敗北宣言ではない気がする。

「とうとう電話してしまった。決して負けたのではない」と自分に言い聞かす。けれど、それを食べると、心臓の音が大きな音を立てる。最初は何かの勘違いと思いながら気にせず食べていた。けれど、そろそろ受診した方がいい気がして、会社の昼休みに電話したのだ。

 まわりの人達が、2月下旬位からざわざわし始める。つい最近まで、私は遠い国の出来事の様に感じられた。しかし、去年位から、自分のことを知ろうと思った。けれど、こうゆう場合は何処へ受診すればいいのか見当もつかなかった。色々検索していと、「アレルギー科」と言うヒントが出て来た。

 なるほど、納得である。そして、恐る恐る会社帰りでも間に合う病院を探す。電話をして、開院日を確認する。もう後戻りできない。言い訳もできない。今日行くのだと自分を焦らせる。
　
 仕事が終わり、病院へ向け車を走らせる。受付をすませて、待合室の椅子に座る。大きな画面のテレビではニュースが流れている。
　
  頭の中ではどうゆう風に切り出すか考えている。「実は私アレルギーかもしれません」いや待て。私は専門医ではないので断定風にしてはいけない。まだわからないのだ。これからが勝負なのだ。
　
  とうとう順番が来たらしい。と、私自身のことなのにどうゆう訳か、第三者的な目線で自分自身と距離を置く。でもこれ現実なのだ。診察室に入る。先生に病状を話ながら、色々症状を聞かれる。そうこうすると、アレルギー検査の一覧表で検査項目を確認する。「なるほど！自分がなんのアレルギーを確認するか決めることができるのだ！てっきり、血液を採取後、自動的にこれとこれのアレルギーです」と言われると思っていた。

 そして、今日来た本当の理由の検査項目を確認する。「リンゴ、モモ、イチゴ、かぼちゃ……」ん？ない！やはり何度見返してもないのだ。なぜだ。なぜか「はちみつ」がない！

　せっかく、今週最大の勇気を振りしぼってここまできたのに！くやしい。くやしすぎる。
　私は、はちみつを食べると、どうゆう訳か心臓がドキドキしてしまう。最初は体調のせいにしていたが、勘違いもいいとこだった。そろそろ、命の危険もあることから、一度受診してみようと思ったのだ。
　
　検査をして、「問題ありません」の太鼓判を押してもらったら、トーストの上にはちみつをかけて、はちみつトースト食べるプランまで考えていたのだ！このプランが崩れてしまった！けれど、ない物はないとあきらめよう。　　　　　　　
　
  そして、また情報収集をして、はちみつアレルギー検査の方法を探ろうと心に決めた。と、その矢先、先生が他のアレルギーはありませんか？とご質問があった。
　
　つい、言ってしまった。「実はこの時期になると、特に目がかゆくなって大変です」と返答してしまった。「いや、まて、私は負けていない」私は花粉症ではない気がするのだ。心の葛藤も先生にお見せすることもできず、先生からのアドバイスを頂き「スギとヒノキ」の項目にチェックをいれる。

 「ん？少しまってくれ。今ヒノキにチェックを入れた気がする」もし、仮にヒノキがアレルギーだったとしたら、つい最近かった、ヒノキの机は廃却なのか？買ってまだ半年経っていない気がする。なんてもったいないことをするのだ！でも、花粉へのアレルギーであって「木」自体には罪がないと思う。だからおそらくセーフだろう。と勝手気ままな推測を考える

　先生の診察をおえると、「飲み薬と目薬を出しておきます」と仰っていただいた。その後、検査室で採血を行ってもらい、自分の結果が出るのは1週間後らしい。いつも思うのだが検査結果を聞く時は新製品のアイスクリームだと思う。それは、色々想像してしまうのだが、事実は想像を超えてしまい、結局受け入れる自分がいる。
  医療費を支払い、薬局に行って薬を貰う。前の日の夜に飲むと、次の日1日効き目が効くそうである。すごい進化である。

「ちょっとまってくれ！」なにげなく私は花粉症ですと言っている様な文章ではないだろうか？まだ、結果は来ていないではないか。最初は、「はちみつアレルギー」の検査をするために「アレルギー科」へ行ったのは間違いない。しかし！しかしである！どうゆう訳か「スギとヒノキ」の検査を受けていた。
 

 やはり、自分の心の中で「私は花粉症です。今まで見栄を張っていました」ということが態度に出てしまったという表れではないだろうか？体は無意識に訴えていたのだ。「もう、限界が近いようです。」と。

　頂いた薬を飲んで眠った。あくる日の朝食。玄米を食べて出社する。周りを見渡すと、目がかゆいなどの会話を耳にする。私はというと、全然症状が改善されていた。なんともないのである。何て素晴らしい一週間の始まりだろか！久しぶりの感覚である。
　

  こんなに完全抑制できるとは夢の様であった。あー本当に楽になった！なぜもっと早くに受診しなかったのか我ながら恥ずかしい。明後日の検査結果わかり次第、和解しようと思う。全てを受け入れて敗北宣言ではない、共存する道。この方法も悪くないと思った。

最後までお読み頂きありがとうございました。
検査結果がでましたので後日投稿いたします！