プロサッカークラブのアイデンティティ②


前回は「レッズの試合の作り方」を僕が感じた表現で書かせてもらった。
今回はその前提を受けてのサポーター文化。

②レッズサポーターの文化


「ピッチは試合をする所」

「主役は選手たち」でそこに「過度な演出はいらない」というスタンスを感じ取れるレッズのスタジアム。ではそこに集うファン、サポーターの文化はどうだろうか。
※なお、今回レッズサポーターのスタイルや僕が好きな面を書くのでネガティヴなことは殆ど出てこない。いわば理想と現実の「理想」の部分とでも思ってもらえれば…。

青春と言われる年代をスタジアムで過ごしていたが、それは90年代終わり〜2000年代半ば頃の話。
正直言って始めの方のクラブのスタンス、サポーターのスタイルなんかはよく分からない。でもおそらくではあるがそこまで変わっていないと感じている。ほぼ定かではない幼少期の記憶を信じればだけど。

クラブのやり方、在り方はサポーターへ浸透し、「試合至上主義」とも言える環境になっていった。
例えば、「ピッチは選手のもの」という考えの徹底。
ビジュアルの片付けでよく駒場のピッチレベルまで降りることがあった。


主に「デカ旗」と呼ばれるアイテムを畳む時が多かったけれど、サポーターが踏むのは陸上トラックのみ。
僕自身子供ながらに少しでもピッチ内に入ろうという気は起きなかったし、特別明言されなくてもその空気感は伝わっていた。

そこの「住み分け」というのか、ピッチは選手のもの。自分たちの闘う場所はスタンド。という意識をかなり強く持っていたからこそ、サポートのための特例として試合後にピッチレベルまで降りたり、入場開始前にビジュアルの準備としてスタジアムに入れさせてもらい準備をする等、クラブからの理解もあったのではないかな?と今になって思う。

クラブが「試合ファースト」な運営をし、サポーターもそこに集中することにより所謂「熱い」サポーターが生まれた。真っ赤なゴール裏が精一杯跳ね、声を上げる。結果的にそれすら一つの「エンターテイメント」になり、「サポーターがカッコいい」という理由でサポーターになった人も少なからずいる。

そういえばサポーター時代は「楽しみに」スタジアムへ行くよりも「勝たせるためになにができるか?」という意識で行くことの方が多かった。もちろん勝った瞬間や試合後の居酒屋なんかは楽しみではあったけれど。

「声援と拍手とブーイング」

では、具体的なレッズサポーターのスタイルはどうか。
現在ゴール裏に通っていないので、あまり偉そうなことは言えない。とは言ってもコロナでコールはできず、現在は手拍子のみでのサポート。

じゃあどうする?レッズの場合はまず「スタジアムで音源は流さない」これは間違いない。サポートはサポーターがするもの。クラブ主導では絶対やらない。
ビジュアルサポートもそう。協力はするだろう。でもクラブが何か配って「掲げて下さい」とかは見たことないし、想像がつかない。

コロナ前はどうだっただろう?
昔の(2000年前後?)浦和サポーターはおそらくセリエAのサポーターを理想にしていた。
チャントの原曲に関して言えば色々な国からヒントを得ていると思うが、雰囲気というかカラーはイタリアっぽかった。
オリジナルと思われるコールもいくつかある。そしてJリーグ内でどっか他のチームがやっているのは極力避けている。

よくレッズサポといえばブーイング…というイメージを聞く。たしかに比率も音量も多いかもしれない。
でも負け試合味方にいつもしてるわけでも、敵だからって誰彼構わずやっている訳じゃない。

僕はレッズサポの良さはずっと「妥協しない」のと「メリハリ」だと思ってサポートしていた。最後の1秒まで全力でサポートをして、仮に不甲斐ないプレーと感じたからブーイング。ここは個人差がある。けど、けして負け=ブーイングではなかった…と思う。

逆に勝った試合でブーイングも記憶にある。
資料が手元にないので、記憶が違ったら申し訳ないが
4-0から2点入れられて勝ったヴェルディ戦。
2-0でなんとか勝った天皇杯埼玉SC戦。
もちろん他にもあるだろうが、現地にいて記憶にあるのはこの2つ。

最後まで気を抜かない。
最後まで全力で闘う。

サポーターが求めているのはそこなんだと思う。
強い敵相手に良いサッカーをして気持ちを出して闘った結果惜しくも敗れる。
そうした試合はブーイングも少なかった。

相手に対するブーイングも、ただブーブー言ってるだけではなく、脅威になる選手に送られる場合が多い。
後はピリピリした感じを出したい、闘いだ!という雰囲気を作りたいからだと思う。

なので試合後相手にブーイングするとしたら挑発的な何かがあった場合のみ。もう試合は終わったから、基本的には敵では無くなる。決勝の後など、検討を讃えて相手に拍手することだって無いわけじゃない。

浦和レッズサポーターとは

異質…ではあるんだろう。
風当たりが強くなるのも分かる。

とにかく勝ちたい。
ここにかける思いが他のクラブよりほんの少し強いんだと思う。
正確に言えば強い人が多い…か。
「負けちゃったけどスタジアム楽しかったね」
そんな会話はほとんど聞いたことがない。

それは極力他の要素を排除して、エンターテイメントを試合に集中させたことによる結果なのかもしれない。


ありがとうございました。

繰り返しになるけど、理想と現実の「理想」の部分が大きい。「現実」も必ず書きたい。整理がついたら。

僕はこのクラブとサポーターが大好きだ。
常に本気。全力。で勝ちに行く。
だから結果が出ない時は難しい。
でも基本には「we are reds」があると思っている。
俺たちは浦和レッズ。クラブと選手を共に支えよう。

前回はクラブのスタイル。
今回はサポーターのスタイル。
次回はクラブとサポーターとJリーグ。
を書いてみたいと思います。
読みづらい所もあるとは思いますが、またよろしくお願いします。


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