![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56727726/rectangle_large_type_2_4c90d18daff8c27480b8bee1f44b8a4c.jpg?width=1200)
まさに、ドラマチックスパイス。
文・撮影/長尾謙一
【青山シャンウェイ監修】
ざくがけスパイス(素材のちから第41号より)
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56604965/picture_pc_d9a9a5d17a9de89637a1de1d736a366b.jpg?width=1200)
唐辛子+オニオンのスパイス感とエビの旨みのきいた〝万能スパイス〟。〝ピリ辛〟の唐辛子と〝旨み〟の唐辛子の2種類をブレンドした辛さは、一度食べるとやみつきになる。塩分を控えザクザクした食感を料理にたっぷりとトッピング。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56605896/picture_pc_24de3b27eb50056147a82fe7d1794e84.jpg?width=1200)
スペアリブが見えないほど、スパイスをたっぷりとかけたこの料理。なんだかワクワクする。この期待感は何だろう? これほどスパイスに心をゆさぶられる料理には出会ったことがない。
このピリ辛感とザクザクとした歯ごたえは、やみつきになるおいしさ。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56618567/picture_pc_cf9ea890a3b7a8b7a7018409dd1817d2.jpg?width=1200)
オーナーシェフ 佐々木 孝昌 さん
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56618616/picture_pc_a80b08bc01b7b568bedb1b5f19e502f0.jpg?width=1200)
鉄板中華 青山シャンウェイ本店
東京都渋谷区神宮前
中国・上海の街で出会った鉄板中華の技法を再現するために、18年前に青山外苑前に鉄板中華と紹興酒の店〝青山シャンウェイ〟を開店する。スペアリブにオリジナルスパイスをたっぷりとかけた〝毛沢東スペアリブ〟は、一度食べたら忘れられなくなる名物メニューとして、メディアにも取り上げられ話題の逸品に。
インパクトのあるスパイスは料理の風景をすっかり変える
この〝毛沢東スペアリブ〟は、中国・湖南地方の料理から発想したものです。
湖南地方は四川省の南に位置するため料理もその影響を強く受けてとても辛く、自家製でつくったスパイスをたっぷり使う料理が多いのです。それぞれ自家製スパイスの中身は違いますが、こうしたスパイスをざっくりとかけた料理がたくさんあります。
毛沢東が湖南地方の出身だったのでスペアリブの料理にこの名前が付けられたといいます。
スペアリブを醤油と塩、紹興酒で漬け込んでおいて素揚げします。いつもならこれに青山シャンウェイ特製のスパイスをたっぷりとまぶしますが、今回はこの「ざくがけスパイス」を使います。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56619803/picture_pc_84d94a762bcc29b8e48dab568c932d27.jpg?width=1200)
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56666288/picture_pc_e9cec4551693ce99ec87cdd15f4aa595.jpg?width=1200)
このスパイスは私どものスパイスをベースにエスビー食品さんがつくられたもので、私が監修しました。「ざくがけスパイス」は、ピリ辛と旨みの2種類の唐辛子を使い、オニオンのスパイス感とエビの旨みを加えることで全体を辛すぎない、誰もが好きなピリ辛味に仕上げています。
深みのある辛旨感と〝ザクザク〟としたリズムのある歯ごたえはやみつきになるおいしさです。塩分も控えめですからたっぷりトッピングできます。「ざくがけスパイス」を香ばしく素揚げしたスペアリブにたっぷりまぶし、スパイスも一緒にどんと皿に盛り付けます。鮮やかな色も印象的で、圧倒的な存在感があります。
こうしたインパクトのあるスパイスは、加えると料理の風景をすっかり変えてしまうところがおもしろいですよね。
スパイスは使い方を間違えると、とんでもない料理ができてしまいますが、上手に使うと脳の中にドンと強い印象を残して、忘れられない味になります。
その他にも中華メニューだけでなく、焼鳥や焼肉、うどんや蕎麦、卵かけご飯、スープ、雑炊、お粥などにも、ふりかけるだけでメニューが変わると思います。「ざくがけスパイス」を上手に使えば、一度食べると忘れられなくなるおいしい料理ができるはずです。
鉄板中華がその本領を発揮するメニュー
鉄板中華というのは何かと言いますと、中華鍋を使ってつくるさまざまな料理を鉄板でつくってみる、シンプルに言うとそういった料理ですね。
たとえば、「ざくがけスパイス」を使って〝鉄板ガーリックチャーハン〟をつくってみましょう。
チャーハンは鉄板中華を代表するメニューです。
中華鍋でつくるチャーハンはお米がパラパラしていて、一粒一粒に炒めた香ばしさがあり、それはとても完成されたものです。とてもおいしいのですが、どこを食べても全体が均一でアクセントがありません。
しかし、鉄板でつくるとご覧の通り、見た目にも強いアクセントができて、このカリカリとしたおこげと、やわらかなところを一緒に楽しむことができます。食べる場所によって、お米の焦げ具合や歯ごたえが違いますし、盛り付けも個性的です。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56666874/picture_pc_61253e5e0751652e55c2d0dc916b10d0.jpg?width=1200)
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56666891/picture_pc_2b647e05086395e709f2d3dd36826dd1.jpg?width=1200)
鉄板では肉や野菜の炒め物の他、マグロのアゴやカマなど中華ではあまり使わない食材を鉄板の上で蒸し焼きにしたりします。時間をかけて蒸しますから、身もやわらかくフワフワになります。
鉄板中華は、こうした鉄板調理ならではのよさをいかした新しい料理の技法なのです。
中華鍋でチャーハンをつくる時には、できあがったものにトッピングしてもいいですし、「ざくがけスパイス」をそのままふり入れて炒めても、もちろんおいしいと思います。しかし、鉄板中華では一手間加えて、自家製の〝食べるざくがけ油〟をつくって加えます。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56667021/picture_pc_73b73ed3157aa61cf8a9b66d0f45165a.jpg?width=1200)
使う油は、ごま油、オリーブオイル、山椒油などいろいろありますが、今回はねぎ油を使いました。
「ざくがけスパイス」に、140~150℃くらいに沸かしたねぎ油を少しずつ上からかけます。高温の油で熱することによって「ざくがけスパイス」に香ばしさが生まれ、辛みと旨みがねぎ油に溶け込むのです。
こうしてつくる〝食べるざくがけ油〟のおいしさはおこげの香ばしさを増し、ピリ辛の風味をご飯全体にのばします。チャーハンだけでなくラーメンや焼きそば、回鍋肉やエビチリにも何にでも使えますから、料理がとても広がります。
刻んだキュウリとねぎを〝食べるざくがけ油〟で和えてみました。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56667005/picture_pc_f2151fe9b0ffa24f89cae8d79eca1149.jpg?width=1200)
パスタに絡めれば中華ペペロンチーノになります。このようにスパイシーな一品が簡単にできあがるのです。
こうしてみると、「ざくがけスパイス」は見た目のインパクトもあり、さらに味わいの印象も深める斬新なスパイスです。
きっと、やみつきになりますよ。
(2021年6月30日発行「素材のちから」第41号掲載記事)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?