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テイクアウト生活 (その2)

 しばし間が空きましたが、前回のフレンチ編(https://note.com/sowiloisowiloi/n/n1218bc50ba9b)に引き続いて、その他のジャンルです。とはいっても基本的には週末のちょっとしたごちそう的な外食の代替としてのテイクアウトが主なので、フレンチ以外だとイタリアンが多いですね。イタリアン、フレンチと比べてローカル色が強く出やすく、また煮込みやシンプルなローストなどを多く使う分、フレンチよりはテイクアウトに向いた特性であるように思います。また、使った範囲では固定セットでの提供が多かったフレンチに対して、アラカルトへの対応が可能なお店が多いのも、こう生活習慣の中にテイクアウトが溶け込んで、同じお店を複数回利用する機会も増えてくるとバリエーションつけられていいですね。

 まあ、唯一問題なのはパスタで、特にロング・パスタは出来立てすぐからどんどん味/食感が落ちるし温めなおしも温度だけは戻せるけれど、という感じになってしまうので難しいのですが、これに関しては一つには温め直しに向くラザニアを頼むか、あるいは少し味は落ちやすいけれどロング・パスタよりは大分対応できるショート・パスタ系を注文するか、もしくは麺はソースとは別に生/乾燥状態で渡し、自宅でゆでてからいただく形で提供するお店を使うことで解決しています。

フィオッキ (祖師ヶ谷大蔵)

 成城学園の隣、祖師ヶ谷大蔵という交通不便ながらも高級住宅街に隣接したエリアに店を構える、北イタリアの山間部の料理に特化した個性派有名店。

https://www.fiocchi-web.com/takeout

 予約して二人分のコース仕立てになっているフィオッキセット(一万円)をいただきました。冷前菜、スープ、温前菜、パスタ(ソースと乾麺で提供して家でゆでるタイプ)、メイン、デザートの構成。わたしがいただいた時は夏だったので、コーンのスープや鮎のパスタソースなどでしたが、季節に応じて時折内容が変わるとのことなので、今は違うかな。メインは牛ほほ肉の赤ワイン煮込みという定番なので、これは時期を問わず固定かな?しっかりしたコース仕立てで地方料理的な個性を残しつつ、レストラン的に洗練された構成はやはりの実力でした。
 その他のメニューとしてはおつまみセットやお肉の塊のローストなどもあり、また、同じ建物にある姉妹店ズッペリア オステリア ピティリアーノのズッパ(スープ)などもテイクアウト用のものがあるということなので、アラカルト的な組み合わせも可能と思います。

ラ・スフォリーナ (乃木坂)

 六本木はミッドタウンの向かい辺りの路地に入った辺りにある一軒家レストラン。下北沢のダニエラ、北参道のエミリアと同じ系列で、系列他店は行ったことがあるのですが、この店自体の利用は初めてです。この3店の中では最もリストランテ寄りな感じ?
https://www.laboilnido.com/la-sfoglina
上記リンクにありますように、テイクアウトは食べログ、Tablecheck、Menuなど各アプリからも受付可能。わたしはMenuから注文しました。Menuはテイクアウトの注文も営業時間内でないと受け付けてくれないのが若干不便ではありつつ、それ以外は問題なく受付。支払いもアプリ上で完結しているので、お店では受け取るだけですが、到着後に若干の仕上げをされていたらしく、ちょいと待ち時間は発生しました。これは調理上の手順として必要だったのでしょうから、問題ではないのですが。
 メニューも上記リンクにありますが、サラダ、冷前菜、パスタ、メイン、デザートなどそれぞれ複数ある中からアラカルトで組み立てます。パスタは既に茹で上がった状態の完成品での提供。注文したのはカプレーゼ、フォアグラのテリーヌ、ラビオリのクリーム仕立て的なショートパスタ、魚のローストのスープ仕立て(これはスープと魚は別で提供、家で温めなおす際に合わせます)、ティラミス。これとは別に家にあった生野菜でサラダだけ足して二人分でちょうどいい分量。確か7500円くらいだったと思います。テイクアウトはやはり量が足りないよりは余るくらいの方がいいということなのか、コースだとうちには多めの分量設定となっていることがほとんどなので、適度な分量に調整できるアラカルトは便利ですね。

ペペロッソ (池ノ上)



