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ジョン・テイラー著「ブラックホール」の感想

昔読んだブルーバックスの「ブラックホール」を読み返してみました。

1975年出版なので、40年以上前の本になりますが、書かれてある内容はそんなに古い感じはしません。
重力波の検出の試みやホーキング放射についても触れられています。
40年前でもブラックホールの研究がかなり進んでいたことがうかがえますね。

不可思議なのは5章「幻想的な内部の世界」に書いてある内容です。

回転するブラックホールに飛び込んで、リング状の特異点の内側を通り抜けるとホワイトホールのような領域を抜けて別の宇宙に出てきます。
元の宇宙に後戻りすることは絶対にできません。

別の宇宙の中にも全く同一の回転ブラックホールを含んでいて、そこに飛び込めば、前2つと完全に別の世界に行くことになります。最初の宇宙に戻ることは決してありません。

3番目の宇宙にもまた同一のブラックホールが回転しています。こうして次々にブラックホールに飛び込んでいっても元の世界に帰ってくることはできないといいます。

「全く同一の回転するブラックホールが別の宇宙にもある」というのはどういうことでしょうか?同じ種類のブラックホールがあるという意味なら分わかるんですが。

また、リング状の特異点の付近では生き写しの自分が束になって表れるかもしれないといいます。
これは、リング状の特異点の周囲では時間軸がループしているため、同一の時空が複数(無限)の時刻を持っているということなのでしょうか?


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