パティシエがいるみたいだ。
文・撮影/長尾謙一
何というタルトのバリエーションだろう。この17種類のタルトをうまく使えば、お店のデザートメニューがすぐに強化できる。
一つ一つ丁寧につくり上げたサクサクのタルト生地に、厳選したこだわりのアーモンドクリームとフルーツを詰め込んで焼き上げている。香ばしさやみずみずしさ、ほろ苦さやフレッシュな酸味、なめらかな甘みや深いコク。素材の組み合わせが次々と生み出すパティスリーの世界を、この「タルティア」冷凍タルトを使えばお店で提供できるのだ。
「タルティア」冷凍タルト
(素材のちから第49号より)
「タルティア」は、カニ加工メーカー友田セーリング(株)の加工技術とパティシエ勝部慎二のコラボレーションによって開発された焼きタルトの専門ブランド。製造は友田セーリング(株)のスイーツ専用工場で行っている。ホールタルトが17種、プチタルトも17種、豊富な商品アイテムを取り揃えている。友田セーリング(株)のパイロットショップ「かに舞」自由が丘店の中に焼きタルト専門店を併設し、「タルティア(商標)」として昨年末から販売をスタートしている。
17種類の多彩なタルトが、忙しい厨房のデザートづくりを助ける。
冷凍タルトをデザートづくりの新たな軸にする
外食店で提供されるフードメニューは、お客様の新たなトレンドに寄り添うように商品が次々に発売される。今の人手不足の事情から、その中には調理の手間を省くものが数多くある。しかし、デザートメニューに関しては、はっきりいって手薄だ。
フルーツやアイスクリーム、ムース、冷凍のチーズケーキやチョコレートケーキなどの商品はあるが、どれも昔からあるアイテムだ。確かに個々の品質は上っているのだろうが、新たなデザートの切り口にはならない。今までにないデザートの軸になる商品が必要だ。
そこで「タルティア」の冷凍タルトをご紹介したい。ご覧いただいた通り、約16cmのタルトが17種類もある。バターをたっぷりと使ったタルト生地にクレーム・ダマンドをフルーツなどの素材と一緒に詰め込んで焼いている。
しかも、しっとりと口溶けのいいチョコレートから、コクのあるチーズ、和風の要素を取り入れたもの、フルーツのフレッシュ感をいかしたもの、とその品揃えは幅広い。この「タルティア」の冷凍タルトは、デザートづくりの軸となるだろう。
フランス人はタルトが大好きだ。しかし、日本人はやわらかなスポンジ生地としっとりと甘い生クリームの組み合わせが大好きなのでタルトの人気はなかなか上がらなかった。
しかし、このところパイやタルトの専門店を街で見かけるようになったかと思うと、若い女性を中心にファンは広がっている。カフェやレストランでもタルトを取り入れたデザートは求められているはずだ。
誰でも簡単にワクワクするデザートをつくれる
それでは「タルティア」の冷凍タルトを使って、デザートをつくってみよう。皿に〝洋梨&紅茶〟のタルトと〝生チョコタルト〟をカットしてのせ、そこに冷凍のブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、ストロベリーを飾り、ラズベリーのソースを敷いた。
このように簡単にタルトを使ったデザートができる。手間はかからない。
さらに、タルトを軸にしてアイスクリームやムースといったアイテムと組み合わせることで、メニューの幅は広がる。
「タルティア」の冷凍タルトで攻めのデザートを考えてみよう
さらにホールのタルトの他にプチタルトも17種類あるのだから、その開発力はすさまじい。〝ラムレーズンのアマンディーヌ〟は、ホールのタルトにはないアイテムだ。
プチタルトはカットしてアイスクリームと組み合わせてもおもしろい。冷凍タルトがあるだけでいろんな発想が湧いてくる。
さて、自店のデザートをチェックしていただきたい。ワクワクするメニューだろうか?
もし、ワクワク感が足りないと感じたら、「タルティア」の冷凍タルトで攻めのデザートを考えてみよう。
(2023年6月30日発行「素材のちから」第49号掲載記事)
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