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社会制度を学べる仕組みと必要性

少し前の記事ですが、
読売新聞
「つらい役を任せてごめんね」…困窮の果て、生活保護を知らない長男は母の最後の願いに応えた
2021/10/25 14:29 
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211024-OYT1T50170/

生活困窮の末、嘱託殺人に発展してしまった話ですが、注目すべきは「生活保護」を知らなかったこと。
名前すら知らなかったのか、名前だけで内容が分からなかったのか、その辺りは分かりません。しかし、大事な問題は、「生活保護という制度を分からないまま、活用できなかったということ」です。

これは生活保護に限らず、失業給付や健康保険といった各種社会保障制度だけでなく、確定申告や年末調整などの納税という国民の義務まで、国と関連する全ての「手続き」に言えることです。
そして、「これらの制度や法律をしっかりと学ばないまま、大多数の国民がそのまま大人になり社会で生きている」状態というのが最大の原因ではないかと考えます。

私自身も社会に出て、年末調整が未だにいまいち分かってませんし、健康保険や年金のことも詳しく分かってません。もちろん、専用のセミナーや本を使ったり、役所に聞きに行ったりして、「自分で勉強すればある程度わかる」ことではありますが、多くの現代人にそのような時間や費用が捻出できるわけではありません。

こういった「暮らしにかかわる制度や法律」は、国民1人1人の手間や時間をかけさせずに理解できる環境を整備するのが理想だと考えます。

まず、教育課程で学べる機会を確保するべきです。高校では公共の授業が始まるのですから、是非社会制度についてもそこで教えるべきです。各種給付の内容や受け方の条件、確定申告等「申告の仕方」など、社会に出る前に知れる状況を国が作ってあげるべきと考えます。もっと言えば、義務教育終了の中学において、時間をとって教えるべきと考えます。中卒で社会に出る人もいるので、「義務教育の間に知れる環境」を作っておくべきです。

もう一つは、各種官庁が公式に、自分たちが取り扱っている上記の制度について、概要や仕組みなどを国民に理解してもらう「周知・教育」することを強化すべきです。
現状では、役所に行けばある程度の説明やリーフレットをもらって学習できますが、手間や時間がかかります。

私自身も以前にも述べましたが、詳しくは、
各種行政手続きや制度に関して、動画配信を使った国民への周知案について
https://note.com/sousyu/n/n4a0a113bc543
を是非参照してください。

今の時代なら、YouTubeなどの媒体で各種制度の概要や申請の仕方を発信して、誰でもいつでもどこでも学べる体制を作っていくことが可能です。既にそういった取り組みをしている官庁もありました。国民が「誰でもいつでもどこでも学べる体制」を構築していくべきと考えます。

多くの社会制度や法律は難解で、尚且つ難解なままで一般人には理解しきれないというのは問題です。だからこそ、税理士や社労士などの専門家がいて、彼らの生計が成り立っているのでしょうが、それでも国民1人1人がある程度の知識を、学校や家庭環境等に関係なく学べる状態を作るのは、国家の責務だと考えます。

デジタル社会が進展して、少しずつ上記のハードルが下がり、チョコチョコとそういう取り組みも増えていますが、行政には今後もさらにそのギアを上げていってほしいと、思っています。

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