9 特別なタマシイ
✴︎ぼく
「ほな、飛び込んでみよか」星の欠片がそう言ったけど、
ぼくの目の前は真っ暗すぎて、
箱の中に閉じこめられているのか、
宙に浮いているのかさえわからなかった。
「飛び込むって、どこに?」
「飛び込むって思えば、落ちるか‥‥」
びゅーーーーーーーっっっっん
星の欠片の言葉を聞き終わらないうちに、
ぼくは光の道に向かって、真っ逆さまに落ちていった。
光の道に近づいていくと
それはたくさんの星の欠片と
その欠片を持ったぼくみたいな子どもの
大群だとわかった。
それは川のように流れていて、
ぼくはその流れにちゃぽんと落ちて、
波にのまれてぐんぐんと進んだ。
「ねえ、星の欠片、ぼくたちどこへ行くの?」
「新しい世界さ。」
「新しい世界?」
「そう。ここにいるみんなは
地球という星に生まれ落ちて
新しい世界を創る、特別なタマシイなのさ。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?