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機材紹介#1 momose MT2-TW/NJ

sparrovvのメイン機の一つで、セミオーダーモデルのテレキャスター。
momose信者になった原因。
しかし現所有ギターの中で最も迷子になっている癖者。※概ね解決済み
絶妙なサテンの女の子の腕みたいな手触りのネック、テレキャスとしては群を抜いているプレイアビリティ。アンサンブルでの馴染みの良さ、カバーできる範囲の広さなどメイン機としては充分なポテンシャルを持った機体ですが…


出会い

購入当時の写真

2016年、当時は九州に住んでいた頃、熊本の島村で初めてmomoseを見かけました。その頃は今に比べて世間的にDeviserブーム(?)的なものは薄かった印象で、存在を知ったのもこの時が初めて。真っ先に目についたのは特徴的なmの形のヘッドと、彫り込まれたおしゃれなロゴ。トラディショナルなギターは好みだけど、人と違うものが欲しかった自分にとっては衝撃的な出会いでした。
(後にmomoseの知名度はどんどん上がっていき、ひっそり応援してたグループがメジャーデビューして複雑な心境になる厄介オタクみたいな感情を味わう。※Deviserさんは元から十分メジャーです)

その日は特に購入予定もなく、予算も無かったため試奏もせず帰宅。しかし店頭で見たあのヘッドが忘れられず、ネットであらゆる評判を調べて尽くし、後に試奏もせずにセミオーダーに手を出すことになるのです。

サーモメイプルに彫り込まれた美しいロゴ

そんなこんなで2017年の2月に入手したこの機体。
オーダー内容はMT2-STD/NJをベースにネックをサーモウッドに、ボディをブラックオイルフィニッシュに、ブリッジをGOTOH GTC201に変更するというもの。
一度も試奏していなかったものの、初めて持った瞬間から手に馴染む絶妙なネックグリップはまさに評判通り。リッチで雑味が少なく手癖をそのまま反映してくれる繊細な出音も、ほとんど理想的なものでした。

余談ですが、私はテレキャスターの6wayブリッジには結構肯定的です。以前TL62Bを3wayから6wayに変えた時にかなり好印象だった経験があったのでこのギターも6wayでオーダーしました。何をもってテレキャスターの音とするかは人によると思いますが、私が好きな"テレキャスターの成分"、ゴリッとしたアタック感は、ブリッジの変更じゃ失われないっぽいです。

音色

丁寧、優等生。
もう一方のテレキャス、TL62Bと比較すると高音成分と雑味が少なく低音域がよく響きます。雑味が少ない音は作りの丁寧さ、音域の特徴はオイルフィニッシュの影響かも。

雑味が少ないというある意味でFenderシェイプらしからぬ特徴はmomoseの強みでもあり、余分な音をあまり出さないためアンサンブルで真価を発揮する感じがします。この音馴染みのよさは、悪い言い方をすると「音抜けは微妙(あくまで一般的なテレキャスターとして)」となりますが、バンドや音源に馴染ませることにおいては非常に優秀な特徴と言えると思います。

あとは、なんといってもカバー範囲の広さ。テレキャスなのでバッキングとの相性は言わずもがな、ミディアムジャンボフレット由来のサスティンとそこそこのPU出力のおかげでリードも余裕でこなせちゃいます。メタル以外ならなんでもできるんじゃないでしょうか。

現在のスペック

ボディ:Ash 2P
ネック:メイプル(サーモウッド)
指板:マダガスカルローズウッド
指板R:210R
ナット:オイル漬け牛骨
Neck PU:Lindy Flarin Blues Special
Bridge PU:Lindy Flarin Blues Special
ブリッジ:MASTERY BRIDGE M4.2
コントロール:Volume and Tone Control,3way PU Selector

理想的とか言いながら何だか色々と手が加わっています。このギター、現在に至るまで様々な経緯を辿ってます。
現在所持している中で最もPU交換回数が多いギターです。
以下、これまでにどんな経緯があったのかを紹介します。

改造推移

Lindy Fralin Blues Special

はじまりはネット上でmomoseはPU交換すると良くなるという評判を頻繁に目にした事。それまでこれといった不満があったわけでも無いですが、今よりも更に良くなるなら…と手を出したのが切掛で、PUを2つともLindy Fralin Blues Specialに交換することになります。
Lindyは当時から評判でしたが、サウンドハウスに売られている〜SETってやつ、公式サイトには無いんですよね。多分サウンドハウスのオーダーなんじゃないかと思いますが、正体がよく分からないので公式サイトで購入し個人輸入しました。
このBlues SpecialはフロントPUがカバー無しでポールピースが丸出しなんですが、この見た目にしたかったのも一つの理由。これは某凛としてるギターの影響で、元々本体のスペックがアレと近かったこともあって搭載を決めました。

