やまもとくんとの対談後記〜頸髄損傷C6B2の経過〜

今回も簡単にまとめたいと思います。ポイントは現在に至るまでの経過自立生活訓練課についてです。

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やまもとくんの頸髄損傷のレベル

受傷起転:マウンテンバイクのダウンヒル(山を下る競技)中の転倒

Zancolii分類:C6B2(上腕三頭筋はピクピク動くくらい)

現在は兵庫県の兵庫県立総合リハビリテーションセンター内にある障害者自立生活訓練センターに入所中です。詳しくは下のURLからご覧ください。

現在の訓練課に至るまでの経過

■急性期病院での経過

受傷直後に救急病院へ搬送され、そこでは早々に次の病院をどうするか?と言う話があったようですね。受傷したのも地元からは離れた場所であったため病院側も尚更早めに動いたんでしょう。急性期病院ではちょうど1ヶ月間の入院だったようです。その間に次の転院先を探すことになるんですが、札幌医大の治験は終了していたようで、札幌は候補から外れました。滋賀県には脊髄損傷を専門的に受け入れている病院がなかったとのことで候補には入っておらず。次に兵庫県の今いる訓練課の隣にある兵庫県立リハビリテーション中央病院も候補に入っていたようですが、最終的には地元からのご両親の通院のしやすさから大阪の病院を選択されました。

いくつかの候補がある中で1ヶ月で退院していると言うことは、おそらく受傷後2週間程度の時点ではほぼ決まっていたんじゃないかと思います。かなりのスピード感ですね。しかしこれくらいの期間内でも情報収集と意思決定を行えるのが理想的だと思います。

この時点で受傷後1ヶ月経過!

■回復期での経過

回復期では最初の頃はほぼ寝たきりでリハビリが進まなかったようです。およそ2ヶ月ほど経過した頃から積極的なリハビリができるようになり、最後の2−3ヶ月くらいしかしっかりとリハビリができなかったようですね。

回復期ではマックスの180日間入院期間があったようです。その間にも次どうするかと言う話はもちろんあって、病院側から提案されたのは兵庫県立リハビリテーション中央病院への転院だったそうです。しかし居住地の問題から入院を断られたようです。遠方のため住宅環境調整に関われないためだそうです。

そこで次に候補に出て来たのが、同じ大阪府内にある障害者病棟を有する病院です。最終的にはそこの病院へ転院することが決まったようです。

この時点で受傷後7ヶ月経過

■障害者病棟での経過

障害者病棟での入院期間は半年間だったようです。聞いた時かなり短いなと思ったんですが、病院のセラピストから「早く次へ行った方が良い」と促されたそうです。早く訓練課へ行って自立を目指すべきだと言われたようですね。

この時点で受傷後13ヶ月経過

■訓練課での経過

現時点で訓練課に入所して1年10ヶ月。と言うことは受傷後35ヶ月(およそ3年間)ですね。

訓練課での話はあとで詳述します。

上記のように現在に至るまでに3つの医療機関を経て訓練課にたどり着いたんですね。期間は3年間。


障害者自立生活訓練センター(訓練課)って何するの?

訓練課での生活状況をポイントを絞ってまとめます。主な項目は❶プログラム、❷排便、❸入浴、❹訓練課での余暇、❺自動車運転となります。

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❶プログラム

訓練課では平日の月から金曜日、10時から16時の間で時間割のようなプログラムが組まれているようです。その時間割の中から個人個人で選択してプログラムを行っていくようです。

頸損、胸腰損者のプログラムはほとんど選択肢は内容で、いわゆる”体育”のような、ひたすら体を動かすメニューだそうです。やまもとくん曰く「ひたすら漕ぎます」と言うように、車椅子の自走練習が主な内容みたいですね。対談でも話が出て来ましたが、病院横には長い急勾配の坂道があるようで、その坂道を漕いで登れるようになったと言ってましたね。相当やり込まないと登れないと思うので、すごい頑張ったんだなと感心しました。

