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スペースエバー社も注目すべき宇宙開発動向

スペースエバー社(以下,SE社)の注目するロケット開発

今の宇宙に関するニュースというとやはりロケット打ち上げに集中します。
しかも,日本は連続で打ち上げに失敗したり,実験場で爆発事故が起こったり。決して明るいニュースだけではありません。あまり精神論を述べたくはないのですが,失敗の先に成功はあります。SE社にとってもロケットインフラは欠かせません。それでも発射が100%成功するとは断言できないのが現状であります。

H2Aロケットもはじめは困難な船出であった

そもそもH2Aロケットとは。
H2Aロケットは、日本の宇宙開発機構(JAXA)と三菱重工業などが開発したロケットです。全体としては非常に高い成功率を誇りますが、ロケット開発の過程では失敗もあります。
2003年11月29日に打ち上げられたH2Aロケット8号機は、機体の一部に問題があり、人工衛星を所定の軌道に投入することができず失敗となりました。この失敗は、後のロケット開発における技術的な改善と評価方法の見直しにつながりました。
このような失敗を通じて得られた教訓は、以後の成功に貢献しており、今ではH2Aロケットは非常に信頼性の高いロケットとして認知されています。

そしてH3ロケットへ

H3ロケットは、日本の次世代主力ロケットとして、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が共同で開発しています。H3ロケットの開発は、より低コストで高い信頼性を持ち、商業的な打ち上げ需要にも応えることができるように設計されています。
H2AロケットやH2Bロケットから得られた技術や経験を基に、H3ロケットはより効率的な生産体制を整備し、環境にも優しいエンジン技術を採用しています。
H3ロケットの開発は、国際市場での競争力強化と、より多岐にわたる宇宙ミッションへの対応を目指しています。日本の宇宙産業の更なる発展に向けた重要なプロジェクトとなっています。

この歴史は避けずには通れない

H3ロケットは失敗しましたがこの歴史は避けられないのです。
ISSも耐久性が問題視される中で次の宇宙開発に進まざるを得ません。
そこで世界的にロケット開発が進むことを望みます。
もちろん商用・非商用人工衛星の展開も同様であります。

商用人工衛星

商用人工衛星とは、商業目的で運用される人工衛星のことです。これらの衛星は、通信、放送、地球観測、気象監視など、多岐にわたる用途に使用されます。
①通信衛星: 世界中の通信を網羅するために使われ、電話、インターネット、テレビ放送などを提供します。
②地球観測衛星: 地球の表面を高解像度で撮影し、都市計画、農業、環境監視などに利用されます。
③気象衛星: 天候の監視と予報に使われ、災害予防や気象情報サービスに寄与します。
商用人工衛星は、企業や政府機関などがサービスを提供するために打ち上げられ、利益を生み出すことを目的としています。この市場は急成長しており、多くの企業が新しい技術やサービスを開発して競合しています。

非商用人工衛星

非商用人工衛星は、商業目的ではなく、科学研究、教育、国防、政府の公共サービスなどの目的で運用される人工衛星を指します。
①科学研究衛星: 宇宙や地球、太陽系などの科学的な探求に使用されます。天文観測や地球の気候変動の研究などが含まれます。
②教育衛星: 教育機関が学術目的や技術訓練のために使用する衛星です。学生が宇宙技術を学ぶためのプラットフォームとしても利用されます。
③軍事・国防衛星: 国防目的で使用され、通信、偵察、監視などの軍事任務に利用されます。
④政府の公共サービス衛星: 気象観測や災害監視など、公共の利益に奉仕するための衛星です。
非商用人工衛星は、利益を追求するのではなく、社会的、学術的、または国家的な利益を追求するために運用されます。これらの衛星は、多くの場合、政府機関、教育機関、非営利団体などによって運営されることが一般的です。

SE社が注目する民間宇宙開発

民間宇宙開発は、政府や国際機関ではなく、個人企業や商業組織が宇宙技術の開発と運用を行う分野です。近年、この分野は急速に成長しており、いくつかの重要な特徴があります。
①商業化の促進: 民間企業は、人工衛星の打ち上げ、宇宙観光、地球外鉱鉱の採掘など、利益を生む商業活動を追求しています。
②イノベーションの加速: 民間企業の競争は、技術の進化とコスト削減を促進しています。例えば、再利用可能なロケットの開発などが挙げられます。
③政府との協力: いくつかの国では、民間企業が宇宙探査や国際宇宙ステーションへの補給任務など、政府の宇宙プロジェクトと連携しています。
④アクセスの民主化: 以前は宇宙へのアクセスが非常に高価で限定的でしたが、民間企業によるコスト削減とサービスの多様化により、より多くの国と組織が宇宙活動に参加できるようになっています。
代表的な民間宇宙企業としては、SpaceX、Blue Origin、Rocket Labなどがあります。これらの企業は、宇宙産業の商業化と技術革新をリードしており、宇宙への人類のアクセスと利用の新たな道を切り開いています。

まとめ

今回は宇宙開発の過去と現状を取り上げました。なかなか夢のあるようで苦労も欠かせないストーリー性に富んだ分野になります。しかし,このような困難を土台に宇宙開発は進められるのです。まずはロケットインフラの整備を待ってから宇宙に出ようではありませんか。社会公益性の高い成長分野であると思っております。

2023.08.03

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