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マネジャーとか管理職といわずに“担任の先生”になりたいと思う

人手というか「マネジャー・管理職」の人材不足

 最近、色々な人と話をしているとスタートアップだろうが大企業だろうが、だいたい「人が足りていない」と仰ることが多いと感じます。多分、皆さんもそう感じたことはあるのではないでしょうか
 中でも、特に「マネジャーとなる人材」がいないというのが大きな課題になっているのではないかなと思います

●今回のテーマ:「そんなマネジャーがなぜ不足していて、そもそもマネジャーの役割・仕事ってどんなことだろう」
●読んで欲しい人:マネジャーになるけど悩んでる/マネジメントに興味がある


 誰もが「明日からマネジャーやれ」と言われたら戸惑うと思います。まさに自分もその一人ではあるのですが、そんな時の頭の整理に役立てば幸いだなぁと考えております。※あ、ここでいうのは「名ばかり」「出世の証」としての「肩書き」ではなく「役割」としてのマネジャーについてになります


そもそも「マネジャー・管理職」ってなんなんでしょう

 まず日ごろ簡単に「マネジャー」といってしまっていますが、皆さんにとって「マネジャー」とはどんな役割でしょうか?

「管理職」とは、「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある労働者の合計(「課長級」とは、以下のいずれかに該当する者)
・事業所で通常「課長」と呼ばれている者であって、2係以上の組織からなり、若しくは、その構成員が10人以上 ( 課長含む ) の長
・同一事業所において、課長の他に、呼称、構成員に関係なく、その職務の内容及び責任の程度が「課長級」に相当する者(ただし、一番下の職階ではないこと)※厚生労働省資料より

 日本では、企業でいう「マネジャー」といえば「管理職」にあたるのではないかと思います。厚労省による定義をざっくりいえば「10人の部下がいる課長」みたいな人のことをいうようですね
 では、そんな日本のマネジャー・管理職の皆さんについてですが、どんな悩みをお持ちなのでしょうか


マネジャー・管理職の悩み「目標・指示・成果」

 いま私も企業の従業員として働いていますが、普段管理職の先輩方に「何か悩みありますか?」なんてことは中々聞けないですよね(笑)
 ということで、ここで厚労省による調査の中から当該の部分にあたる質問を見つけました(※画像など引用元:「平成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-」https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/18/18-1.html

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 これはなるほど、興味深いデータですね。
 グラフでいう右側が「管理職としての悩み」とありますが「部下の成長」「人事評価」「業務量」についての悩みがやはり多くあげられていますが、ここ数年では「目標設定高い」「部下への指示」「成果出せない」という項目が増えています
 いや~これは「わかりみが深い」ですね~実に「わかりみが深い」、多くの人にとっても「共感」出来るデータなのではないかと思います


マネジャー・管理職の「仕事の本質」ってなんなんだ

 マネジャー・管理職とはなにか、そしてその悩みについてあげてきましたが、ではここでマネジャー・管理職が本来行うべき「仕事・職務」について考えたいと思います
 と、ここでも私が読んでて非常に「んごご」となった記事をシェアさせて頂きます

 非常に読みやすい記事ですので是非読んで頂きたいのですが、序盤に「マネジャー・管理職の仕事の本質」が書かれていますので引用します


老教授:マネジメントとは「管理」ではありません。「管理」とはコントロールのことです
マネジャー:マネジメントをする上で、「管理」「コントロール」は不要だということですか?
老教授:そうではありません。ドラッカーの書籍『マネジメント』にも、「管理」という章があります。その「管理」に対応している原著の言葉は「Control」です。つまり、マネジメントには「管理」「コントロール」が必要です。例えば、安全に関する事や、自社の顧客サービスに不可欠なことなど、「これは必ず守る」という点についてはルールを明確にし、実行されるよう「管理」することが必要です。しかし、あくまでそれはマネジメントの一部です。マネジメント本来の仕事の中で管理が占める割合は3割ほどでしょう
マネジャー:では、7割にあたる、マネジメントの本質とは何なのですか?
老教授:人間と組織の力を生かした、創造・創発活動です。人間の内部に眠る「創造性」「創発性」を引き出し、組織の目標に向けて束ねていくのがマネジメントの本質です。

 悩むマネジャーに対し老教授はマネジメントの仕事の本質について「管理は3割、残り7割は“組織を束ねる”こと」であり「人に何かを生み出せること」と説いています。
 いかがでしょうか?読んでて「んごご!んご!」となりませんでした?
 どうしても「管理職」という名称から「マネジメント=管理」というイメージが強くあると思います。私もその一人です
 勿論その「管理」も仕事の一部ではあり「仕組みづくり」なども重要な要素であると思います。ただこの記事にあるように結局「機械相手」ではなく上司も「人間」ですし、向き合う部下も「人間」であるということです