 いわゆる日本式イタリアンとは一線を画したローカル感あるディープなイタリア料理を提供する店の草分けの一つとして名高いお店。長年あった三軒茶屋から池ノ上という地味なエリアに移転してまだそれほど経っていないですが、すっかり定着しているようなのは地力の高さでしょうか。テイクアウトはパスタをメインとした軽めのセットと、二人前5千円、6千円のコース。そのほか生ハムやパスタなどなどアラカルトも豊富にあります。要予約ということなので、ついでに5千円と6千円のコースの違いはなにかと問い合わせたところ、料理自体も多少異なる場合もあるけれど、基本的にはチーズの有無が違う、との返答をいただいたので5千円のコースを注文。これで本格的なイタリア郷土料理が二人分たっぷりとあるのは安いですね。
 内容はその時によって変わるようですが、わたしが頼んだ時は生ハムやハム類の盛り合わせにトリッパの煮込み、羊の煮込みを中心とした素朴ながらも力強い味わいのある郷土色強い取り合わせでした。内臓や羊など癖の強い食材をセットに取り入れたり、イタリアンながらセットにパスタを含まない辺り、こだわりと思い切りの良さがあり、またその自信にふさわしい、ワインが進む系統の堂々たる味ではありましたが、その分一般受けは捨てていてあまりディープなのはちょっと、という人には向かない気はします。わたし自身はかなり楽しめましたが、癖の強い食材をやや苦手とする妻はかなり苦戦を強いられたこともあり、我が家的にはリピートは難しい感じですが、ツボにはまる人にとってはCP最高レベルに成り得るとは思います。

トラットリア デッラ ランテルナ マジカ (目黒)

(サランラップが映り込んでいるあたり雑……)

 目黒駅ほど近くながら飲食店がほぼない住宅街に入った一軒家レストラン。トラットリアとあるように素朴ながらも骨太のメニューを提供する本格派です。
http://www.lanternamagica.jp/
 公式サイト上だとテイクアウトのメニューが表示されないようですが、テイクアウト・アプリのMenuには登録があり、前菜、パスタ、メインそれぞれ10種類以上と豊富なメニューを展開。また、パン、付け合わせ、デザートなども複数種類提供しているので、こちらのお店だけでもかなり飽きずにローテーション回せそうな充実度があります。具体的なメニューとしては前菜が生ハム/サラミの盛り合わせ、フリット各種、タコのトマト煮込み、ムール貝の黒コショウ風味、メインは本日の鮮魚のオーブン焼き及びアクアパッツア、サルシッチャ、タリアータ、仔牛のミラノ風カツレツなど、まさに王道トラットリア。素朴かつ豪快に決めるイタリアンという感じでまずは万人受けすると思います。パスタは基本的には出来上がった状態での提供。スープ仕立てのショートパスタで一品のみ未完成品で提供、家でゆでる形の品はあるのですが、それを頼んだところ完成品で提供されるというオーダーミスが発生。ただまあスープ仕立てということもあり、味わいには大きな支障がでなかったし、こういうのもトラットリアらしくてまあいいかとなりました(笑)

リナシメント (目黒)

(路面店でありつつ、看板などないのでことに夜は分かりにくいです)

http://rinascimento.tokyo/

 上のランテルナ・デッラ・マジカと同じく目黒にありつつ、駅を挟んで反対側、雅叙園の横の急な坂を下って目黒川を渡って山手通りまでは行かない、というやはり飲食店はあまりない渋いエリアにあり、なおかつ看板が出ておらず、店内もよく見えないようになっているので路面店でありつつも隠れ家感があるお店です。

 店頭で提供しているのは少量多品種で華やかな前菜類やブランド食材を用いて鮮やかなプレゼンテーションで提供するプリモやセコンドという具合でいわゆる画像映えするモダン・イタリアンですね。本来これ系はテイクアウトには向かないのですが、そうした持ち味を生かしつつも、調理後時間が経過した後温めなおして頂くテイクアウトに相応しいメニューはなにか、ということを考え抜き、また繊細な火入れなど、リストランテらしい丁寧さある料理を提供して相当にレベルが高いと思いました。
 固定メニューとしては看板料理の前菜盛り合わせ(魚介多めの通常版と肉系での盛り合わせの二種あり、どちらも税抜き4700円)、そのほかはラザニア、当日の肉及び魚のメイン各種用意されていましたが、この辺りはその日によって変わるかもしれません。うちがお願いしたのは前菜盛り合わせ、ラザニア、鴨のロースト&野菜のグリル、魚のグリルの4品で、大体13000円くらいだったはず。なお、肉料理を牛にするともうちょい上がります。実は自粛モード以来の一連のテイクアウトの中では最高値がこちらなのですが、食材の質、レストランらしい華やかさの高さを考えると値段的には全然妥当ですし、内容的にも十分満足いくものでした。

