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「そばかす」を観た私

「生きている限り恋愛からは逃れられない」

序盤でのこの台詞が映画全体に立ち込めていて、最初は少し窮屈な心地。

かすみのもとにひょっこりと現れたかと思うと、“恋愛”を理由にかすみのもとから離れていく。それも前触れもなく突然に。

でも、ジレンマはあるが絶望というほどでもない。なんなら少し心地の良さを残している。ストーリーにちゃっかり「登場人物たちの自己表現」というアクセントを入れてくれているからなのかな。


そして最後は、そのアクセントが実を結ぶようなエンディング。
あれは「逃げる」でも「何かの目的に向かって」でもなく、ただただ前を向いて走っていたように思えた。あの走り、最高だったな。(というかもうほんと三浦透子の演技力に脱帽、すごい。好き。)


「共感」だとか「多様性を認める」だとかではなく、ただそこに「存在する」ことを人間はどうも許容できない生き物らしい。

自分が経験していないものや、見知っていないもの、得体の知れないものに対峙した時に、何かの枠に当て嵌めようとすることが、私にもある。

知らず知らずのうちに、誰かが決めた価値観や当たり前を植え付けられているのだろう。そして私もそうしているかもしれない。(なんだかそう考えると息苦しくなる。)


そしてそれを象徴的に表しているのが、蘇畑家だ。
あの屈折した家族愛という名の過干渉に私まで辟易としながらも、結局かすみもかすみで家族に甘えていて、食卓を囲むシーンにそれらがギューっと詰め込まれていた。あれがすごいリアル。とにかくあの父ちゃんがいい味出してた。


何が書きたかったのかもうよく分からなくなってきたけど、兎にも角にも登場人物がみーんな愛おしくて大好きな作品でした。

久しぶりに全私の友達にオススメしたい映画です。

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