見出し画像

「自己満足」の危険性

ちょっとだけ高級品を売ろうとしている小売店がある。

どれくらい「ちょっとだけ高級品」かというと、売価が¥18,000だ。

商品にもよるが、消費者は買えない値段ではない。

かといって気軽に買えるものでもない。少しは悩んで「じゃあ買おうか」「やっぱりやめとくか」という判断を必要とする価格帯。

でももちろん売りたい小売店は、販促のためにツール(フライヤー)を作ることに。

しかしそのフライヤーは、ちょっとパソコンが使える店舗スタッフがWord作ったチープなもの。

デザインはもちろん、の商品の趣旨や想い、買ってもらうための工夫が一切ない。

「これで¥18,000の商品をお客様に買ってもらおうと思ってます?」と、失礼ながら社長に言った。すると社長は、

「自分もいいとは思ってないが、担当してくれたスタッフが頑張ってやっているので見守ろうと思う。一生懸命やってくれてるし、今から茶々をいれるとやる気もなくすだろうし、プライドもあるだろうしね」と言い放った。

は?趣味か?

「この商品を売る」ということは趣味でやっているのか?

なんとのんきな会社だろうと辟易した(自分の会社じゃないからどうでもいいけど)。

同時にこの社長は「細かなことを言わず、スタッフを尊重している大らかな自分」に自己満足しているのかもしれない。

もちろんスタッフが一生懸命やっていることを認め、やる気を持たせたり達成感を与えるのは必要だ。

ただ、それとこれとは話が違う。

¥18,000の「ちょっとだけ高級品」を買ってもらうお客様に対して失礼だ。

そしてこんな趣味程度(今の時代ガチ趣味の人の方がクオリティが高い)のツールで自己満足している輩をみると、ぶん殴りたくなる。

繰り返すが、スタッフのやる気を保たせるのはとても重要だが、はき違えた自己満足を保たせてはいけない。

大げさに言うと「バイトテロ」も、オーナーが「楽しく働いてくれてるなら、多少のやんちゃも目をつぶろう」「うるさく言って辞められても困るし…」というはき違えから助長したケースもあるのではないか?

もちろんパワハラサービス残業のブラック企業は論外だが、歪んだ自己満足を仕事に持ち込むのは大変危険だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?