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スノーシューで歩くのは、楽しい

先週末は、特に予定がなかった。
土曜日の午前中に、友人から「明日、どっか遠出しない?」と電話があった。「どこに行くか、今日の午後、相談しようよ!」

実は彼女は、最初から雪山に行ってスノーシューで歩きたいと思っていたようだ。私も、スノーシュー(フランス語では、Raquettes à neige)で歩いてみたいと、以前から思っていたので、すぐにOKした。

スノーシューは、日本語では、かんじきとも言うらしい。雪が多い地方では、除雪作業の時にも使うようだ。

今回は、車ではなく、電車で行くことにした。到着駅からスキー場までは、バスが出ている。往復の電車代、往復バス代、スキー場に入る入場料も全て込みで27ユーロくらい。日本円で、約3510円。お得な料金。

スノーシューという器具は、友人が二つ持っていて貸してくれることになった。しかしその器具用に履く、防水加工の靴がない。急遽、買いに行った。靴は、本当は高さのある靴がいいらしいが、ちょうどいいのがなかったので、結局、普通の山歩き用の靴で、防水加工してあるものを買った。

フランス人の友人は、自分はサンドイッチやお菓子を持って行くから、私には、おむすびを作ってきて欲しいということだった。フランス人は、何故かおむすびに憧れている人が多い。日本人の私達からすると、非常にシンプルなものなのに。

翌朝、6時に私の車で彼女の家に迎えに行って、駅に行った。「駅で買えますから。」と前日、観光局から聞いていたお得なチケットは、駅で買えなかった。駅の係員に、「窓口で聞いたらわかると思うけど、8時にならないと開かないよ。」と言われて、急遽、携帯でチケットを買って、電車に乗り込んだ。私たちの電車は、6時47分発だった。

その電車は、出発予定時間から1時間後に出発。途中、何度がトラブルがあって、目的地に着いたのは、到着予定時間の2時間後だった。電車の中の
アナウンスで、「心配しないで下さい。駅にはスキー場と往復するバスが皆さんを待ってくれています。」ということだった。

予定通り、駅にはバスがいたが、ドライバーは「電車の到着が遅れるとは、聞いてないよ。僕は、来ることになっていた時間に来ただけだから。」と言うことで、たまたま1日2回出るバスの出発時間前に、私たちの2時間遅れの電車が都合よく到着しただけだった。

バスの出発まで15分ほどあったので、そこでおむすびを食べることにした。友人は、私がふりかけを混ぜて作った、シンプルなおむすびを嬉しそうに食べていた。

紆余曲折ありながらも、バスに乗って雪山に向かって行った。スキー場に到着したのは、もう12時前だった。しかし私たちは、青空に映える雪山を見て、すっかり機嫌が良くなって、早速歩き始めることにした。

スノーシューに靴をはめ込むのは簡単だった。トレッキングポールと呼ばれる杖のようなものを右左の手に一本ずつ持って、早速歩き始めた。快晴で空には雲ひとつなかった。前日友人に、「寒いから、一番暖かい服装で来てね。」と言われて着てきた服では暑過ぎた。上り坂を歩くとさらに暑く感じる。

雪山を歩くのは、楽しかった。まわりの景色もきれいで、時々すれ違う人たちも、みんな楽しそうだった。山歩きの時には、誰もマスクをしていないし、まるでコロナ禍の前のような雰囲気だった。こんな楽しいところがあるんだ!

世の中、こんなものかもしれない。ほんのちょっとの工夫で、楽しくなれるものかもしれない。思いついてないだけ。

楽しい雪山歩きの後、帰りの電車では、電車の中でチケットコントロールの係員に、「このチケットでは、この電車には乗ってはいけないのです。次の電車に乗って下さい。チケットを新しく買ってこのままこの電車に乗るか、次の駅で降りて下さい。」と言われた。

納得がいかずに、降りた駅の窓口で、事情を説明したら、「えっ、そのチケットでは、どの電車に乗ってもいいんですよ。」と言われた。その駅で次の電車を1時間待っている時に、次回来るときは、絶対、車で来ようと思った。「支離滅裂」という言葉が頭に浮かんだ。





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