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いつか、死んでしまうから。

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私と誰かの記憶の断片。
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2024年6月の記事一覧

あの駅で。

あの駅で。

僕は懐かしい駅に来ていた。最後にここに来たのは10年以上前だ。またあのおばちゃんに会えるだろうか、と来てみたら売店ごとなくなっていた。

別れはあっという間だな、となぜか、ふっと笑ってしまった。

売店のあった場所は他の地面と比べて少し黒くなっていた。僕はそこに立ってみた。おばちゃんは何を考えていたんだろう。

あの頃の僕を、どう見ていたんだろう。上を見上げる。

古びたホームの屋根が見えるだけだ

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