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とっても嬉しいゼリー!

文・撮影/長尾謙一 
料理/横田渉 

〝室温で置いても崩れないゼリー〟がある。これは、料理のつくり手にはとても嬉しいことだ。温度にデリケートなゼリーは、提供シーンが制限されていた。これならもっとゼリーを使える。

イナアガーL
(素材のちから第44号より)

「イナアガーL」は、常温で固まる植物原料由来のゼリーの素。透明で口あたりのよいゼリーがつくれ、夏季の室温でも形が崩れない。パイナップル、キウイなど酵素を持つフルーツもしっかり固める。

「イナアガーL」は常温で固まり、夏季の室温でもゼリーが崩れない。

「イナアガーL」は暖かくても崩れないゼリー

「イナアガーL」でつくった〝はちみつレモンゼリー〟を室温の上がった撮影スタジオに置き、しばらくしてから食べてみた。

はちみつレモンゼリー

エッジの効いた美しいゼリーがすくえる。室温は30℃近くあるが、離水はなく形も崩れない。さすがにきりっとした冷たさはないが、〝ぷるん〟としたやわらかさとなめらかな食感が楽しめ、レモンとはちみつの甘酸っぱさもたまらない。

もともとゼリーは暖かなところが苦手で形が崩れてしまうため、提供するシーンは制限される。たとえば、宴会やビュッフェではなかなか提供しづらい。お客様が口にするまでに時間が経ってしまい、室温に置かれたゼリーの形が崩れてしまうからだ。

しかし「イナアガーL」は、常温で固まり室温でもゼリーは崩れない。さらに、透明感がありパイナップルやキウイのような酵素を持つフルーツもしっかりと固めることができる。まさに夏のデザートメニューにはうってつけのゼリー剤だ。これならゼリーを使ったメニューを提供するシーンは増えよう。

また、使用量によって食感もコントロールできる。配合量を多くすれば、先ほどの〝はちみつレモンゼリー〟のように形がしっかりとぷるんとしたゼリーができ、配合量を少なくすれば、〝オレンジゼリー〟のようなとろりとなめらかなゼリーができる。

オレンジゼリー

このように食感の使い分けによって、デザート以外にもさまざまなメニューに応用できるのだ。

たとえば〝ベリーヌ〟はいかがだろうか。アスパラ、赤パプリカをそれぞれチキンコンソメを加えてミキサーでピューレにし、そこに沸騰した生クリームで溶かした「イナアガーL」を加え混ぜ、冷やし固める。上に生クリーム、赤パプリカのピューレを流して仕上げた。

アスパラのベリーヌ(左)と赤パプリカのベリーヌ(右)

イートインのメニューとしても使えるし、テイクアウトもできるのではないだろうか。「イナアガーL」の特性をいかすことで、こうした新たな工夫ができるのも嬉しい。

「イナアガーL」の特性は料理にも大いにいきる

ここからは「イナアガーL」の、室温でも崩れない特性を料理に試してみたい。

まずは〝プチオードブル〟だ。

プチオードブル

型にハム、キュウリのピクルス、ミニトマト、下茹でしたじゃがいもを入れ、そこに沸騰させたチキンコンソメに「イナアガーL」を溶かして塩で味を調えたものを流して冷やし固めてみた。一口タイプのアスピックゼリーである。なかなか可愛いできだ。

次に〝トルティージャ〟だ。

トルティージャ

卵、玉ねぎ、下茹でしたじゃがいも、赤パプリカ、トマトで〝トルティージャ〟をつくり、沸騰したチキンコンソメに「イナアガーL」を溶かし塩で味を調えて、焼き上げたトルティージャのフライパンに流し入れ、そのまま室温で固めた。

フライパンにゼリー液を流し込む
室温で固まる

室温で見事に固まった〝トルティージャ〟はチキン味のゼリー液がトルティージャの生地に染み込み、時間が経っても乾かず艶やかで美しい。まるでフランス料理のショーフロワのようだ。タパスとして室温で提供できる。

さて、次にホワイトソースでテリーヌをつくってみた。ホワイトソースをつくり「イナアガーL」を加え、沸騰させよく混ぜる。ここに下茹でしたニンジンとじゃがいも、そして黄パプリカ、赤パプリカ、オクラを混ぜ込み塩で味を調え、型に流して冷やし固めた。

ホワイトソースのテリーヌ

ホワイトソースに使ったバターに含まれる油脂分のせいなのか、チキンコンソメのようにシャープには固まらなかったが、もっちりとした食感に仕上がり、ホワイトソースの風味によく合う。これはこれで新しい。

最後に〝アスピックテリーヌ〟をつくってみた。

アスピックテリーヌ

ごぼう、しいたけ、赤パプリカ、オクラ、アスパラ、ズッキーニはあらかじめチキンコンソメで火を入れ冷やしておく。これを型に敷き、チキンコンソメを沸騰させ「イナアガーL」を加えて溶かし、塩で味を調えたゼリー液を流して冷やし固めた。カットして室温で置いても崩れず、テリーヌをお客様の目の前に置いて販売することもできる。

ゼラチンを使うデザートや料理の提供は温度に気をつかわなくてはならないが、「イナアガーL」がそんなストレスから解き放ってくれる。


協力/お問い合わせ:伊那食品工業株式会社

(2022年3月31日発行「素材のちから」第44号掲載記事)

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