そして、選択したプログラムの合間に選択や入浴、排便等の日常生活を行っていくイメージのようです。

❷排便

先ほども言ったようにプログラムの合間に排便にいくので、皆さん時間がバラバラのようですね。服薬調整なども自分で行っているようです。やまもとくんは今週2回、洗腸療法を用いてシャワーキャリーで排便しているようで、2時間はかかると言ってました。

排便コントロールはなかなか付きにくく、頸損・脊損者を悩ませるんですが、コントロール不良の場合、何かを変えて試みると言うことを繰り返し行っていき、自分に合う排便パターンを見つけていくと言う作業が必要なんですね。そんな時に看護師のアドバイスはやはり重要ですね。特に訓練課に所属している看護師であれば多くの頸損・脊損者と関わって来ているため「こんな場合はこうしてみたら?」と言うアドバイスの引き出しが多いんだろうと感じました。やまもとくんも失便が非常に多かったようですが、今では4−5ヶ月は失便してないとのことで、ようやく自分に合う排便コントロールの方法を身に付いて来たんだと思います。

訓練課の前に障害者病棟では排便に関しては病院側が色々やってくれたみたいで、今となっては物足りなかったと言ってました。反対に訓練課では自分で行わなければならないため実践力はかなり付きますし、社会復帰には避けては通れない関門ですね。

シャワーキャリーについて:シャワーキャリーはトイレと入浴で用いることができる車椅子のことです。一般的な病院にあるシャワーキャリーは介助式のため自走はできないです。つまりシャワーキャリーを使っても自立できないわけです。しかし訓練課にあるシャワーキャリーは自走式のため自立できるわけです。しかし市販されていないためオーダーとなります。あとは便利な反面、広いスペースが必要なため都市部のような狭小スペースですと使えません。そのためやまもとくんも自宅はイレクターを入れると言ってたように、広い自宅でないとシャワーキャリーは使えません。広いスペースがある自宅であるなら導入を検討されると良いと思います。

❸入浴

入浴も排便と同じでシャワーキャリーで入ってるそうです。洗体台もあるそうなんですが、車椅子座面よりも低いらしく、洗体台へ下りることは可能でも、車椅子へ戻ることが難しいため洗体台は使ってないようです。

訓練課での余暇

余暇の話で面白かったのが、土曜日か日曜日(訓練課のプログラムが休みの時)に同じ入所者の方数名と三宮まで車椅子で漕いで行ったエピソードですね。訓練課は明石にあるので三宮まで28km、9時間かかったそうです。かなり挑戦的な試みですが、以前にC6B3の入所してた頸損者の方がチャレンジされたそうで、一度やってみようとのことで挑戦したそうです。

これって相当すごいことで、大変なことですよね。体力的にもそうですが、精神的にもやられそうですよね笑。ただ出発したら引き返せないので中々良いトレーニングだと思います。

このようなエピソードもあるので、明石市内へは良く出かけるようで、外出慣れができて来ていると言ってましたね。最初はどうしても人の目がすごく気になるそうですが、それも外出を繰り返す度に慣れていくようです。どんどん外出するってこともすごく重要ですね。このような経験もできるのは良いなと思いました。

❺自動車運転

やまもとくんの場合、受傷前に運転免許を取得していたので、住民票のある免許センターまで出向き面談を行うだけで免許の書き換えができたそうです。適性検査はなかったとのことです。

入所後1年程度経過してから自分の車を改造(手動装置の取り付け)して訓練課の裏にある教習レーンで運転の練習をしているみたいです。それまでにも運転の練習や移乗、車椅子の積み込み練習もしていたようですね。

まだ怖いみたいですが、退所する2ヶ月後には大丈夫だと言ってましたね。

受傷前に免許を持ってない場合:自動車教習所へ通う必要があります。おそらく指定教習所のようなところがあると思いますのでお住まいの自動車教習所や役所に問い合わせてみてください。


まとめ

障害者自立生活訓練センター(訓練課)について、なんとなく大枠はご理解いただけたかと思います。今後入所をお考えの方やご家族の方にぜひYouTubeの方も見ていただけますとご参考になるかと思います。

*訓練課へ入所するには身体障害者手帳が必要です

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