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【寒天】テイクアウトレスキュー1

文・撮影/長尾謙一 

・イナゲル®パラパラご飯の素 
・プチドリップ® 
・イナゲル®N-65P 
・ぷるぷる寒天 
・ぷるぷる寒天 細切り 
(素材のちから第38号より)

テイクアウトメニューをもっとおいしくしたい。

お客様においしいメニューを提供したいという想いは、イートインもテイクアウトも同じだ。おいしいメニューをつくろう。目の前の課題は寒天製品が解決してくれる。

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テイクアウトを売り上げの柱にしたい

コロナ禍の今、外食店ではイートインで提供していたメニューを持ち帰りに、また、新たにテイクアウトメニューを開発して積極的に導入する店が多く、歩くとたくさんの店舗の前にメニューのPOPが並ぶ。一向に出口が見えてこない厳しい経営環境が続くならば、少なくてもテイクアウトを売り上げの柱にしようとするのは打つべき手の一つだ。

ところで、買ってきた弁当のご飯をさあ食べようと箸ですくい上げたら、ご飯が固まっていて食べ辛く、おいしくなかったという経験はないだろうか。レンジで温めても、さすがにできたてには及ばない。

また、マリネした野菜からドリップが出た見た目の悪いサラダや、炒めた肉のタレが下に流れ落ちて乾いていたり、そんな弁当を見かけるように思う。

時間が経てばご飯は冷めて固まるし、マリネした野菜からはドリップは出るし、炒めた肉のタレは下に落ちて表面は乾いてしまう。これらはどう考えても当たり前のことだ。

しかし、テイクアウトメニューを購入するお客様の多くはそれを許してはくれないだろう。

テイクアウトメニューの課題を解決する

こうしたご飯の〝ほぐれ〟、サラダの〝ドリップ〟、肉の〝艶〟などのテイクアウトメニューにとって、永遠とも思える課題を解決できないだろうか。

そこで、テイクアウトメニューで厳しい現状を乗り切りたいという外食店の皆さんのために「寒天・テイクアウトレスキュー」が集められた。

課題の解決とともに、これからの秋冬の季節に合わせたスープの提案や、ちょっと足すだけの新メニュー提案など、実際に調理してその効果を体験したので具体的にご報告したい。

●レスキュー【ほぐれ】

〝ほぐれ〟はテイクアウトメニューにとって永遠の課題

「イナゲル® パラパラご飯の素」がつくりたてのおいしさを提供

テイクアウトで一番の課題は、時間が経つとご飯がくっついてしまうことではないだろうか。おいしそうなとんかつやハンバーグ、焼き魚や、鶏の唐揚げをのせた豪華弁当も、ご飯がベタついてくっついてしまったのでは商品価値は大きく下がってしまう。

また、焼きそばやナポリタンなど麺を使ったメニューも、時間が経つと麺が乾いてくっついてしまう。今回、こんな悩みを寒天製品で解消することができるかもしれない。

ご紹介する「イナゲル® パラパラご飯の素」は、ご飯の表面のベタつきを抑えることでほぐれを向上させ、さらに炊きたての艶を保ち、見た目のおいしさを改善する。そしてもう一つ重要なことは、味にまったく影響しないことだ。

炊飯米のほぐれ

それではテストしてみよう。米2合に対して「パラパラご飯の素」を4.5g加え、加水1.4倍でご飯を炊いてみた。水をいつもの4割り増しで炊飯するわけだから、水分が多すぎて炊きあがりはやわらかすぎて使えないだろうと思っていた。しかし、予想はまったく違った。米一粒一粒がしっかりとしていてベタつかない。やわらかく、歯ごたえもいい。しゃもじがサックリとご飯に入り、とてもスムーズだ。これならご飯の歩留まりが上がる。

これを2時間ほど置いてご飯のほぐれをチェックした。何も入れずに炊飯したご飯は、箸で持ち上げるとご飯がくっついて、まとまって持ち上がるが、「パラパラご飯の素」で炊いたものは小さくほぐれる。見た目もさることながら、口の中でほぐれておいしさは大きく違う。

