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ひよこ豆は、おいしい! 〈前編〉

文・撮影/長尾謙一
料理/横田渉

まるごとひよこ豆ペースト
(素材のちから第41号より)

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なめらかにつぶした〝ひよこ豆〟は、ふくよかで、たまらないおいしさ。

フムス、ファラフェルなど〝ひよこ豆料理〟は人気メニュー

スーパーフードにあげられる〝ひよこ豆〟でつくる中東の伝統料理「フムス」、「ファラフェル」は、お洒落なヘルシーメニューだ。スパイスやハーブとの相性がよく、アメリカをはじめ、日本でも健康に敏感な女性を中心に人気がある。

水戻しして、煮て、つぶす手間がいらない「まるごとひよこ豆ペースト」

ガルバンゾーとも呼ばれるひよこ豆は、エスニック料理のブームによって「フムス」、「ファラフェル」などが人気になり、その他、カレーやスープ、サラダなどにも幅広く使われる注目食材である。

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本来、乾燥したひよこ豆は一晩水で戻し、煮ないとメニューには使えないが、今回ご紹介する「まるごとひよこ豆ペースト」は水戻しから、煮てつぶすまでの工程をすでに終えたペースト状の商品でとても便利だ。さらに200gの使い切りサイズで、常温で扱えるという使いやすさを追求している。

そして特筆すべきはネーミングの通り、ひよこ豆を〝まるごと〟ペーストにした、あらごしの食感と甘くふくよかなその味にある。

それにしてもこの商品からはスパイスやハーブの香りがしないのはなぜだろう?「フムス」や「ファラフェル」に使うなら、あらかじめスパイシーな風味付けがされていてもおかしくない。

実は、そこには「まるごとひよこ豆ペースト」の明確な開発意図があった。

【エスビー食品株式会社 企画開発担当者インタビュー】
スパイスとハーブを抜く勇気が、この商品をつくった。

流行のメニューを追いかけるだけの商品にはしたくない。開発の背景にはスパイスメーカーの長期的なビジョンがあった。

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エスビー食品株式会社
商品企画ユニット  一級惣菜管理士 
清水 健児 さん

エスビー食品株式会社
営業サポート第2ユニット  スパイス&ハーブマスター
廣瀬 加奈絵 さん

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エスビー食品株式会社
1923年、試行錯誤の末に創業者の山崎峯次郎が、日本で初めて純国産のカレー粉の製造に成功。以来、スパイスとハーブのパイオニアとして、コショーやカレー、わさび、フレッシュハーブなどの製品開発に積極的に取り組み普及させてきた。創業から変わらない“挑戦”する歴史と精神で、スパイス&ハーブの可能性をさらに極める。

●そもそも、なぜスパイスのメーカーが〝ひよこ豆〟のペーストを商品化されたのでしょうか

清水 「まるごとひよこ豆ペースト」商品化の背景としては、もともと〝ひよこ豆〟がカレーの具として馴染みのあるもので、スパイスやハーブと相性もよくインド料理にも使われ、私どもとの距離感が近かったことがあります。

そして、このところ〝フムス〟がアメリカでヘルシーなメニューとして人気が高く、日本でもこの健康感が定着する流れを感じます。外食店様にとっても〝フムス〟は可能性のあるメニューですから、なんとかして健康素材としての〝ひよこ豆〟をいかした新商品を〝フムス〟向けに発売できないか、と考えはじめたのが商品化に動き出した背景です。

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●味はとてもプレーンで、ガーリックなどのスパイスや、ハーブも感じませんね

清水 〝フムス〟はお店によって味に個性がありますから「まるごとひよこ豆ペースト」をどこまで調味するかが悩ましかったです。ガーリックのきかせ方、スパイスやハーブのきかせ方を微妙に調整して、気が遠くなるほどのサンプルを試食しましたが、正直正解が分かりませんでした。

あまりつくり込みすぎるとユーザー様がオリジナルで味を変化させることができなくなってしまうので、それならガーリックなどのスパイスはそれぞれ調理の段階で足していただいた方がいいのではないかということで、好みの味にいかようにも変えられるプレーンな味にしたのです。これで個性を発揮したメニューがどんどんおつくりいただけると思います。

