蘇るV6
2024年2月某日夜勤を終え駐車場から車を出すものの数百メートルで車体が前後に揺れエンジンストール。
12年落ちとは言えエンジンの状態が良いのは先月ヘッドからのオイル漏れを解消するためにエンジンを開いてる為確認済みだ。
しかし、事実車は動かない。
仕方なくロードサービスを呼び車を整備工場へと運ぶ。
結論としてエンジンブローといってエンジンがぶっ壊れていた。
原因については後述するがその車が2ヶ月半ぶりに私のもとに帰ってきた。
さらにパワーアップして、別物として帰ってきたのだ。
故障した原因についてだが私の車は3500㏄の排気量を持つV型6気筒のエンジンを搭載し、スーパーチャージャーという過給機にて武装しており、
+Mというグレードで販売されてるものになる。
さらに私はこの個体にSARDの6MTキットにより、6ATから6速MT化、足回りはHKSのMARK X用かつGRMN専用サスペンションを組み込んでいる。
ブレーキもキャリパーこそ純正だが、DIXCELのスリットローターとスポーツパッドにて制動力も高めている。
あとはLSDとバケットシートでも入れればサーキットも走行できる仕様だ。
それだけ拘りに拘ってきた個体なのだが、今回故障した原因はこのエンジンと排気系にある。
スーパーチャージャーというのは簡単にいうと排気量以上のパワーを得るもので、わかりやすく説明するので間違ってる部分もあるのを承知で語るが、要するに私の3500㏄の車両もこのスーパーチャージャーのおかげで5000㏄相当のパワーを発揮している。
しかし、その代わりに排気量、まさに排気する圧も5000㏄ぶんかかるわけで、純正の3500㏄の容量の排気系では対応できずマフラーの中の触媒と言われる排気ガスを綺麗にするフィルターのようなものが砕け詰まってしまったのだ。
そのため排気ガスを排出できずにエンジンに逆戻りしブロー、エンジンが故障したのだ。
そのため今回壊れたエンジンは修理でなく程度の良い中古品(かなり高額なもの)を搭載しているが、そもそも大量に出回ってるものでもないので同じ車種でなく同じ型式のエンジンを搭載するクラウンのエンジンを載せている。
しかし、エンジンが戻ってもまたこのまま同じ純正のマフラーを使用しているとエンジンにも悪い。
触媒が砕けなくともそもそも容量が違うのでエンジンには良い状態ではない。
簡単にいうと身体は力士で食べる量も力士なのに肛門のサイズが赤ちゃんでは大変である。
まさにそういうことなのだ。
肛門も力士サイズを用意してあげなければならない。
そこでワンオフマフラーの制作を決めた。
これはフロントパイプ、中間パイプ、リアピースの全てがオリジナルで過給機に対応したサイズとなり、純正よりもパイプの径が太くなっている。
排気の抜けが良いということはスムーズにエンジンが回転するということでこれは鋭い加速と官能的なドライブフィールに寄与する。
そして極めつけは音である。
既製品は基本的にはリアピースのみの交換となり、幾度となく社外マフラーを検討した自分はその音に好みを見つけることができなかった。
しかし、整備工場から装着し送られてきた動画で初めてサウンドを聞いたが正直ピンとこなかった。
ただ、納車の時、運転席に乗り込みエンジンをかけた瞬間自然と表情が緩んだ。
これはスポーツカーの音だ。
当初の車のキャラクターからは大きく外れたスポーツカーの音。
爆音でなく、もちろんワンオフながら排ガスレポートともある車検対応品である。
納車後高速道路でも使用したが加速フィーリングが別物で極太のトルクを受け止めるだけのタイヤがキャパオーバーしているくらいだった。
連休が終わるといよいよキンスパであるが、愛知県から横浜までは仲の良い友人とこの新しい私の愛車で向かう予定である。
闇を切り裂く閃光のように帰宅レースの一番星になりたい。