【子育て思い出話】ごめんね、ブロッコリー
娘とスーパーに買い物に行きました。
その日はたしかシチューにしようと思って、じゃがいもやにんじんをかごに入れていきました。
色どりに、ブロッコリーも入れようと思って、ブロッコリーが山積みになった売り場へ。
左右の手にひとつずつ取って、ためつすがめつ品定め。
同じ値段なら大きい方がいいなあ。でも、こっちはちょっとだけ古いかな。
年中さんだった娘は、そんなわたしを下からおとなしく見上げて待っていました。
んー、じゃあこっちにしよう!と、ひとつをかごに入れて、もうひとつを売り場に戻し、次は牛乳を買わなきゃ~と進んだとき、振り返った母は見た。
「ごめんね」
わたしが売り場に戻したブロッコリーに顔を寄せて、娘がささやいていたのです。
手に取られて、「選ばれるかな⁈」とどきどきわくわくしていたのに、選ばれなかったほうのブロッコリー。
売り場に戻されて、しょんぼりしているブロッコリー。
そんなふうに見えたのかな。
母に聞こえないように、ナイショであやまっているような小声でした。
あやまっているのが母に聞こえたら、母がわるいことをしたみたいになってしまうと思ったのでしょうか。
ほんわかした気持ちを胸に、聞こえないふりをしておきました。
ごめんね、ブロッコリー。きっと別のいい人に選んでもらえるよ。
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