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シャドーイングに魅せられて。

 やはり、聞き取れない。先日まであんなにもよく聞き取れたのに、今ではさっぱり聞き取れない。
 どうすればいいのか。

 その時のTOEICテストは散々であった。一体何から手を付けていいのか解らなくなっていたのだ。
 途方に暮れていた帰り道。本屋さんへ寄ることにした。

 こんな時は、大好きなパイナップルを、たくさん買い込んで、夕食の主食代わりに食べたい気分であった。

 その感情を抑えて、出てきたのが、本屋さんへ寄ることだった。
 色々な本を見ていると、なぜかやはり、立ち止まっていた。TOEICの参考書の前。たくさん本が並んでいるにも関わらず。立ち止まった場所。
 
 やはり、TOEICであった。数時間前まで、試験場から出た瞬間、右往左往していたにも関わらず、やはり何処かで気になっていたのだ。

 呆然と立ち尽くしている。けれど、何の情報もなしに、TOEICの参考書を購入するには無謀すぎる。それ位の判断力はかすかに残っていたようだ。
 
 自宅に帰り、PCの前に座る。「TOEIC リスニング 攻略」と検索を始める。あ! 違った。

「TOEIC 参考書 おすすめ」と打ち込む。うーん。やはり、公式問題集が一番いい感じがする。そうか、明日にでも公式問題集を買いに行こうと決意した。

 そして、再度検索する。「TOEIC リスニング 攻略」
20分間フラフラと、降り注ぐ色々な情報の中から、気になった言葉を見つけた。
 
「シャドーイング」ん? 初めて聞く言葉だ。と言うか、基本的にリスニングは慣れだと思っていた。けれど、「シャドーイング」と言う言葉を初めて知ってしまった。
 
 色々な情報を検索したが、基本的やり方は、リスニングの音源を聞いて、そのまま声にして発するらしい。続けて行くと、リスニング力が上がって行くらしい。

 聞いた内容をそのままに、まずは自宅で練習を始めてみた。
 それがどうだろう。全然、難しいのだ。
 今まで自分が、かなり適当にリスニングを聞いていたことが完全にばれてしまった。

 というか、よくこれで、リスニングを聞き取れている方だと思っていた自分。
 勘違いにも程がある。尋常ではなかった。
 この勘違を知った人間が、毎日シャドーングを続けて見たのである。
 
 家の中、車の中。CDがある所には必ずCDを持ち込み練習してみたのである。

 特に、車の中での練習は、何度か対向車の人と目が合ってしまった。おそらく、外観から見ると、少し陽気な人間が、お気に入りの曲を、ストレス発散とばかりに叫んでいるのであろうと思っているに違いないと思って欲しかった。
 それ位、着の身着のままシャドーイングの波に飲み込まれたのである。

 家の中では、聞き取れない単語を、解答集で確認した。ようやく傾向がつかめてきた。
 
 どんなに、耳を澄ましても、聞こえない語は聞こえないのである。そんな時は、解答集に記載してある文を片手に、CDと読み始めてみた。すると、どうだろう。聞こえない語の9割位は聞き取れてきた。聞き取れたら、解答集を置いて、シャドーイングを再開する。

 来る日も、来る日も練習してみた。

 そして、1カ月位が過ぎたころ、リスニングの練習問題を試して見たくなった。恐る恐る練習問題を確認する。
 
 何か、まえより、聞き取りやすくなった気がしてきた明らかに違う。なんといっていいのだろうか。耳の作りが変わったというのだろうか。そう。まるで、別の耳のようであった。
 
 英語のシャドーイング。私にとって自転車の練習と似ていると思った。最初は補助輪を使って練習する。これは、英文を見ながら練習すると同じである。そうすると、だんだん、慣れてきて、補助輪がいらなくなるのだ。
 
 だんだん練習してくると、やはり、全然聞こえてしまう。けれど、1割位は聞こえづらい部分もあった。けれど、9割聞こえるのであればこれはこれですごいと感じてしまった。
 
 何回も練習していくと、シャドーイング自体が苦にならなくなってくるのだ。

 今では、シャドーイングが英語学習の基礎になってもらえればいいと思ってきた。これ位、不思議とよく音が聞き取れる様になるのだ。最初は半信半疑で始めたリスニング対策。けれど、今では英語学習の一部になっている。

 もしも、英語学習に変化が欲しいと思う方、ぜひ一度シャドーイングを取り入れてみたらいかがでしょうか?必要な物は、TOEIC参考書とCDプレイヤー。この2点だけで、今のリスニング力をグンと上げることができるのだ。

 独学で、リスニング問題は、聞く量が足りないと端的に結論を出してしまった。しかし、色々な出会いのなかで。カタチになる練習方法があるのだ。  
 
 これから、色々な情報が流れてくると思うが、まずは自分の立ち位置を確認し、自分がやるべきことがなんなのか、分析する。
 
 そうすることで、自分に何がたりていないのか? どんな勉強方法をすれば楽しめるのか? この2つの観点を持って行くと必然と勇気を貰える気がした。

 まだまだ、容易に、外出が難しい期間であるが、家の中で出来ること。それは、自分の知識を高めるための、自分への投資はためらわないことであると思った。


 最後までお読み頂きありがとうございました。シャドーイングを初めて本当によかったです。ぜひ一度、お試しください。

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