この時の音は非常に好きだったのですが一年後に両方とも断線するという悲劇が。当時は初めてPU交換したこともあり詳しくなかったのですが、多分コイル保護のテープを巻いていなかったのが原因だと思います。思い返せばコイル剥き出しになってた気がします。

Fender Custom Shop Texas Special

断線を機に次に試してみたのが定番リプレイスメントと名高いFender Custom Shop Texas Specialのセットです。多分最も長い期間搭載していたのがコレ。高出力だけどエッジが効いていて、これを載せている間はセンターとリアの色気が素晴らしかったです。ただフロントに関しては前のLindyの煌びやかさが好き過ぎて今一歩でした。全然悪く無いんですけどね。

SHECTER MONSTER TONE FRONT TELE

サウンドハウスでSHECTER MONSTER TONE FRONT TELEの在庫が復活していたのを偶然見かけ、いつか載せてみたいと思っていたので迷わず購入&搭載。リアはTexasのまま。Texas Specialよりも高域は劣るものの、高出力PUとして考えれば十分煌びやかな部類。そして何より北嶋の音そのものだった。

デカいポールピース

ただ、使い所では大きな武器になるもののやはり普通のギタボをやろうと思うと汎用性は低いのであまり長くは使わなかったです。
この時に取り外したTexas Specialはサブ機のTL62Bに移しました。

2度目のLindy Fralin Blues Special

やはりあの時の音が1番良かったということで、Lindy Fralinにリベンジ。今回はAmazon経由の輸入で、あと保護テープが最初から巻かれてた。
またセットで購入しましたがやはりフロントの抜け感が抜群で、バッキングにもよくフロントを使うフロント信者の私には1番合ってるPUです。
ただ、リアの出力がもうちょっと欲しかったところ。こちらに関してはTexas Specialのパワー感が好きだったのですが、フロントと一緒にTL62Bに移してしまいました。

MASTERY BRIDGEとSEYMOUR DUNCAN ST59-1b Little '59

冒涜のテレキャスター

まず、ブリッジとPUを同時に交換するなんてアホのやることなんですが大目に見て下さい。
パワーのあるPUが欲しかった私はシングルサイズハムを試してみることにしましたが、これは今までで1番別物になりました。いや、ブリッジの効果なのか…??何だかどうしてもボソボソした感じで、フロントが煌びやかでリアが篭った謎のテレキャスの完成。ポールピースの高さでキャラが変わりやすいPUだったのでかなり細かく調整しましたが理想には至らずでした。
ポットの抵抗値も変えてますが、抵抗値でどうにかなる次元じゃない救えない音がするんですよね…
これはもっと高域が出ていて塗装が硬いギターに合うのかもしれない。

MASTERY BRIDGEはもう一方のメイン機、MJM1- STDに搭載してかなり気に入っていたのとテレキャスのマスタリーなんて誰とも被らんやろ!との思いで搭載。M4.2というやつで、弦をトップロードと裏通しどちらにも対応したタイプ。トップロードのテレキャスというものを試したことがなかったので実験的に搭載しましたが、生音の段階でもう全く別のギターですね。GTC201に比べてボディの低音の響きがなくなり、弦鳴りが主張するようになりました。これがトップロード(しかも1〜4弦だけトップロードとかいう謎の通ぶりセッティングを発揮)のせいなのかブリッジ変えたせいなのかはまた弦変えるときに検証しないとわかりません。改造は一箇所ずつ行いましょう。

ちなみに良かった点としては、倍音成分?が増えたおかげかファズとの相性が良くなったところです。これが結構好きなのでブリッジはこれで落ち着こうと思っています。

(2024/3追記)Blues Specialに戻しました

結局リアはBlues Specialに戻しましたが、前に搭載した時よりセンター時の元気さが増した感じがします。MASTERY BRIDGEとの相性が良いのかもしれません。また時間を置いてブリッジが馴染んだのか、以前よりボディの鳴りも増えてる気がします。あと弦は全て裏通しに戻しました。

総括

音に関しては現在進行形で完成系を模索している悩ましいギター。ですが見た目やプレイアビリティは最高に好きで、これからも末永くメインで扱っていこうと思います。

何気に今までに4度もイラストにしている

とりあえずリアPUはそのうちLindyに戻して、MASTERYとの相性チェックをしていこうと思います。次に弦を裏通しで張って響き方の確認。

他にはピックガードをブラックアノダイズドにしたり、ボディの塗装をもっと厚くしたり、最終手段としてネックをサーモじゃないメイプルで作り直してもらう…とか考えてますがそれはもうテセウスのなんとかになり始めるので本当の最終手段。
他のギターは大体着地しているので、これも早く着地してくれるといいな…

追記
Blues Specialに戻してからはある程度着地した感じがあります。
一番最初の状態と比較して、トレブルとパワー感が少し増して音の主張が増して弾いてて楽しくなりました。ほんのりジャズマスが混ざってきたような感じですかね…?でもジャズマスより圧倒的に汎用性は高くて、やっぱり何にでも使えるところが大好きです。

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