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相続の不安を和らげる誰でもできる10のステップ その8:相続税を計算しておく

皆さん、こんにちは。島根県松江市で相続コンサルタントをしております山根博幸です。

相続に関する不安や疑問を少しでも解消していただくために、今回「相続の不安を和らげる誰でもできる10のステップ」というシリーズをお届けします。全10回にわたり、相続準備の重要性や具体的な対策について、わかりやすくご紹介していきます。

相続の準備は、家族の絆を深め、将来の安心を確保するための大切なステップです。各回では、実際の事例を交えながら、実践的なアドバイスや役立つ情報をお伝えしていきます。

それでは、第1回目から始まるこのシリーズをお楽しみいただき、皆さんの相続準備に少しでもお役立ていただければ幸いです。

相続の準備は、家族の絆を深めるための大切なステップです。その一環として、相続税を計算しておくことの重要性について考えてみましょう。ここでは、相続財産が会社の株、不動産、賃貸アパート、現金で構成されている場合を具体的な事例を交えてご紹介します。

相続税を計算しない場合のデメリット

ある日、田中さん(仮名)は父親の急逝に直面しました。父親の財産は会社の株、不動産、賃貸アパート、現金など多岐にわたっていましたが、相続税の計算や準備は一切していませんでした。この事実により、田中さん一家は次のような問題に直面しました。

  1. 予想外の税負担:相続税の額が予想以上に高く、家族はその支払いに苦労しました。特に現金資産が不足していたため、他の資産を売却する必要がありました。

  2. 手続きの煩雑さ:会社の株や不動産、賃貸アパートの評価額を算出し、相続税を計算するのは非常に複雑で、多大な時間と労力がかかりました。

  3. 家族間の意見の食い違い:相続税の支払い方法や財産の処分について、家族間で意見が対立しました。例えば、長男は会社の株を売却して税金を支払うことを提案しましたが、次男は不動産を売却することを主張しました。

相続税を事前に計算しておく場合のメリット

一方で、佐藤さん(仮名)のケースでは、両親が生前に相続税の計算を行い、その対策を講じていました。この事前準備がどのようなメリットをもたらしたか見てみましょう。

  1. 財務的安心:相続税の額が事前にわかっていたため、家族はその支払いに備えることができました。現金を準備したり、納税資金を確保したりすることで、急な負担を避けられました。

  2. 手続きの簡便化:事前に相続税の計算がされていたため、申告手続きがスムーズに進みました。必要な書類も事前に準備されており、手続きにかかる時間と労力を大幅に削減できました。

  3. 家族の協力強化:相続税の対策について家族で話し合い、全員が理解していたため、意見の食い違いが少なく、協力して手続きを進めることができました。

相続税を事前に計算する手順

相続税を事前に計算する際の手順を簡単にご紹介します。

  1. 財産の把握:所有する全ての財産をリスト化し、その評価額を把握します。特に、会社の株、不動産、賃貸アパートの評価額を専門家に依頼して正確に算出します。

  2. 相続税の基礎控除額を確認:基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を確認し、実際に課税対象となる額を計算します。

  3. 相続税率の適用:課税対象額に応じて相続税率を適用し、概算の相続税額を計算します。

  4. 対策の検討:相続税を軽減するための対策(生前贈与や保険の活用など)を検討します。

  5. 専門家への相談:税理士などの専門家に相談し、最適な相続税対策を講じます。

まとめ

相続の準備は、家族の絆を深める重要な機会です。特に、相続税を事前に計算しておくことで、手続きが簡便化され、家族間の協力を強化することができます。また、急な税負担を避け、財務的な安心を確保することもできます。生前にしっかりと準備を進め、家族で話し合いを行うことで、相続に対する不安を軽減し、安心してその時を迎えることができるでしょう。

相続準備に関して不安や疑問がある方は、ぜひ相続コンサルタントや税理士などの専門家に相談してみてください。プロのアドバイスを受けることで、より安心して家族の未来に備えることができます。家族の絆を大切にしながら、安心して未来に備えましょう。

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