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思い出したバスクの旅

自粛生活142日目。

今日は水曜日。いつものように卵屋さんに行って、二十個ほど仕入れた後、近所のパン屋でいつものパンとミニクロワッサン。焼き上がったばかりのパンは、香ばしい匂いが鼻をくすぐり紙袋を通してホカホカ温かい。

家に帰ってちょっとだけ片付けておきたい仕事に取り掛かってみたり、お昼ご飯の準備しつつ洗濯を回す。今日は気持ちのいい晴れ。天気が悪くて日干しできなかった椎茸をベランダに出して日向ぼっこ。後でざっくり切って冷凍ストックにする予定。トイレ掃除をしてベッドメイクしてから少し休憩。携帯みて買ったばかりのミニクロワッサンをひとつ齧る。

なんでもないいつもの日常。何も変わらないいつもの風景。でも、変わらないことって本当は何一つないんでしょうね。

そういえば今日日本のテレビ番組に、友人が出ました。サンセバスチャンのバスクチーズケーキを紹介しておりました。ふと、10年前くらいに一緒に遊びに行ったサンセバスチャンへの旅を思い出しました。

映像で流れたモンテイゲルドの展望台から見た景色は、あの時と同じくらい曇っててちょっと懐かしい。人生で初めてミシュラン星付きレストランに行ったこと、隣の小さな可愛い街のオンダリビアに行く途中で喧嘩して口聞かなかったこと(笑)。お互いまだまだ若かったなぁと。
そういえば、あの時、ピカソの流れを汲む彫刻家チジーダ(Eduardo Chillida)の美術館へ行ったこともいい勉強になりました。

テレビで紹介されたように、あの街は、プロモーションのおかげで今や美食の街というタイトルがつく場所に。実際、世界に名だたるシェフが構えるレストランがひしめいて、映えるピンチョスもカウンターに所狭しと並ぶ。おまけにデザートのバスクチーズケーキまで。食の玉手箱やーって誰ぞが叫びそうな状況です。

サンセバスチャンの周りにも沢山素敵な場所があります。例えば、隣の県ビルバオには、有名なグッゲンハイム美術館があり、あの蜘蛛のオブジェや入り口にある大きなワンちゃんはみんな写真に収めるフォトジェニックなシーン。

この町では鱈のピルピル(bacalao al pil pil)と言うお料理が有名。オリーブオイルとニンニク、鱈を皮目から入れて円を描くように鱈を回しながらゆっくり火を通していくと、油がだんだん乳化して白いソースになります。その際に沸々とする音が、ピルピルと聞こえるとのことが名前の由来。

そうそう。世界遺産のビスカヤ橋を忘れるところでした。この橋は別名吊り橋(puente cologante)
とも言われ、クレーンで釣られた橋の一部が動く渡し橋なんです。私は展望デッキの道を渡ったのですが、約50メートルの高さまでエレベーターに乗ってそこから橋を歩いて渡れます。下が丸見えで吹きっさらしなので、高所恐怖症の方にはおすすめ出来ませんが。街に融合しすぎてて、急にでっかい橋が見えてびっくりします。

また、ビルバオから車で40分くらい行くと、ピカソの傑作ゲルニカのモデルとなった小さな町も(町の名前もゲルニカ)あったり。マドリードのレイナソフィア王妃芸術センターにあるゲルニカの絵を見てここにくると、そんな戦火があったことが信じられないほどの穏やかな小さな街です。

まだまだいっぱいありますが、今日はとりあえずここまでで。
またバスクの旅に出ましょうね。

(写真は今日魚屋のイチオシで購入したマグロ。ソテーにしてレモン絞っていただきました)

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