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sparrow tearsの読書

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#児童文学

ベストセラー本『ぼくのじしんえにっき』著者による絶版本『ふうせんの日』が衝撃の内容だった

小学生の課題図書に選出されたことがある『ぼくのじしんえにっき』という絵本をご存じだろうか。初版は1989年だが、2023年に新装版が復刊し、今夏の推薦図書に指定している県もある。 大地震が起こった後の街の様子、災害でむき出しになる大人たちの人間性を、子どもの視点でえぐるように描写する同著。大きなテーマを扱いながら、小さな生活習慣で家族がもめる様子や、正しさを振りかざして争う人間関係が生々しく、「災害が頻発する国で、私たちはどう生きるか?」というテーマまで考えさせられる。

「異次元の少子化」が止まらない理由を児童文学から読み解く

「少子化は国家の危機」と言いっぱなしにする人がいる。「次元の異なる対策が必要」という人もいる。 テレビをつければ、政治家の先生方による、異次元の議論が目に入ってくる。「この愚か者めが」(注:子育ての政策を巡り自民党の議員が過去に飛ばしたヤジ)なんて口汚い言葉は使わないが、「ミヒャエル・エンデの『モモ』読め。2時間で読めるから」くらいは、言いたくなる。 少子化は先進国の共通の現象だが、何が少子化を加速させているのか、SFの世界がボンヤリと示してくれているからだ。