【7分で解説:排尿機構】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 AM-問題67 #せきそん国試
今回は第47回PT国家試験の午前:問題67を解説します。
まずは排尿反射と排尿に関わる3つの神経の復習をしましょう。
排尿反射
まず大事なのが排尿反射中枢の場所です。排尿反射中枢は第2-4仙髄(S2-4)にあります。これは必ず覚えておきましょう。国家試験の排尿に関する問題では頻発する知識となります。
次に排尿反射の流れをおさらいします。
まず①膀胱に尿が溜まると膀胱壁が伸展します。その刺激は②骨盤内臓神経(内臓求心性線維)によって仙髄排尿反射中枢へと伝えられます。③仙髄排尿反射中枢から骨盤内臓神経(副交感性線維)を介して④膀胱の排尿筋が収縮します。これらと同時に陰部神経を介して外尿道括約筋が弛緩し、排尿ができるわけです。
先ほども出てきましたが、排尿・蓄尿に関わる3つの神経を覚えておきましょう👇
骨盤内臓神経(内臓求心性線維と副交感性線維):排尿筋から仙髄後角=内臓求心性線維、仙髄の中間質外側部から排尿筋=副交感性線維
下腹神経(交感神経):下部胸髄および上部腰髄から発する下腹神経は、中間質外側部から発する骨盤内臓神経副交感性線維の骨盤神経節に対して抑制性に作用する(蓄尿機構)。
陰部神経:仙髄のOnuf核から出る陰部神経の運動性線維を介して、外尿道括約筋(横紋筋・随意筋)が弛緩する(排尿機構)。
それでは選択肢を見ていきましょう👇
1.外尿道括約筋は陰部神経支配である
その通りです。👆真上で解説。外尿道括約筋は横紋筋(随意筋)であり平滑筋ではありません。ですので陰部神経は運動神経(運動性線維)です。これも良く問題で出されます。
2.内尿道括約筋は交感神経支配である
排尿は副交感神経による排尿筋の収縮と交感神経による内尿道括約筋の弛緩の協調作用であると考えられていた。しかし、内尿道括約筋の存在は否定されています。(中野隆:機能解剖で斬る 神経系疾患 p.229)
3.脊髄排尿反射中枢は第2〜4仙髄にある
S2-4に排尿反射中枢があります
4.副交感神経を刺激すると膀胱は弛緩する
副交感神経は排尿に作用するので、膀胱が弛緩すると蓄尿に関わることになります。これが間違いとなります。
5.膀胱体部からの求心性神経は骨盤神経である
膀胱壁の伸展刺激は骨盤内臓神経(求心性神経)によって仙髄排尿反射中枢へと伝えられます。
答えは 4.副交感神経を刺激すると膀胱は弛緩する となります
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