モチベーションをどのように引き上げる事ができるか

 では「生み出す」ということをサポートすることがマネジャー・管理職の仕事の本質とした場合、どのように実行するでしょうか?
 たくさんの打つ手があると思いますが、個人的にはまず「モチベーションをいかにして上げるのか」ということが重要ではないかと思います
 一番わかりやすいことでいえば「褒める」ことですかね。ただ、売上等のわかりやすい数値の達成時であれば簡単ですが、数値では測れない時にも必要になります。また、その人に合わせたきめ細かな「言葉」も必要になることでしょう
 私のような、ひねくれ野郎でも褒められると嬉しくたまりません。でも「褒められすぎたら、嫌だな」とか「この人に褒めてほしい」とか「人前ではやめてくれ…」といった注文が沢山あったりするもんです(笑)
 「あまのじゃく」は例にしにくいですが、人はそれぞれ「ツボ」のようなものがあるのは間違いないと思います
 ※なお、このモチベーションについても前出の厚労省の調査内に項目がありましたのでシェア致します

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担任の先生って“モチベーションコントロール”すごいんじゃないか説

 ただ「モチベーション上げようぜ」と簡単にいっても難しいですよね。そんな時にふと思い出したのが学校の先生です
 30代の私の中学・高校時代といえば「ぶん殴られるのは当たり前」というわけではありませんが、掃除をサボっていれば殴られましたし、学校行事で男子と女子とでクラスが分裂した時には死ぬほど説教されたりと、まぁ怖い先生は必ずいましたよね
 怒られたりした時は「なんでだよ、クッソ!」とか思ったりしてますが、別の場面でうまいこと褒めたりしてくるんですよね。あと通知表とかのコメント欄をみると「あ~これ見ててくれてたんだ」とか…恥ずかしい限りですが、結果的に先生のモチベーションコントロールにより、部活や受験に対する構えができたんじゃないかと思います。故にいまだに年賀状が続いている先生もいます
 実はそんな担任や先生たちって、我々マネジメントに迷える子羊たちが目指すべきマネジャー・管理職に近いんじゃないのかと思うのです


生徒の一人一人を理解しクラスをまとめ上げる“担任の先生”ってすごいなぁ…

 先日、とある人と、ある悩みについてああでもないこうでもないと話しました。どんな内容かといえば、その人は30代後半で、とあるプロジェクトに関わっているけど自身はリーダーではないという認識。ただプロジェクト内のメンバー同士のコミュニケーションを整理したり情報を管理するなど私からすれば立派な「プロジェクトマネジャー」でした。しかしこう漏らしていました

 「いつまでに〇〇やってね、とか△△は終わった?って担任の先生みたいなことやってるよ~」

 私はそれを聞いて、あ、この人は完全にマネジャー・管理職の仕事・役割を果たしていると思いました。
 メンバーのタスクや期日の管理のフォロー、サポートするのってとっても大変だと思います。中には自分でやったほうが早いと思う人もいると思います(自分もそうでした)
 学生時代を思い返してください。クラス3~40人いて「宿題をいつまでにやってきてね」とか先生が管理してましたよね?いうこときく子ときかない子、アナウンスの仕方も、それぞれのキャラクターを熟知しないといけません。それに一人がその期日を守らなければクラス全体に影響が及びます
 担任の先生…非常に細かい作業があったんだろうなと思います(先生ありがとう…)
 で…この役割ですね、一人一人のモチベーションを保ちながらきちんと「クラス全体の秩序」を守り管理する役割って、まさにマネジャー・管理職の仕事なんじゃないでしょうか?


マネジャー・管理職を目指すというより“担任の先生”を目指すのはいかが?

 以上の通り、私はマネジャー・管理職になることで悩んだり、意気込む人には「担任の先生を目指すのはどうか」と提案したいと思っています

 担任の先生(マネジャー)は、きっと生徒(メンバー)がみえないところで文化祭や体育祭(目標)に向けて細かい管理をしたり、モチベーションコントロールをして、クラス(プロジェクト)をまとめ上げているのでは?

 今回はあえて触れていませんが、勿論リーダーシップも大きくかかわることですし、これは天性のものであることもあると思います
 さらにいってしまえば、そもそも私は人事の経験もありませんのでHRを本業とされているプロの方からすれば、なんだこの適当なnoteはと思うこともあるかもしれません
 それにマネジャー・管理職になるうえでの研修もあるでしょうし、組織マネジメントに関するビジネス本も多く出版されています

 ですがここで頭でっかちになってしまうのは元も子もないと思うのです。組織は「人と人」で成り立っていて、その集合体が「会社」となっています。なのであれば「他社の成功事例」がすべて自社にあてはまるワケではないですし、他社事例を無視するのはもったいない…う~ん、こうした様々な事情の上で「現実」にどう向き合うのか…悩ましいですね

 そんなときに大いに悩んだとき「あ、担任の先生ってこんなことしてたな」とか思ったりして少しでも気分が晴れたらいいなと(個人的にそれを欲しており!)このnoteを書いてみました
 是非みなさんと様々な議論をさせていただきたいテーマですので、ぜひご意見など頂ければ幸いです

Twitterもやっておりますのでお気軽にDM、フォローくださいませ。

あ、今回もホワイトボード使ってない…でも
ホワイトボーダーズ#17 完

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