見出し画像

【キャリア採用】複合材技術部 : 技術顧問・山本睦也さんにインタビュー

こんにちはLichtです。今回は複合材のエキスパート山本睦也さんにインタビューをしてきました!


#はじめに

山本さんは技術顧問として複合材技術部で超高圧の軽量な水素を入れるタンク、宇宙向けのタンク、安価で軽量のタンクの開発製造をされています。

山本 睦也 / Mutsuya YAMAMOTO
技術顧問 / 複合材技術部 / 統括
(学歴) 九州工業大学大学院 機械知能工学 博士後期課程 (中退)
(経歴) 中国工業株式会社、ハイドロラボ株式会社、CoMReD株式会社 代表取締役
(職歴) 複合材高圧容器開発
公的機関の委員等
・資源エネルギー庁「LPGコンポジット容器の実用化調査」委員
・経済産業省「ライナーレス複合容器構造の確認と実証」PM
・経済産業省 FCドローン調査委員会委員



タンクの種類
高圧タンクには以下のようなTYPEがあります。その中でも、繊維強化プラスチック(FRP)が材質の全体に占める割合が高いTYPE4、超高圧で軽量が狙える複合材を使ったTYPE5を扱っています。

画像1

#宇宙用タンクを作るきっかけ

Q. タンクを作ることとなったきっかけは何でしょうか
A. 大学卒業後、就職した会社がプロパンガスのタンクを製造販売している会社に入社したことです。入社後、開発部のFRPや構造物などをを研究する課に配属されました。
そこで複合材に出会い、今に至るまでずっと複合材を扱ってきました。この分野に関わった人はみんな、複合材の研究から外れられなくなると言うのがありますね。

Q. 一般のタンクの製造開発をされていましたが、なぜ宇宙用のタンクを扱うことになったのでしょうか
A.  今から十数年前、最軽量と言われてきたTYPE4の水素用タンクの開発をしているときに、タンクの内側に用いたプラスチック(FRP)を水素分子が透過してしまうと言うことに悩まされていました。
方法を考えていく中、産業総合研究所の海老名先生と当時九州工業大学(九工大)の教授であった米本先生たちが研究されていた透過を防ぐためのガスバリア材を探り当てました。
そのとき、九工大の宇宙システム研究室の教授であった米本先生に「軽いタンクを作っているなら、ロケット用のタンクを作って欲しい」と、頼まれました。そう言うわけで、JAXAの方々を紹介していただき宇宙用のタンクの開発を始めることになりました。

<補足>

 ガス(気体)の透過のしにくさであるガスバリア性によりプラスチックは水素分子を透過する

ガスバリア性

#CoMReD株式会社時代

Q. CoMReD株式会社では何をされていましたか?
A.  それは二つあります。一つは超高圧タンクをNEDO事業で研究をしていました。NEDO事業では水素社会が遠からず来るであろうと言われています。トヨタやホンダが水素の自動車を開発していることを踏まえ、水素自動車を走らせるにはインフラの整備をしないといけません。将来、NEDOが水素ステーションを全国に何百何千と作るということで、世界にないような非常に超高圧のタンクを開発していました。

もう一つは水素のタンクです。前にいた会社で月面を探査するローバーを駆動するための燃料電池向けガスタンクをJAXAと九工大とともに、共同開発していました。月面にはエネルギーが太陽しかないため、太陽光による電気しかないということでした。そこでガスを得るには、地球から運んだ水を水素と酸素に電気分解し、分解したガス(気体)用のタンクを作るということを行っていました。しかし、前にいた会社では重要視していなかった訳です。そのまま技術を眠らせるのはもったいないと思っていました。そういう訳でCoMReD社を立ち上げたと言うことです。

Q. SPACE WALKERと合併しようと思ったきっかけを教えてください
A.  当時、JAXAに対しては売り上げがある程度ありましたが、本命の水素ステーション用の超高圧タンクを作るにあたって、少なくとも2~3億円いるんですよ。CoMReD社はみんな技術系なので研究費・開発費を集めるとことと、営業的なことが非常に苦手でした。この点をSPACE WALKERさんや米本先生の話を聴くと、はるかに優れていることが分かったんですね。逆に、SPACE WALKERさんはタンクの技術的側面が得意じゃないところがありました。この二つを合わせれば非常に強い企業になると思い、一緒にならしていただきました。


画像3


#複合材技術部で働く

Q. どんな方と一緒に働きたいですか
A.  開発は一緒に同じ目的に向かって仕事をするので、意見は違っても最終的にはものすごく仲良くなるんですよ。したがって、どんな方でもいい、一緒に苦労してくれる人がいたら。

一緒に働きたいと考えている方へ 
山本さんからのメッセージ

私が思うに、技術系は特に謙虚でなくてはいけないと。自分の専門分野に対しても謙虚であること。偉そうに自分が一番よく知っていると思っては絶対にいけません。技術の進歩は強烈なスピードで進歩するので、少し技術が違うだけで全く違う結果が出ます。素人の話でもひょっとしたらとんでもない開発のきっかけになることがあります。だから謙虚でいて欲しい。

弊社は本年度新たに複合材技術部を発足し、広島県呉市に拠点を新設いたしました。現在、3人のエンジニアで複合材タンク・容器の製造開発を行なっております。複合材タンク・容器をを通して水素社会の推進・サブオービタルスペースプレーンの実現を一緒に担いませんか。航空宇宙機の開発経験がない場合であっても自身の経験を活かしたいという方は、まずご応募ください。

■ お問い合わせ先 ■
株式会社SPACE WALKER
TEL: 03-6435-7359
Mail:info@space-walker.co.jp
キャリア採用募集要項


取材・文:Licht