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アジア圏のラブコメディ

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アジア圏のラブコメディについての記事をまとめました。
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#ラブコメディ

中国ドラマは「過干渉な母親」の登場率がなぜ、高いのか?人気ドラマ『承欢记』を見て考える

「ヘリコプターペアレント」は、いつも子どもの近くでヘリコプターのようにホバリングして、あれこれ口を出す過干渉な親を表す言葉だ。 中国の現代ドラマを数多く見ているが、成人している主人公の母親が「ヘリコプターペアレント」の頻度が高い(ときどき父親も)ように感じる。ドラマに癒しを求めている私は、母親登場シーンで嫌気がさして、視聴を離脱することもある。 先週スタートした中国の話題ドラマ『承欢记』をゆるゆると見始めたのだが、母親のキャラが、まあ強烈。 【承欢记1話 (杨紫(ヤ

最近、韓国の恋愛ドラマがちょっとマンネリしてる件

2023年後半~2024年1月期の韓国の恋愛ドラマは「えっ、またこのパターン!?」というケースが特に多かった。 例えば、つい最近、女主人公が絶命した瞬間に過去に戻り「人生をやり直して、復讐する」という新作ドラマを立て続けに目撃した。 1つめは、U-NEXTで配信済の『完璧な結婚のお手本』(2023年10月~) 2つめは、Amazon Primeで配信中の『私の夫と結婚して』(2024年1月~) 後者はまだ完結していないが、いずれも1度目の人生の恨みを晴らし、別の人

【韓国ドラマ】『キング・ザ・ランド』の7話。「この描写、やばくね?」と思ったら既に炎上してた…

Netflixで配信中(7/12日現在、8話まで配信済)の『キング・ザ・ランド』は、韓国ラブコメディの様式美をギュッと詰め込んだドラマである。 気難しい金持ちの御曹司が、仕事に真面目な女主に恋をする、よくあるアレである。 この後、いつ何が起きるかなんとなく予測できる『水戸黄門』のような安心感があるドラマだったが、7月2週目に配信された7話~8話でちょっと風向きが変わる。 アラブ圏(どの国かは明言されておらず、設定では架空の国の王子らしい)の王子が女主に熱烈アプロー

【中国ドラマ】1日46分間だけ4カ月後の世界と空間融合。『我的秘密室友』はSFラブコメかと思いきや、切なすぎる名作ドラマだった

IQIYIで配信中の中国ドラマ『我的秘密室友』(邦題:『秘密なルームメイト~過去からやってきた女』)。何気なく視聴を始めたら、ものすごくおもしろかった。 物語は、2021年のマンションの一室と、2022年の同室が突如、毎日同じ時間に「空間融合」をするようになるところから始まる。 この不思議な事象により、2021年の住人である女主と、2022年の住人である男主は、毎日22時6分から22時52分まで1日46分間限定の「ルームメイト」となる。 【予告編】 最初は反目

先が読めるからおもしろい!アジア圏ラブコメのテンプレート20選

社会派ドラマもサスペンス映画も見る気力を失ってしまった。ニュースがサスペンス、日常はドキュメント、ネット世界は罵詈雑言のバイオレンスな今、ハッピーなものだけ見ていたい。というわけで、この1年、アジア圏のラブコメディを重点的に見ていた。 それまでは縁のなかったお気楽な韓流・華流のラブコメを見まくっていて気付いた「ラブコメの法則」を書き記しておく。 1. 恋に落ちる前のヒロインは転ぶ・よろめく最初の印象は最悪。「ほんっと信じられない!」と言っているときに、フラッとよろめいて、

大陸の「古装ラブコメディ」を見る前に知っておきたい「10のひな型」

中国の古装ラブコメディにはお決まりの「型」がある。 例えばフィギアスケートの構成のように、ジャンプ、ステップ、シークエンスを織り交ぜた型を楽しみながら、芸術点(オリジナリティ)を見出すのが醍醐味でもある。 使い古されたように見える「型」でも、しばしばウルトラCなミラクルが起きることがある。 ドラマを構成するのは、こんな型だ。 1:狭い場所物語序盤、主人公の2人は体感99%の割合で荒野の落とし穴に落ちたり、野生の動物用のワナにかかったり、敵の仕掛けにハマったりして閉じ込