スパイスメーカーがスパイスを抜いた商品づくりをしたわけですね

清水 そうなんです。〝フムス〟に合うスパイスやハーブの原料をたくさん持っていながら、それをあえて抜くというのはなかなか勇気のいることです。

一般の消費者向けの商品だったら、ガーリックなどのスパイスは抜けなかったかもしれないですね。業務用の商品だからこそつくれたのだと思います。

しかし、思い切ってプレーンな味に商品開発してみると、〝フムス〟や〝ファラフェル〟はもちろんですが、外食店様などで「まるごとひよこ豆ペースト」に何かを加えてメニューをつくる際には、弊社のスパイスやハーブのご提案ができるチャンスをいただけたと思っています。

「まるごとひよこ豆ペースト」と相性のいいスパイスやハーブは何でしょうか

廣瀬 基本的にすべてです。すべて相性がいいと思います。しかし、それではあまりにも手前味噌なお話になってしまいますね。代表的なものでいうとクミン、赤唐辛子、ガーリック、シナモンでしょうか。こうしたものを軸にして独自のブレンドを見つけていただくといいと思います。

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その他、弊社のシーズニングを混ぜると、効果的に味を変化させることができます。たとえば、ガーリックや赤唐辛子やクミンなどが入ったパンチのきいた味わいの「ケイジャンシーズニング」や、ハーブの彩りが綺麗で岩塩の旨みがおいしい「マジックソルト」などがおすすめです。また、スパイストッピングの「エスニックテイスト」を一振りするだけで、スパイス感溢れる見た目のインパクトに加えエスニックな香りとザクザクとした食感が得られます。とにかく、すべてのスパイスやハーブとの相性がいいのです。

ペーストの状態は〝あらごし〟ですが、どうして完全になめらかにしなかったのでしょうか

清水 〝フムス〟用ですと一般的にはペーストで、なめらかな物性かなと思っていたんですが、散々迷ったあげくに味をプレーンに決めてみると、「まるごとひよこ豆ペースト」は〝フムス〟に限らず、いろいろなメニューに使えるのではないかとその可能性に気づきました。

〝フムス〟以外にも使えるのならば、豆の素材感が伝わった方が汎用性に繋がると考え、今回〝あらごし〟タイプにいたしました。

常温で取り扱えて200gという内容量は、とても使いやすいですね

清水 はい。水戻ししたものを煮て、さらにつぶすという豆料理の手間を省くため、私どものレトルトに関する特許技術も使い、〝ひよこ豆〟のしっとりとした自然な甘みを表現しながら、もっちりとした特有の食感のペーストに仕上げました。レトルト商品なので、開封前は常温で長期間(18ケ月)の保存が可能です。内容量は、使い切れずに持て余すことのないサイズ感として200gで商品化しました。メニュー施策にも気軽にお取組みいただける内容量になっています。

「まるごとひよこ豆ペースト」の外食メニューへの手ごたえはいかがでしょうか

廣瀬 今は手ごたえというよりも、外食店の皆様と一緒に〝ひよこ豆〟の健康素材としての可能性を確かめるスタートを切ったばかりです。極めて素材に近いシンプルな商品ですから、プロの皆様のアイデアもいただきながら、長い時間をかけて育てていきたいと考えています。

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さて、商品開発の背景と意図は分かったが、外食店の皆さんはどのように評価するのだろうか。後編は、3店舗のシェフに試作をお願いしてみた。ご覧いただきたい。

ひよこ豆は、おいしい!〈後編〉へ続く

協力/お問い合わせ:エスビー食品株式会社

(2021年6月30日発行「素材のちから」第41号掲載記事)

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素材の生産者や食品メーカー、輸入者の皆さんの商品への深い思い入れを料理人の皆さまにお伝えしたく、2010年より外食店向けの食材情報誌「素材のちから」の発行を続けています。そして2021年noteでも発信をスタートさせます。http://www.sozainochikara.jp/