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炒めたご飯のほぐれ

次に、ご飯の炒めメニューに使ってみた。300gの冷めたご飯を炒め、25gのケチャップを加えてケチャップライスをつくってみる。「パラパラご飯の素」を加えずにご飯を炒めると、なかなかほぐれない。一方、「パラパラご飯の素」を1g加えるとご飯はすぐにほぐれ、一粒一粒をケチャップがコーティングするように色づきほぐれる。油の使用量も少なく調理時間も大きく短縮され効率の面からも作業性は大幅に向上するに違いない。

これを2時間ほど置いてご飯のほぐれをチェックした。皿に盛る際に少しほぐしてみたが、何も加えない方はやはりダマになって見栄えも悪い。「パラパラご飯の素」はどんどんほぐれてご覧のとおりだ。食べた食感が違うのは言うまでもない。

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麺のほぐれにも効果が

麺の炒めメニューでも試してみる。中華麺200gに対して「パラパラご飯の素」2gを、あらかじめソースに溶かしておいて中華麺に加えて炒めた。使った油はどちらも5g、ソースはそれぞれ30gにした。

結果はケチャップライスの時と同じだ。「パラパラご飯の素」を加えたソースを加えると麺がほぐれソースののびが違い表面も艶やかだ。これを2時間ほど置いて麺のほぐれをチェックした。結果はご覧のとおり一目瞭然だ。

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●レスキュー【ドリップ&艶】

テイクアウトメニューにとって〝おいしそう〟という見栄えのよさは最低条件

「プチドリップ®」が野菜の離水を防ぎドリップを抑える

パッケージの底にドリップが溜まっているのが見えると、調理してから随分と時間が経ってしまった商品に見える。そこで、コールスローサラダに具の重量に対し約0.5%の「プチドリップ」を粉のまま混ぜ合わせ1時間置いた。するとどうだろう、「プチドリップ」を加えたものにはドリップが見られない。味は薄まらず野菜によく絡んでいる。おそらく時間が経てば経つほどその差が現れるだろう。「プチドリップ」はこうした野菜の離水を防ぐことでドリップを抑え、和え物、炒め物など水分が出やすいメニューに対して効果を発揮する。

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「プチドリップ®」がおいしそうな艶を出し長時間保湿する

タレが下に落ちて表面が乾いている生姜焼きはどう見てもおいしそうとは言えない。メニューの艶を守ることは重要だ。具の重量に対して約0.5%の「プチドリップ」を加えると、タレと肉がおもしろいほどうまく絡みおいしそうなとろみと艶が出る。さらに時間が経っても保湿効果が続き、肉がとてもやわらかだ。

パスタメニューでは、ソースにほんの少しの「プチドリップ」を加えるだけでソースと麺の絡みがよく艶も出し、長時間表面の乾燥を防ぐためにパサパサ感が減少する。

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●レスキュー【スープ&新メニュー】

テイクアウトに新たな提供のアイデアと新しいコンセプトを持った食材が欲しい

新たなレンジアップ商品として提案

寒くなってくると弁当にも温かなスープが欲しくなる。しかし、スープはこぼれやすいためテイクアウトし辛いメニューだ。それならばスープを固めてテイクアウトして、それをレンジアップして溶かして召しあがっていただくというのはどうだろう。

そこで「イナゲル N-P」を使う。スープを80℃以上に温めてスープに対して2~2.5%の「イナゲル N-P」を直接入れて溶かすとダマにならず、夏場の室温でも溶け出しにくいゼリー状に固まる。これをお客様にテイクアウトしてもらい、再び加熱すればスープ状になるのだからレンジアップ商品に最適だ。

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〝こんにゃく寒天〟の不思議な食感とヘルシー感を加える

定番のおかずを新たに生み出すのはなかなか難しい。ならば、定番のおかずをアレンジしてはどうだろうか。そこで、「ぷるぷる寒天」と「ぷるぷる寒天 細切り」を使ってみた。原料はこんにゃくと寒天だから食物繊維が手軽にとれる。水もどしするだけですぐ使え、今まで食べたことのないぷるぷるとした不思議な食感を持っている。薄い短冊切りと細切りはメニューに合わせて使い分けたい。定番の酢の物、和え物、サラダに入れるだけで、〝こんにゃく寒天〟の不思議な食感とヘルシー感を加えることができる。

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協力/お問い合わせ:伊那食品工業株式会社

(2020年8月31日発行「素材のちから」第38号掲載記事)

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