 なお、先ほどサイトを確認したら前菜盛り合わせ以外のテイクアウトメニューが見当たらないので、現状どこまでテイクアウトを持続しているかがわからないのですが、プリモ、メイン含めたラインアップをまだ提供しているようならまた頼んでみたいお店であります。

リストランテ・センソ (白金台)

(9月で閉店)

 ランテルナ・デッラ・マジカと同系列だったと思いますが、あちらが質実剛健なトラットリアなら、こちらは少量多皿で上質な素材を洗練された演出で提示するモダン・イタリアン的なリストランテという位置付けのお店ですね。とはいえ、フレンチのそれと同様に、複雑に素材を組み合わせたモダン系は持ち帰り/温めなおしには向かないせいか、テイクアウトはより古典的なトラットリア路線のメニューで提供していたのですが、こちらの路線でもとても美味しく、モダンを作る上で基礎にある古典料理の実力の高さを示していました。例えばイタリアン、フレンチ各店がテイクアウトのメインに多用する牛頬肉の赤ワイン煮込みですが、ここのは赤ワインの味を強く残した個性の強い味わいで本当に美味しかったです!

 ワインのつまみ的な多品目が豊富な冷前菜の盛り合わせから、麺は別提供としたパスタやラザニア、さらにはメインの選択肢を多くそろえたメニュー構成はテイクアウトして美味しいのは何かを考えた上で、回数重ねて利用しても飽きずにメニューが組み立てられる懐の深さで重宝していたのですが、9月末をもって閉店してしまったのは本当に残念です。

(上三つは店内利用時のコースから、下二つはテイクアウト。大幅に性格を変えていますが、どちらも美味しかったので閉店は残念)


スペイン料理

サルイアモール (代官山)

https://salyamor.com/

魚介のパエリア、ピキージョピーマンの詰め物、スパニッシュ・オムレツ。サラダは別に用意した気が。

 ミシュランのピプグルマンの常連でもある代官山のスペイン料理有名店。パエリアなどのお米料理を中心におつまみも交えたメニュー構成はレストランとしてもバルとしても使えるのは便利ですが、いつも混んでいるのと地下で音がこもりやすく、騒がしい雰囲気になりがちなのが玉に瑕?
 メインとなるパエリアは常に安定している上に温めなおしにも強いのがテイクアウト向きですね。そのほか前菜おつまみなどを幾つかたして二人で6千円くらいで十分以上な分量を頂けるのもCP高いです。なお、希望すればパエリアは鉄鍋での提供も可能だそうですが、返しに行くのが面倒なので普通に小分けされた状態でいただきました。
上記公式にはテイクアウト・メニューの記載がないので、FBにあったそれを下に張り付けておきます。変更などないかは電話でご確認を!
なお、テイクアウトのパエリアは二名分相当になっています。

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【テイクアウトメニュー】
事前にお電話でご予約頂ければ お待たせすること無く ご希望のお時間に出来立てをお渡しできます

パエリア弁当1600円(税抜)
特製ポテトサラダ 600円(税抜)

スペインオードブル盛り6500円 2〜4名様分(税抜)
イベリコ豚の生ハムとパンコントマテ 1500円(税抜)
ミックスサラダ 980円(税抜)
スペインオムレツ 1000円(税抜)
ピキージョピーマンの詰め物 1個450円(税抜)
塩鱈とじゃがいものフリット 700円(税抜)
スペイン産栗豚のハーブ焼き 1700円(税抜)

《パエリア》特別価格 
魚介のパエリア 3200円(税抜)
イカスミのパエリア 2600円(税抜)
鶏肉と魚介のパエリア 3100円(税抜)
ウサギと鶏肉のパエリア 2900円(税抜)
色々野菜のパエリア 2800円(税抜)
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*なお、サルイアモールには銀座と中目黒にも系列店があり、それぞれテイクアウトもやっているようです。お店の雰囲気としては銀座のアロセリア・ラ・パンサがレストラン寄り、中目黒のバル・ポルティージョはその名の通りバルに寄せた感じで個人的には落ち着いて食事ができるラ・パンサが一番気に入っていますね。なお、メニューの過半数は各店共通しつつも、それぞれの性格に合わせてか一部独自メニューがあります。系列店のテイクアウト・メニューがどうなっているのかまでは確認していないので、そちらの方が便利な方はご確認を。










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