連想させる。
 
また、まもなく日本で展開予定の「シンデレラプロセス」の原題は『我的漂亮朋友』(Google翻訳:私の美しい友人)英題は『Young and beautiful』

都会に出てきた女性が、恋に破れたり仕事に励んだりする10年間にわたるプロセスが「シンデレラ」の一語でぶちこわされる。「田舎者の女主が都会の金持ち王子と結ばれる」ようなイメージに変わってしまう。男主は教授なのに。
  
ドラマ内には、お決まりの都合のよい展開はあれど、「ススを被っていた不憫なシンデレラが、王子様に見初められ、いつまでも幸せに暮らしました」というストーリーばかりではないので、なぜ「シンデレラ」が使われるのかは、まったくもって謎。

「シンデレラ」の意味を国語辞典で調べてみると、童話の「シンデレラ」の他に「(比喩的に)突然の幸運を得た人」と表記されているが、上記のひどすぎる数々の邦題からは「シンデレラコンプレックス」さえ連想させる。

『シンデレラコンプレックス』

物語のシンデレラのように、バラ色の人生を与えてくれる王子の出現を期待する女性の心理。男性によって人生を変えてもらいたいとする女性の自立に逆行する心理的風潮>

(『現代カタカナ語辞典』より) 

上記で列挙した物語の中には、多少のご都合主義はあれど、自立した女性キャラクターも多いからこそ、違和感が募る。
 
タイトルを改変するくらいなら、原題をGoogle翻訳して出したほうがまだマシだと私は思う。

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