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大手IT企業を突然辞めてミュージカルに出演して、そして得たもの。

こんにちは、株式会社CHU代表の石井聡明です。

突然ですが私、ミュージカルに出演したことがあるんです。
もう10年以上前ですけど。1000人超の観客の前で4公演やりました。

たぶん普段の私のイメージとはちょっと違うので、リアルの私を知っている人が聞くとびっくりするかもしれません。

今日はその話をしようと思います。


ちなみに、たまたまではあるんですが、
・当時勤めていた外資系大手IT企業を辞めて独立
・結婚(&結婚式)
・ミュージカル出演
が同じ時期に重なりました。

会社の人からは
「あいつ、会社辞めて結婚してミュージカルダンサーになるらしいぞ。大丈夫か?」
みたいに思われていたと思います(笑)

※ ミュージカル出演のために辞めたわけでも、ミュージカルダンサーになったわけでもないです。たまたまです。


なぜミュージカルに出ようと思ったか?

なんでミュージカルに出ようと思ったかというと、感性を鍛えたかったからです。

大学生くらいまでの私は、あまり感情の抑揚のない人間でした。
「冷静」とか「クール」といえば聞こえはいいんですが、口数少なく感情表現もあまり多くないので、「つまんないやつ」「暗いやつ」「何考えてるかわかんないやつ」みたいに思われていたかもしれません。
「自分が何を感じているか」を感じるのも苦手でした。

でも、とあるキッカケがあって
「もっと感情を感じられるようになりたい」
「感性を鍛えたい」
と思うようになりました。

なぜなら、そのほうが「人として幸せだから」

※ ここらへんのエピソードもおもしろいんですけど、その話すると長くなるのでそれはまた今度書きますね。


そんなわけで25歳くらいのときに「感性を鍛えるぞ!」と決めたのでした。

そして次は
「どうしたら感性を鍛えられるだろう?」
「歌を歌う?楽器でも習う?ダンス?絵を描く?写真?演劇?それとも?」
と手段を探しはじめました。


ミュージカルのお誘い

その当時、とある心理学の連続講座にも通っていました。
そこのグループワークで一緒になった方から、ある日メールをいただいたんです。
メールの件名は「ミュージカルのお誘い」

ミュージカルを観るのは昔から好きだったので「お、観劇のお誘いだ!どんなミュージカルだろ?」と思ってメールを開くと、そこに書いてあったのは

「ミュージカルをやってみませんか?」

という内容。

・・・一瞬意味がわからなかったです。
ミュージカルって観るものであって、やるものという認識はなかったので。

メールをよく読んでみると
「ミュージカルを通じて人間力を育成するNPO団体であること」
「4ヶ月集中稽古をして100人規模のミュージカルを公演するプログラムがあること」
「そのプログラムの参加者を募集していること」
という内容でした。

「いやいや、出ないよ!!何言ってんの?」
と思って一度メールを閉じたんですが・・・

よくよく考えてみると、ミュージカルって踊りますよね?歌いますよね?演技しますよね?

「・・・え、もしかしてこれって感性を鍛えるのに最適じゃない?」

そう思った私は、(友人2人を巻き込んで)そのミュージカルプログラムに参加することにしました。


ミュージカルやってみてどうだったの?

で、「実際やってみてどうだったの?」というところですよね、気になるのは。

ミュージカルに限らずだとは思うんですけど、人を感動させる表現ってやっぱり、感情をいかに乗せるかが重要なんだと思います。
歌で、演技で、ダンスで、表情で、いろんな手段を使って感情を乗せ表現していくミュージカルは、感性初心者の私にとってはとても良いトレーニングになりました。


たとえばなんですけど、現役の俳優さんが特別講座に来てくれて、感情の出し方を教えてくれたことがありました。

そのときのテーマは「怒り」。
「デモンストレーションするので誰か手伝ってください。怒るのが苦手な人、手を挙げて」
と言われて私を含む数人が手を挙げました。

「そうめい怒るの超苦手そうww」と指をさして笑う友人のおかげで私が選ばれ、大勢の前でその俳優さんとのマンツーマンの演技がはじまりました。

演技といっても「過去に怒りを感じた出来事」を再現するかんじなんですけど、
俳優さんが私の中の怒りを上手に煽って引き出してくれて、最終的に堪えきれなくなった私の口から

「謝れよっ!!」

という強い怒りの言葉が大声で飛び出しました。

声が部屋にキーンと反響し、そのあと訪れた静寂がしばらく続いたあと

「ごめんなさい。」

とその俳優さんが一言謝って演技が終わり、会場から大きな拍手が起きました(笑)

私は、なんだかよくわからないけど、涙が出そうになっていたことをよく覚えています。


そんなかんじでいろんなプログラムを通じて少しずつ感情の出し方を覚え、公演当日を迎えました。

1000人の前で歌って踊るのはめちゃめちゃ気持ちよかったです。エクスタシーです。

公演を見に来てくれた友人(女性)は、舞台の上で歌っている私を見て
「そうめいがあんなに大きく口を開けて笑ってる!!」
って泣いてたそうです。

お母さんかw


また、ミュージカル稽古の期間中に結婚式をしたんですけど、余興でミュージカルのショートバージョンを公演したんです。
新郎の私もホワイトタキシードのまま歌って踊って。

結婚式には、しばらく会っていなかった高校時代の友人(女性)も来てくれてたんですけど、歌って踊る私をみて
「石井ちゃんがあんなに感情をあらわにしてるっ!!!」
といって号泣してました(笑)

お母さんかww(2人目)


そんなこんなで、ミュージカルを通じてだいぶ感性と感情表現が豊かになったと思います。


ミュージカルに出演して得たもの。

もう10年以上前のことなんで正直忘れかけていることもありますが、あらためてこうやって振り返ってみると、私の人生においてひとつの大きな契機だったろうなと感じます。

いまの自分には、いまの自分があたり前になってしまっているので、自分ではわからない部分もありますが、
卒業以来会っていない高校の同級生とかは、もしかしたらその変化にびっくりするのかもしれません。

「感性を鍛えたい」と願ったあの頃と比べたら、はるかに感情を感じて表現できるようになったと思います。

嬉しい感情ばかりではなく、ネガティブな感情も感じやすくなった気はしますが、「感情をちゃんと感じられるのが人間らしい」と考えると、
「人として幸せになったなぁ」と感じます。


おまけ:アニーが大好きです。

ミュージカル「アニー」が大好きです。
「トゥモロートゥモロー♪」のあれです。

学生の頃は毎年公演を見に行っていて、毎回号泣してました。


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