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『働く君に贈る25の言葉』 佐々木常夫

今回は、佐々木常夫さんの著書「働く君に贈る25の言葉」という本をご紹介します。

私は働き始めたばかりですが、この本は、私の仕事観だけでなく人生観を深く考えるきっかけとなりました。今、世の中にはスキルや技術力を向上させるような書籍が人気を博していますが、この本は人生で巡り合う様々な出来事に対する心構え、精神面的な自分の支え方を教えてくれました。この心構えは、自分は如何なる会社に属そうとも、如何なる仕事を行うにしても必要不可欠な要素だと思います。またスキルや技術力よりも先に習得すべきものではないかと考え直す機会となりました。

今回は、
➀強くなければ仕事はできない。優しくなければ、幸せになれない。
②「目の前の仕事」に真剣になりなさい。きっと見えてくるものがある。
③君は人生の主人公だ。何ものにもその座を譲ってはならない。
順番に紹介します。

➀強くなければ仕事はできない。優しくなければ、幸せになれない。
「仕事をする上では強さが必要です。 困難な仕事を成し遂げる『粘り強さ』、失敗しても叩かれても立ち上がる『芯の強さ』、時には自説を押し通す『気の強さ』も必要でしょう。 しかし、強さだけでは幸せになることはできません。 強さの根底に優しさがなければ、幸せになることはできないのです。」

この本の冒頭に、この言葉があります。これは、私はこの本を読んで一つ目に痺れたメッセージです。私自身、仕事に取り組むと成し遂げることに必死になり「強さ」だけを追い求めてしまいがちです。それは、上司や社内の人に認められたい「承認欲求」や昇進することで収入を上げたいなどの自己都合などからくる欲だと思います。しかし、そこには他者を労わる配慮や気配りが無になっています。そして強さにかまけている最中は、自覚がありません。
このメッセージを見て、考え直し、新たな方向性へと私自身を再起するきっかけとなりました。シンプルですが、非常に心に響くものです。

②「目の前の仕事」に真剣になりなさい。きっと見えてくるものがある。
佐々木さんの 甥御さんは、就職氷河期に食品メーカーになんとか入社できたそうですが、第一志望ではなかったそうです。「この会社で本当によかったのか、と思う時があるんです。もっと自分にあった場所があるのでは…」と漏らしていたそうです。私もコロナ禍に就職し、第一希望とは別の会社に就職したため、甥御さんと同じ心情でした。

しかし佐々木さんは、「その会社がどんな会社なのか、その仕事がどんな仕事なのか、実際に働いてみないとわからない」と仰っています。
・憧れていた仕事を実際にやってみると、実は自分が向いていなかった。
・仕方なく就いた仕事だったけれど、やってみたら面白かった。
このようなケースがあります。このようなギャップが生まれるのは、これまで20年余り生きてきて、いろいろな体験をしたため、見聞きした経験のある仕事はどのようなものなのか想像できると思い込んでるのだと思います。しかし、表面的に見聞きしたことある仕事でも、その裏には何十倍もの人々が働いていること、その方がどういう仕事をしているのかは想像がつかないものです。

また佐々木さんは、「実際のところ、私は会社なんてどこに行っても似たようなものだと思っています。(略) むしろどの仕事に就いたかというよりも、仕事にどう向き合うかのほうが大事なんです。」と。よく上司ガチャという言葉を耳にしますが、入社前に収集できる会社の情報もありますが、未確定なものも多々あります。未確定なものは、例えば配属先の上司です。このように入社前では、想像のつかないことが多くあります。どの会社に入社できたかということに一喜一憂するのではなく、どう向き合うか、その会社に入社して何を学ぶか、何をスキルとして蓄え、何年後にどういう自分になりたいかを考えるほうが圧倒的に大事です。幸せでありたい時は、入社前か入社後の長い人生かのどちらかがいいか考えれば、必然と答えが出てくると思います。

③君は人生の主人公だ。何ものにもその座を譲ってはならない。
佐々木さんは、人生設計を出来るだけ具体的にイメージすること、「自分は何を大事にして生きていきたいのか」、「自分はこの人生で何がしたいのか」をまず設計することの重要性を説いています。

仕事、家族、趣味、お金、遊び、…いろいろありますね。注意したいのは、仕事の位置づけです。下手をすると、その人自身の人生を飲み込んでしまいかねまいです。

「熟年離婚」というドラマでは、夫は、定年まで仕事一辺倒の生活をして、妻に家事や育児を任せっきりにしていたそうです。夫は妻を愛していましたが、仕事を第一優先にしていました。そんな夫が定年を迎え、会社最後の日には、妻への感謝の思いから海外旅行のチケットを渡しましたが、妻から渡されたのは、離婚届でした。

夫の悲劇の原因は、自分の人生について真剣に考えてこなかったことにあります。自分にとって「本当に大切なもの」が見えていなかったため、仕事に人生を乗っ取られてしまいました。

私は、入社前に仕事の位置づけを深く考えました。私は大学院時代、研究で時間も精神的にも余裕がなく、疲弊していました。私は、この時、「自分が時間に余裕がなくなると、何もできなくなる人なんだ」と気づき、この過ちを二度と起こさないようワークライフバランスがとりやすい会社に就職しました。今では、時間に余裕があるため、一人暮らしや読書などやりたいことに投資できています。時間の余裕は、やりたいことが出来るだけでなく、精神的余裕にもつながるため、非常に重要だと思っています。

以上、長文となりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。


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