そぞろ

都内で所属税理士をしています。noteの主目的はアウトプットにより税務知識を深化・定着…

そぞろ

都内で所属税理士をしています。noteの主目的はアウトプットにより税務知識を深化・定着させることです。税務以外も気分に任せて書いていきたいと思います。

最近の記事

合併があった場合の賃上げ促進税制の適用

サマリ 前年度または当年度に合併があった場合、適用年度(当年度)の雇用者給与等支給額と比較雇用者給与等支給額(前年度実績)のベースが揃わないこととなる 合併による給与等の増額の影響を税額控除の対象から排除するため、比較雇用者給与等支給額に所用の調整を行う 調整は、「月別給与等支給額」×調整対象月数というかたちで行われる 以下、中小企業向け賃上げ促進税制(租税特別措置法42条の12の5②項)を念頭に記載している。 根拠条文 調整イメージ 具体例 <前提> A社は

    • 非支配株主持分がある場合における親子間適格合併の税務調整

      サマリ 非支配株主持分がある場合の親子会社間の合併については、会計上は親会社持分と非支配株主持分に分けて仕訳が検討される 税務上は子会社の利益積立金及び資本金等の額をそのまま引き継ぐこととなるため、税務調整が必要となる 会計処理 親子会社間の合併は共通支配下の取引として整理されるため、子会社の資産・負債は原則として親会社に簿価受入される 親会社は、子会社から受け入れる資産・負債の差額(=簿価純資産)を持分比率により親会社持分相当額と非支配株主持分相当額に区分(按分)

      • 免税事業者が税抜経理をした場合の税務調整

        サマリ 大企業のグループ会社などでは会計処理の統一などの観点から、免税事業者であっても税抜経理が行われる実務があり得る 会計上は税抜経理をしても、税務上は免税事業者であれば税込経理が強制されることになるため、消費税相当額に係る税務調整が必要となる 事例 上場企業A社の社内ベンチャー事業がスピンオフされることとなり、100%子会社(a社)が設立された。 a社は資本金が1,000万円未満であるが、設立事業年度(1期目)では特定新規設立法人に該当し、課税事業者であった。し

        • 合併対価として種類株を発行した場合の種類資本金等の額

          サマリ 吸収合併の合併対価として種類株式が交付された場合、資本金等の額の変動をどの株式の種類資本金等の額に割り振るかが問題となる 結論として、対価として交付した種類株式の価額に応じて割り振る 種類株式のみが交付された場合は、その合併に係る資本金等の額の変動は、すべて当該種類株式の種類資本金等の額の変動として処理する 根拠条文 具体例 <前提> A社の子会社a社はA社からの出資に加え、外部のW社からも出資を受けている。A社からの出資に対しては普通株式1,000株が

        合併があった場合の賃上げ促進税制の適用