見出し画像

台風6号が接近する沖縄からお届け!台風についての豆知識をご紹介。


こんにちは!沖縄南部観光局です。台風6号が接近している沖縄南部からお届けします。

画像1

予報では沖縄南部も暴風域に入りそうです。今年初めての台風上陸となりそうです。そこで今回は台風についての豆知識をご紹介します。

改めて「台風」とは何か

お部屋でもエアコンは上に、ストーブは床に置かれますよね。これは冷たい空気が下降する一方で、温かい空気が上昇する性質を利用したものです。

画像2

wikipediaより

すでに寒気がある場所に温かい空気が入ってくると「温暖前線」となり、広い範囲で弱く長い雨が降ります。一方で、暖気がある場所に冷たい空気が入ってくると「寒冷前線」となります。

上昇しようとする暖気と下降しようとする寒気の入れ替えにより、大気が不安定となり、短時間に強い雨が降ります。

普段の天気予報に出てくる「低気圧」は「温帯低気圧」を指し、温暖前線・寒冷前線を伴います。温帯低気圧は暖気と寒気の温度差により発達していきます。

画像3

台風とは、前線が伴わない、中心付近の最大風速が17.2m/s以上の低気圧のことです。

海水温が27度以上の海上で発生し、前線を伴うことがない低気圧を「熱帯低気圧」といいます。熱帯低気圧のエネルギー源は、海面から蒸発した水蒸気が雨に変わる際に発生する熱。エネルギーを蓄えて成長し、中心付近の最大風速が17.2m/s以上になった熱帯的低気圧を「台風」と呼び、海水温が高いほど強い台風になると言われています。

最大風速が17.2m/s未満になると、再び熱帯低気圧と呼ばれるようになります。

ちなみに低気圧の風向きは、地球の自転の影響を受け、北半球では反時計回り、南半球では時計回りとなります。

画像4

台風の強さは一般的に「中心気圧のhPa(ヘクトパスカル)」で判断されます。

そもそも「低気圧」と「高気圧」について。日本周辺の平均気圧は約1013hPaですが、○hPa以下なら低気圧、丸hPa以上なら高気圧という決まりはありません。周囲よりも相対的に数字が低ければ低気圧、高ければ高気圧と判断されます。

今回の台風6号の中心気圧は980hPa(7月20日15時)です。

沖縄=台風が強い?

冬から春にかけて、関東に雪を降らせる「南岸低気圧」があります。

画像5

出典:https://www.nhk.or.jp/sonae/column/20180511.html 

南岸低気圧は温帯低気圧のひとつ。24時間で中心気圧が24hPa以上低下すると、「爆弾低気圧」と呼ばれるようになります。

例えば、2018年3月1日から2日にかけて、発生した南岸低気圧は963hPaにまで発達。全国的に強風や竜巻も発生しましたが、台風とは呼びません。

沖縄は台風が強い」というイメージが持たれていますが、実は関東などに被害をもたらす温帯低気圧の方が、勢力が強い場合もあるのです。

画像6

出典:https://weathernews.jp/s/topics/202008/290185/

ただ、2020年の台風9号は、中心気圧925hPa、最大風速50m/s、最大瞬間風速70m/sの非常に強い勢力で沖縄地方に接近しました。やっぱり沖縄の台風は強い!

風速50mは走行中のトラックが横転する危険があるとされています。

この台風が勢力を維持したまま沖縄に上陸していたら、日本での統計開始以来、上陸時(直前)の中心気圧が最も低い台風となっていました。

画像7

出典:https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/ranking/air_pressure.html

ただ、このランキングを見ても、沖縄県は入っていません。

こちらは気象庁のホームページを引用したものですが、他にも気象庁のホームページでは、地方ごとの台風の接近数も公表されています。これを見ると、やはり他の地域に比べ、沖縄の台風接近数は多いことが分かります。

画像8

出典:https://ryukyushimpo.jp/mainichi/entry-1183324.html

ちなみに沖縄では、スーパー「ユニオン」が営業しているかどうかで、台風の強さが判断出来るという、ローカルルールがあります。2020年の台風9号の時には、ユニオンも全店舗閉店したことが話題となりました。

台風がもたらす恩恵とは

台風の強い暴風雨により、私たちは様々な「悪い」影響を受けますが、台風が発生するのも自然の摂理。適度な強さの台風は、自然に対して「良い」影響を与える場合があります。

画像9

台風といえば強い風。強風で木々が倒れたり、収穫時期を迎えた農作物が落下してしまったり、様々な被害が起こります。

一方で自然の森では木々が折れることで、それまで影となっていた場所に太陽の光が入るようになると、植生が豊かになります。また、大雨は水不足を解消するだけでなく、川底の汚れを取り除くことが出来るので、綺麗な川が維持されます。

画像10

出典:https://www.asahi.com/articles/ASN826DBVN82UEHF00B.html

そして、沖縄をはじめとするサンゴの海には、夏に眩しい太陽が照り付けます。これにより海水温が上がると、サンゴが白化し死滅してしまいます。

そこに台風が来ると海は大しけとなり、海水が大規模にかき混ぜられます。これにより海面付近の温かい水と、海底の冷たい水が混ざり合い、適切な海水温へと戻ります。

サンゴ礁は様々な生き物が暮らす生物多様性の宝庫。サンゴを守ることで、そこにある生態系を守ることも出来ます。

また、沖縄をはじめとする島しょ周辺のサンゴ礁、は人々が暮らす街を高潮から守る、天然の防波堤の役割も果たしています。

画像11

(本日7月20日 台風が接近する正午の沖縄南部)

一方で、強すぎる台風はサンゴを根こそぎ折ってしまいます。先述した通り、海水温が高いほど台風は強くなると言われています。

海水温の上昇について考えることも、私たちが生活を送る上で、今後より重要になってきます。

台風の日の沖縄旅行の楽しみ方

沖縄旅行に来て台風…そんなこともあると思います。そんな時でも、沖縄らしさを楽しめるのが「インドアの体験」です。この機会にぜひ、沖縄文化に触れてみてはいかが。

また、ホテルでも様々な体験を楽しむ事が出来ます。こちらもおすすめです!

今回も最後までご覧いただきありがとうございました!

【参考記事】
https://zutool.jp/column/glossary/extratropical-cyclone_tropical-cyclone
気象病に関する気象用語

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?