アンパンマン漬けの日々〜アンパンマンを勝手に語る
2歳児といえば、アンパンマン。うちの坊も例に漏れず、アンパンマン。アンパンマンが好きというより、マンチータ(ばいきんまん)とそのメカのだだんだんが大好きである。
子供を産む前は、絶対にそんなキャラクターものは家に置かない。それが当然だと思っていた。
しかし、年明けにU-Nextに入会してしまったことから、アンパンマンが見放題でそこから毎日見ることが日課になってしまった。そしてこの外出自粛の関係で子育てサロンがお休み・・・どこにもいくところがなく、結局、朝から晩までアンパンマンを見ている。
「テレビは長い時間見ちゃダメよ!」あるいは「見せちゃダメよ!」という罪悪感が自分の中に幾度も生まれるが、もう毎日毎日二人っきりの朝から晩まではとても煮詰まり、もはや映像がないと間が持たなくなってるし、見れなかったら泣き喚くのでもう観念した。見ても死ぬわけじゃなし、そのうち飽きるだろうさ・・・
ところで、毎日アンパンマンを観ていて気づいたのは、その世界観の完成度がかなり高いということだった。これまで幼児向け三大キャラクターの他の某トラのキャラ、某犬のキャラの番組など数々の映像を観てきたが、幼児向けのもので、アンパンマンほど世界観が完成されたものはないなと思う。番組というよりもアニメなので単純に比較はできないが、ストーリーももちろんのこと、そこに出てくる主要キャラクターの性格と役割と風貌=名前、それらのバランスがものすごくよくできており、感心する。
あるとき、ふとアンパンマンのマーチの歌詞が聴こえてきて涙が止まらなくなった。歌詞はアンパンマンの生みの親やなせたかし氏。
そうだ 嬉しいんだ 生きる歓び
たとえ胸の傷が痛んでも
何のために生まれて 何をして生きるのか
わからないままなんて そんなのはいやだ
今を生きることで 熱い心燃える
だから君は行くんだ ほほえんで
(中略)
何が君の幸せ 何をして喜ぶ?
わからないまま終わる そんなのはいやだ
忘れないで夢を こぼさないで涙
だから君は飛ぶんだ どこまでも
そうだ恐れないで みんなのために
愛と勇気だけが友達さ
(以下略)
・・・すごい歌詞だと思う。この意味が入ってきたとき、衝撃さえ覚えた。これほど端的に大切なことを言い得るものだろうか。
ネット上での無責任な情報なのでどこまで真実かわからないけれど、作者は戦争に行き国のために戦ったが、負けたとき、それまで信じていた正義というものがあっさりと覆された経験から、本当に大切なものは愛と勇気だということに気づいた、とどこかで読んだ。あるいは弟さんが特攻隊だっという噂を友人から聞いた。だから最初は大人向けの漫画であったと。
アンパンマンの性格や言動を見ていると、いわゆる「正義」というのとは違うのだ。いつも彼は言う、
「誰かが悲しんでいたり、困っていたりしたら、何か自分にできることをしてあげたい、ただそれだけだよ」と。それがアンパンマンの優しさ。
彼は決して正義の味方でも、プロトタイプ的な英雄でもない。
正しいことをすることが英雄だと思われがちだが、そうではなくて、そこはやはり「愛と勇気」がいつも基本になっている。
ところでマンチータ(ばいきんまん)も普通の悪役とは違う。時々、アンパンマンを助けたり、ドキンちゃん(大人には二人の関係がイマイチわからない)のことを彼なりに大切にしていて、なかなか味のあるキャラクターだ。アンパンマンを倒すのが生きがい、裏側の存在。もっとシリアスに突き詰めるとバットマンとジョーカーの関係性。まさにアンパンマンの存在意義を高める準主人公。
そして、うちの坊が大好きなだだんだんは、アンパンマンが作った大きなメカ(ロボット)であり、いわばジャムおじさんが作ったアンパンマン号に対するものとして登場する。
そのだだんだんがジャイアント・だだんだんとなりメインキャラクターとなって活躍する「だだんだんとふたごの星」と言う劇場版がありこれが坊の一番お気に入り・・・なのだけど、それを見ているとまたしても涙が止まらなくなるのだ。その哀しげな音楽のせいなのか、ストーリーのせいなのか、感動的な最期なのか・・何がそんなに心を打つのかわからないが、普段悪役でしかないだだんだんが星の妖精によって心をもち、最後は自らが破壊しながらも、全てを滅ぼす星デビルスターと戦ってみんなを守る、と言う異例のストーリー。
星の妖精のきららときらりは、サンリオのキキララへのオマージュかしら。
ばいきんまんもいつだって彼なりの「正義」に突き動かされているのであって、アンパンマンが倒すのはばいきんまんそのものではなく、ばいきんまんの「間違った正義=愛を元としない行為」なのだろう。そこには憎しみはなく、とても淡々とした爽やかささえ感じる。
子供は何を感じながら見るのかな。
他のアニメより一層見たがるのは何か感じるものがあるのかな。
なんだかオチはなかったけど、他にも色々思うところはあるが今日はこの辺にしておこう・・・
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