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世の中にたえて花粉のなかりせば…私の花粉症と薬のはなし

割引あり

高校時代、古文の授業で、在原業平の「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」という短歌を教わった。

そのとき真っ先に頭に浮かんだのは、「世の中にたえて花粉のなかりせば春の心はのどけからまし」という情緒もへったくれもない替え歌だ。ちなみに、我ながらうまいパロディだと思っていたら、広く知られたもののようで、まったくオリジナリティはなかった()

業平の歌は、「もしも世の中にまったく桜がなかったなら、春の人の心はどんなにのどかでしょう」と言った意味で、桜が咲いたり散ったりするのを気にして落ち着かない人々の心を表した情緒深い歌であると同時に、高校生にとっては反実仮想の「せば〜まし」を覚えるのに絶好の歌だ。

いやはや、春に花粉がなければどんなにかのどかな心でいられるだろう。先日からの陽気の中、私の鼻は早くも花粉の兆しを検知し始めている。

さて、私はまあまあ重度の花粉症だ。一度アレルギー反応の血液検査をしたときに、スギ花粉のゲージがMAXを突破していた記憶がある。

今日はそんな私のまったくのどかでない春の私の心を書いてみる。

日中の外出は地獄だ。鼻水は出続けるし目も痒い。12時と18時がピークらしい、早朝時間帯が1番少ない気がする。とはいえ、日中家から出ないわけにもいかない場合が多々あるのは当然だ。

幸い普段からメガネなので、多少目は守られていると思うがそれでも赤く痒くなる。目薬をさせばマシにはなるが、不器用の塊みたいな人間なのでなかなか目にクリティカルに入ってくれず、いつも苦労する。

一般的に家の中に入れば花粉が少ないとは思うが、花粉シーズンが佳境を迎える頃には家の中だってだいぶ汚染されている。家に入る前にはたいたって限度があるし、洗濯物はどうしても外に干さないと乾きが悪い。換気だって必要だ。

結局花粉から最も逃れられる場所があるとすれば、それは浴室だろう。湿度が高く、花粉が飛んでいない。身体についた花粉も洗い流せる。そんな最高の環境は浴室だけだ。

逆に言えばそれ以外の時間は基本的にいつも花粉と戦っているというわけだ。もっとも睡眠中も意識はしていないがおそらく花粉症症状は治まっている。

寝る前には花粉を感じて大変でも、眠りに落ちると大丈夫。寝ている間に花粉のことを考えていることはない。でも、それは本当に寝ている間の話。中途覚醒で一度起きるともうくしゃみが止まらない。二度寝の楽しみを妨害するという、なんともいやらしい攻撃を仕掛けてくるやつなのだ。

そんなこんなで花粉に苦しめられている私だが、もちろん薬も飲む。昨年はプソフェキ(ディレグラのジェネリック)という薬を飲んでいた。血管収縮作用がある強力な薬だそうで、鼻閉症状が中等症以上の場合のみに期間限定で使用できるようだ。

基本的な注意として、「本剤の使用は鼻閉症状が強い期間のみの最小限の期間にとどめ、鼻閉症状の緩解がみられた場合には、速やかに抗ヒスタミン剤単独療法等への切り替えを考慮すること。本剤を2週間を超えて投与したときの有効性及び安全性は臨床試験では検討されていない。」と明記されているのだ。

さて、アレグラというのは有名な薬だが、アレグラの成分はフェキソフェナジン塩酸塩である。これに塩酸プソイドエフェドリンを加えたものがディレグラ=プソフェキである。プソイドエフェドリンとフェキソフェナジンを略してプソフェキということだろう。

この薬の強力なのは、プソイドエフェドリンが加わったことによる強烈な血管収縮作用があることだ。強力に効く代わり、口渇や高血圧、めまいなどの副作用があるとされる。

なお、プソフェキはカプセルサイズが大きくなっているが、これはプソイドエフェドリン含有量が10%を超えると覚せい剤原料になってしまうためである。つまり覚せい剤原料の定義は、カプセルに対する成分の割合で決まっており、プソイドエフェドリン量を増やすために「ある意味無駄に」カプセル体積を大きくしているのだ。なんか抜け道みたいで面白いなと思ってしまった。

プソフェキはものすごく効果があって、その点は満足だったのだが、思わぬ副作用(深刻でない、でも人によっては深刻かも)な副作用があって、ちょっと面白いがくだらないので、ここだけ有料部分に書くことにする。

今年は、その副作用が嫌だったので薬を変えたいと申し出て、ビラノアという薬を処方してもらった。卒業旅行もあるので、結構沢山もらっておいた。これは一日一回で済むので楽(プソフェキは朝夕だった)なのだが、空腹時に飲まないと効果が薄くなるとのことで、食前1時間、食後2時間を避けるべきらしい。ずぼらな私が忘れずに飲み続けられるかに注目だ(?) もちろんプソフェキよりは弱い薬なので、私の強力な花粉症症状に効くのかも不安半分といったところだ。

以下有料(拡散で無料)では思わぬプソフェキの副作用について触れておくが、特に読む必要はないのでどうしても関心のある人向けだ。ちなみに友人に話したら普通に心配された(笑)
ではまた。

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