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忘れていたもの


中学生、秋。

自分を追い詰めて、どうしたらいいか分からなくて。


カチカチ...と夜に響いた金属音。


ふとつけたテレビ。

                   お前に明日は来ない



鳴り続けていた金属音が止まった。


                でもあなたには明日がくる 


そう言われたような気がした。
言葉に惹かれ、演劇の世界を知った。

10年以上の月日が経っても、心の底に眠っていた。
ずっとあの世界に貢献できることは何だろう、と考えていた。


「インプロ 仕事」とか調べてみたけど出てくるはずもなく、いつからかこの気持ちを眠らせてしまった。


それから10年ほどの月日が経ち、現在。


紆余曲折ありどうしても気持ちを抑えきれなくなってインプロのWSを調べ、株式会社フィアレス を知る。


「私がやりたいと思ってたことをやってる人たちがいる!!!」


体験会に参加して「これ!!!!私がずっとやりたかったこと!!!」って思えた。




でも・・・

「経験ないし、お金もないから続けるなんて、ましてや誰かにインプロの楽しさを知ってもらうなんてできないよね」

ネガティブな自分が囁く。



「本当にそれでいいの?」


誰かが呟く。


いつだってそうだった。
お金がない、時間がない、もっとやらなきゃいけないことがある。


これらの理由で諦めざるを得なかったものを思い出す。
旅行、本当に行きたかった大学、トロンボーン、演劇・・・



やりたいことをやるのがこんなに難しいことなんだ。
何かができるとは思えない。
何をしても何かができると思える。


こんな矛盾を抱えて今日も生きている。


演劇、芝居のことになると言葉が止まらない。

きっと「好き」。


同時に苦しさがつきまとう。憧れを見せられると普段は眠っているのに起きてくる。

「正直に生きたいと思って何が悪い!!」


もう少し、この怒号を飼い慣らしていたい。
これは時限爆弾。自分がスイッチを切るか、自然と爆発するか。

時間は誰にもわからない。


突然、その時はやってくる。数年前と同じように。
そうなってしまったらきっと耐えられない。


誰にもわからないこの結末は、数年後の自分が知っている。

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